カナグルってどんなお薬?効果・副作用・危険性などについて医師が解説

カナグルとは、糖が尿に排出されるのを促し、血糖値を改善するお薬です。2型糖尿病などの治療薬ですが、糖質制限をしているのと同じような状態になるため、ダイエット効果も期待できます。

この記事では、カナグルのダイエット効果や副作用、飲み方、注意点などについて詳しく解説します。

カナグルはどんなお薬?

カナグルは、カナグリフロジンを主成分とするSGLT2阻害薬です。2型糖尿病や、2型糖尿病の方の慢性腎臓病の治療薬として使われることが一般的です。

SGLT2阻害薬とは、腎臓で糖を再吸収するSGLT2というタンパク質を阻害し、血中の糖を尿として排出し、血糖値を下げるお薬です。

カナグルの効果・効能

前述の通り、カナグルはSGLT2というタンパク質を阻害することで、血中の糖を尿として排出し、血糖値を下げます。

また、腎臓の糸球体(毛細血管が毛糸の球状に丸まってできており、血液をろ過して尿を作るところ)の圧力を下げるなどの作用で、腎機能低下を抑えるはたらきもあります。

カナグルはダイエットに効果あり?

カナグルを飲むと、本来吸収されるはずだった糖分が吸収されずに尿に排出されます。通常、余分な糖は脂肪に変わって肥満の原因となるのですが、糖が排出されれば脂肪に変わることも少なくなり、ダイエット効果が得られる可能性があります。

つまり、カナグルを飲むことで糖質制限と同じような状態となり、カロリー摂取量も減ってダイエットにつながるということです。

また、排尿の回数が増えることで、水太り解消にも効果が期待できます。

カナグルが向いている方

カナグルは、以下のような方に向いています。

  • 食事制限や運動はできるだけしたくない方
  • ストレスなくダイエットしたい方
  • リバウンドが気になる方
  • 痩せやすい体質になりたい方
  • じっくり体重を落としたい方

お薬を飲むだけなので、きつい食事制限や運動は不要で、ダイエットにつきものであるストレスを抑えながらダイエットに取り組むことができます。

とはいえ、食事や運動に気を付けたほうが効率よくダイエットできるでしょう。

また、効果が出るまでには少し時間がかかります。急激に痩せるとリバウンドも起こりやすくなりますし、皮膚のたるみにもつながるため、じっくり体重を落とすことにもメリットがあります。

カナグルの飲み方

一般的な飲み方は、1日1回1錠を朝食前か後に飲むというものです。これはダイエット目的で飲む場合もおなじです。

カナグルの副作用

どんなお薬にも、効果が期待できる反面、副作用が生じる恐れがあります。ここで紹介するような症状が現れた場合は、早めに医師に相談してください。

  • 主な副作用:低血糖、頻尿、便秘など
  • その他:発疹、倦怠感、吐き気・嘔吐、腹痛、排尿時の痛み、食欲低下など

また、以下のような重大な副作用が生じると、記載したような初期症状が現れることがあるので、その場合は早めの受診が必要です。

  • 低血糖(血糖値が下がりすぎてしまう):冷や汗、手足のふるえ、極度にお腹がすくなど
  • 脱水:のどが渇く、だるい、めまいなど
  • ケトアシドーシス(ケトン体が増えて血液が酸性に傾いた状態):吐き気・嘔吐、意識・判断力の低下、深く大きい呼吸など

カナグルの処方ができない方

体質や持病によっては、カナグルを処方できない方や、処方に注意が必要な方がいます。以下に当てはまるような方は必ず医師に相談してください。

  • 薬や食べ物によるアレルギー症状(かゆみ、発疹など)が出たことがある方
  • 感染症がある方
  • 腎不全・透析治療中の方
  • 手術前後の方
  • 妊娠中、妊娠している可能性がある方
  • 授乳している方
  • 高齢の方

併用に注意が必要なお薬

他のお薬やサプリを飲んでいる場合は、カナグルと併用するとお互いに効果が下がったり、逆に作用が強くなりすぎて体に悪影響を及ぼしたりすることがあるため、医師に相談しましょう。

カナグルには、併用禁忌薬(併用が禁止されているお薬)はありませんが、注意が必要なお薬は複数あります。

たとえば、経口血糖降下薬(SU薬)やインスリン注射です。これらはいずれも血糖値を下げるはたらきがあるため、カナグルと併用すると低血糖が生じやすくなります。そのため、併用するときは、低血糖に備えて必ずブドウ糖などを持ち歩く必要があります。

カナグルを飲む時の注意点・コツ

カナグルを飲む時は、水分補給をしっかりして、低血糖症状にも注意しましょう。また、効率よくダイエットしたいときはGLP-1受容体作動薬も使うのがよいでしょう。詳しくは以下の通りです。

水分補給をしっかりする

カナグルを飲むと、尿の量が増えて、排尿の回数も増えます。そのため脱水症状が生じることがあります。そのため、しっかりと水分補給をしましょう。

低血糖症状に注意する

カナグルを飲むと、血糖値が下がりすぎて、以下のような低血糖症状が現れることがあります。

  • 脱力感
  • 冷や汗
  • 血の気が引く
  • 強い空腹感
  • 疲れやすさ
  • 手足が震える
  • 意識が朦朧とするなど

こういったときは、糖分の多い食べものや飲料をすぐにとる必要があります。

家族などの周りの人にも低血糖の恐れがあることを伝えておき、症状が出たときにすぐにサポートしてもらえるようにしておくと安心です。

効率よくダイエットしたいときはGLP-1を使う

ダイエットに使われる医薬品の一つに「GLP-1受容体作動薬」があります。こちらも糖尿病治療薬ですが、食欲を抑えるはたらきがあり、ダイエット目的で処方されることがあります。

GLP-1受容体作動薬はSGLT2阻害薬と併用ができ、併用することで、より高い効果が期待できるとされています。

カナグルは通販で購入できる?

個人輸入という形でネット通販でカナグルを購入する方法もあります。しかし、ネット通販で売られているお薬は、偽物の可能性があったり、日本人の体には合っていなかったり、副作用などが生じたときに対応が難しかったりと、リスクが大きくおすすめできません。

カナグルを飲みたいときは、カナグルを扱っている病院を受診して処方してもらいましょう。

クリニックフォアのオンラインメディカルダイエット

クリニックフォアではメディカルダイエットのオンライン診療を行っています。カナグルは取り扱っていませんが、カナグルと同じSGLT2阻害薬の「ルセフィ」と「フォシーガ」の取り扱いがあります。

そのほかにも、GLP-1受容体作動薬の「リベルサス」や「オゼンピック」、脂質を排出するお薬、漢方薬など、さまざまなお薬を処方しているため、目的やライフスタイルに合わせてダイエットをしてみましょう。

スマホなどを使ってオンラインで診療を受けていただければ、薬はご指定の場所に配送します。定期配送もあるので、忙しい方でもダイエットが続けやすくなっています。

 

 

※効果・効能・副作用の現れ方は個人差がございます。医師の診察をうけ、診断された適切な治療方法をお守りください。