【医師監修】AGA(薄毛)のセルフチェック診断全9項目!

この記事を読まれている方は「髪の毛が薄くなってきたけど、これってAGAなのかな・・・?」「薄毛になってきたけど病院に行くべきかな・・・?」など、自分自身がAGAなのかどうか気になっている人もいらっしゃるのではないでしょうか。 そこで本記事ではAGAのセルフチェック診断をご紹介いたします。当院の無料オンライン相談についても紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

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今すぐできるAGAセルフチェック9項目

以下の9項目のうち、ご自身に当てはまる項目の数を数えてください。

  • 1.親族(特に母方の祖父)が薄毛である
  • 2.最近、髪の毛のコシがなくなり、細く短い髪が増えた気がする
  • 3.枕元の抜け毛が多くなるなど、最近抜け毛が多くなった気がする
  • 4.額の生え際が少しずつ後退している気がする
  • 5.頭のてっぺん・つむじの部分が薄くなったり、地肌が見えるようになってきている気がする
  • 6.同年代の周りの人と比べると髪の量が少ないように思う
  • 7.バランスの良い食事ができてなく、脂肪分の多いものが好きである
  • 8.日々の生活でストレスが多かったり、睡眠が不足していたりする
  • 9.普段たばこを吸う

何項目当てはまったら受診すべき? 写真で進行を確かめる方法 

これらの項目のうち、当てはまる数が1~2個程度であればAGAの可能性は低いと考えられます。しかし、3個以上当てはまる方は要注意です。AGA又はAGA予備軍かもしれません。

目安として3項目以上に該当し、さらに過去の写真と比較して生え際の後退や頭頂部の薄毛の進行が確認できる場合は、皮膚科またはAGA専門クリニックへの受診を推奨します[1]。セルフチェックはあくまで目安であり、確定診断には医師の診察が必要です。 

3個以上当てはまった方は、まず生活サイクルや食生活等、日々のケアで解消できる事から取り組みましょう。気になる方は、AGAの診察を受けてみることもお勧めいたします。

写真記録のポイント:同じ場所、同じ照明条件で、月に1回程度、生え際と頭頂部を撮影して記録しておくと、進行の有無を客観的に判断しやすくなります。 

診断基準の詳細

ここからは、先ほどのセルフチェック診断にある各項について、詳しく解説していきます。

1. 「親族(特に母方の祖父)が薄毛である」

AGAには遺伝が関係していると考えられており、特に母方の遺伝子の影響を受けやすいと言われています。

もちろん、父方も含め遺伝的要因が影響する割合は大きく、ご自身の家系でAGAの方がいらっしゃるかどうかは、重要なポイントです。

2&3. 髪の毛のコシがなくなり、細く短い髪が増えて抜け毛も多くなった

AGAはヘアサイクル(毛周期)の乱れが非常に関係しています。

ヘアサイクルとは

髪の毛が成長し自然に抜け、また新たに髪の毛が生えてくるサイクルのこと。主に成長期・退行期・休止期・脱毛の4つの時期があります。

AGAの方は、ヘアサイクルにおける成長期のスパンが短くなっており、髪の毛が抜ける時期である退行期へすぐ移行してしまいます。そのためAGAの症状が出始めると髪の毛のコシが無くなったり、髪の毛が細くなったり抜け毛が多くなるのです。

1日の抜け毛の目安 

健康な人でも1日50~100本程度の抜け毛は生理的な範囲内とされています[2]。しかし、急激に抜け毛が増えたり、塊状に髪が抜けたりする場合は、AGAだけでなく他の疾患の可能性もあるため、早めに受診することをお勧めします。 

4&5.「額の生え際が少しずつ後退している気がする」「頭のてっぺん、つむじの部分が薄くなったり、地肌が見えるようになってきている気がする」

AGAの進行のパターンとしては、大きく以下2つのパターンがあります。

  • 生え際から後退していく(全体的に下がる・M字に下がる)
  • 頭のてっぺん・つむじから広がっていく

また、両方が同時に進行する場合もあります。

AGAは徐々に進行するため、中々自分自身では気づきにくい疾患です。そういった場合は、過去の写真などと比較をして、変化をチェックしてみましょう。昔と比べて生え際が後退していたり、頭頂部が薄くなっていたりすればAGAを疑った方が良いでしょう。

6.「同年代の周りの人と比べると髪の量が少ないように思う」

AGAは男性ホルモンのテストステロンが関係しています。そのため、テストステロンの分泌が活発になる思春期以降であれば、例え10代~20代でもAGAになっている人も決して珍しくはありません。

元から毛量が少ない方や細い方は、判別が難しいものの「最近、周りの同世代と比べて髪の量が少なくなってきたな・・・」という方は、AGAの可能性があります。そう感じられたら、一度医師に相談してみましょう。

7&8.「バランスの良い食事ができてなく、脂肪分の多いものが好き」「日々の生活でストレスが多かったり、睡眠が不足していたりする」

生活習慣(食事・睡眠)の乱れやストレスは、AGAをはじめとした薄毛に大きく影響を与えます。栄養が偏っていたり、脂質の多い食事を好まれる方は、髪の毛に必要な栄養素をうまく取れていない可能性が高いと言えるでしょう。

また、ストレスも同様に、AGA・薄毛にとって良い要素ではありません。睡眠も髪の成長に欠かせないものなので、睡眠不足の方は注意が必要です。

9.「普段たばこを吸う」

喫煙をすると、ニコチンによって毛細血管が収縮されます。そのため、髪に必要な栄養が行き渡らなくなり、薄毛の原因になると考えられています。

進行度を知る:AGAの進行分類について 

AGAの進行度を客観的に評価するために、医療現場ではいくつかの分類法が使われています。これらを知っておくことで、自分の状態をより正確に把握し、医師との相談もスムーズになります。 

Norwood分類(男性型の古典的7段階) 

Norwood分類は、男性の前頭部の生え際後退から頭頂部にかけての進行を、I型からVII型までの7段階で表す伝統的な分類方法です[4]。過去の写真と比較して、自分がどの段階にあるかを記録するのに有用です。初期段階(I~II型)では生え際のわずかな後退、中期段階(III~V型)では明確なM字型の後退や頭頂部の薄毛、後期段階(VI~VII型)では前頭部と頭頂部が繋がって広範囲に薄毛が広がります。 

BASP分類(性別・人種を問わない進行分類) 

BASP分類は、前頭部の生え際の形状と各部位の毛髪密度を組み合わせて進行度を表す分類方法です[5]。性別や人種に依存しにくく、より普遍的に使える特長があります。セルフチェックの結果をBASP分類の型に対応付けて記録しておくと、治療効果の判定にも役立ちます。 

女性型脱毛症の進行評価(Ludwig分類・Sinclair分類) 

女性の場合は、男性とは異なり、頭頂部を中心としたびまん性(広範囲に薄くなる)の薄毛が主な特徴です。Ludwig分類では、I度からIII度までの3段階で頭頂部の薄毛の程度を評価します[6]。Sinclair分類も同様に、女性型脱毛症の進行度を段階的に評価する方法です[7]。女性の場合は、産後の脱毛、甲状腺疾患、鉄欠乏性貧血など、他の要因による脱毛との鑑別も重要になります。 

自分の型を見分けるポイント 

これらの分類は、写真記録と組み合わせることで効果を発揮します。同じ条件で撮影した写真を定期的に見返し、どの分類のどの段階に該当するかを確認することで、進行の有無や治療効果を客観的に判断できます。ただし、最終的な診断と評価は必ず医師に相談してください。 

毛髪鏡(トリコスコピー)で見られる代表的な所見 

医療機関では、毛髪鏡(トリコスコピー)という拡大鏡を使って、頭皮や毛髪の状態を詳しく観察することがあります。AGAの診断を補助する代表的な所見として、毛径のばらつき(約94%で観察)、産毛化(約66%で観察)、ペリピラーサイン(毛包周囲の色素沈着、約43%で観察)などがあります[8]。これらは専門的な検査ですが、客観的な診断の根拠となる重要な情報です。セルフ観察には限界があるため、正確な診断を受けたい方は医療機関での検査をお勧めします。 

自己診断の限界と受診トリガー 

重要な注意事項 

このセルフチェックはあくまで目安であり、確定診断の代わりにはなりません。AGAと似た症状を示す他の疾患もあるため、気になる症状がある場合は必ず医師の診察を受けてください。 

この症状は要注意(円形脱毛症・脂漏性皮膚炎などの鑑別) 

以下のような症状が見られる場合は、AGA以外の疾患の可能性があります。早めに皮膚科を受診してください。 

症状・特徴 考えられる疾患 受診先 
円形または楕円形に、塊状に髪が抜ける 円形脱毛症 皮膚科 
頭皮の赤み、かゆみ、フケが多い 脂漏性皮膚炎 皮膚科 
出産後や発熱後に急激に抜け毛が増えた 休止期脱毛症 皮膚科 
全身のだるさ、体重変化、寒がりなどを伴う 甲状腺疾患、栄養障害など 内科・皮膚科 

国内ガイドラインに基づく診断の考え方 

日本皮膚科学会の診療ガイドライン(2017年版)によれば、男性型および女性型脱毛症は思春期以降に進行し、前頭部から頭頂部にかけての軟毛化(髪が細く短くなること)が特徴とされています[1]。受診時には、既往歴(過去の病気)、家族歴(家族に薄毛の人がいるか)、進行分類を総合的に判断して診断が行われます。ただし、ガイドラインはあくまで標準的な考え方を示すものであり、個別の症例では柔軟な対応が必要です。 

セルフチェックから受診へ(実践指標) 

セルフチェックで3項目以上に該当し、さらに過去の写真と比較して進行が確認できる場合は、皮膚科またはAGA専門クリニックへの受診を推奨します。これは国内ガイドラインの診断基準の考え方とも整合する実践的な指標です[1]。早期発見・早期治療により、より良い治療効果が期待できます。 

よくある質問(FAQ) 

最後にAGA治療やセルフチェックに関するよくある質問について、まとめましたのでぜひチェックしてみてくださいね。 

Q.10代・20代でもAGAになりますか? 

A.はい、AGAは思春期以降に発症する可能性があり、20代で発症することも珍しくありません。ある調査では、日本人男性の20代の約10%にAGAが見られると報告されています[3]。若年で進行する場合もあるため、気になる場合は早めに専門医に相談することが推奨されます。ただし、あくまで統計情報であり、個人の診断ではないことをご理解ください。 

Q. AGA治療は皮膚科の医療機関で受けられますか?

A. 医療機関によりますが、皮膚科の医療機関・クリニックでも受けられます。

いわゆるAGA専門クリニック以外でも、皮膚科の医療機関・クリニックでもAGA治療を受けることができます。クリニックフォアでは対面でもオンライン診療でも治療を受けていただくことが可能です。

Q. AGA治療を受けるならどういうクリニックが良いですか?

A. 皮膚科でも診てもらうことができて、なおかつ幅広い治療が行えるクリニックがオススメです。

クリニックフォアでは、皮膚科の診察も行っているため、AGAに対する幅広い治療、加えてもし合併する皮膚疾患がある場合は、皮膚疾患に対しての保険診療もご案内が可能です。気になってらっしゃる方は早めに受診していただくことをお勧めいたします。

Q. クリニックフォアではAGAの検査キット等貰えますか?

A. クリニックフォアでは、検査キットは提供しておりません。

オンライン診療で最短当日、診察を受けていただくことが可能ですので、気になっていらっしゃる方は、一度受診してみてください。

Q. 何項目当てはまったら受診すべきですか? 

A. 目安として3項目以上に該当し、過去の写真と比較して進行が見られる場合は、皮膚科またはAGA専門クリニックへの受診を推奨します。症状が急に悪化したり、塊状の抜け毛がある場合は、より早期の受診をお勧めします。 

Q. 1日の抜け毛は何本まで普通ですか? 

A. 健康な人でも1日50~100本程度の脱毛は生理的な範囲とされています[2]。急激に抜け毛が増えたり、長期間にわたって増加が続く場合は受診の目安となります。 

Q. 女性のセルフチェックの注意点は? 

A. 女性の場合は、頭頂部を中心としたびまん性の薄毛が主な特徴で、Ludwig分類やSinclair分類で進行度を評価します。産後、甲状腺疾患、鉄欠乏性貧血など、他の要因による脱毛との鑑別が重要です。女性や未成年者がセルフチェックを行う際は、これらの点に注意してください。 

Q. 個人輸入薬に頼るリスクはありますか? 

A. 個人輸入で入手した医薬品は、品質や安全性が保証されておらず、偽造品や不純物が混入している可能性があります。また、副作用が生じた場合に国内の医薬品副作用救済制度の対象外となるため、自己責任となります。必ず医師の診察を受けて、正規のルートで処方された医療用医薬品を使用してください。 

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AGAを正しく理解する

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自分がAGAなのか、簡単セルフチェック。

AGAの原因

AGAが起こる原因を理解しましょう。

AGAのお薬について

自分に合ったお薬を知りましょう。

参考文献

  1. 日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017年版」
  2. Sinclair, R. (2024). "Hair Loss." JAMA Network Patient Page(一般向け医療情報)
  3. Kariya, N., et al. (2021). "Prevalence of androgenetic alopecia in Japanese men: a community-based study."
  4. Norwood, O.T. (1975). "Male pattern baldness: classification and incidence."
  5. Lee, W.S., et al. (2007). "A new classification of pattern hair loss that is universal for men and women: basic and specific (BASP) classification."
  6. Ludwig, E. (1977). "Classification of the types of androgenetic alopecia (common baldness) occurring in the female sex."
  7. Sinclair, R., et al. (2018). "Female pattern hair loss."
  8. Farias, D.C., et al. (2024). "Trichoscopy in Androgenetic Alopecia: A Systematic Review."