マンジャロで何キロ痩せる?いつからダイエット効果が出るのかと注意点も解説

マンジャロによる治療が気になるものの「実際何キロくらい痩せられるんだろう」と疑問に思っていませんか?「いつから、どのくらいの期間で痩せるのか」も知ったうえで、治療を検討したい方もいるでしょう。


各臨床試験では、マンジャロの高い体重減少効果が確認されています。一部の研究では、1年半で約15〜21%体重が減るという結果が示されています。


このような効果を得るには、正しい知識と適切な手順で治療を進めることが重要です。


本記事では臨床試験データをもとに、マンジャロの減量効果と痩せる期間の目安、他薬との違いについて紹介します。


事前に知っておきたい注意点や効果を高めるポイントも解説しますので、安心して治療を始めるための参考にしてください。


マンジャロでどれくらい痩せる?気になる減量効果をデータで解説

マンジャロ(チルゼパチド)の体重減少効果は、国内外の臨床試験で報告されています。

以下は、マンジャロの減量効果を示す代表的なデータです。

  • 海外の肥満患者が1年半続けた結果:平均15〜21%の減量
  • 日本人の肥満患者が約1年半続けた結果:10mgで約16%の減量

いずれの試験でも、用量や期間に応じて体重が減少する傾向が示されました。

※医師の判断によりお薬を処方できない場合があります。
※効果・効能・副作用の現れ方は個人差がございます。医師の診察を受け、診断された適切な治療方法をお守りください。

肥満の人が1年半続けた結果:平均15〜21%の減量

海外の肥満患者を対象とした臨床試験「SURMOUNT-1」では、マンジャロ(チルゼパチド)を72週間使用した結果、平均15〜21%の体重減少が確認されました。1 用量が多いほど、減量効果が高くなる傾向も示されています。

以下の表は、用量ごとの平均体重減少率をまとめたものです。

肥満患者を対象とした臨床試験「SURMOUNT-1」(72週間使用)

用量体重減少率(平均)
チルゼパチド5mg-15.0%
チルゼパチド10mg-19.5%
チルゼパチド15mg-20.9%
プラセボ(偽薬)-3.1%

この体重減少率は、元の体重が80kgの場合、5mgで約12kg、10mgで約16kg、15mgでは約17kgもの減量に相当します。

また同試験では、どの程度の人が実際に減量を達成したのかも分析されています。

以下の表では、5%・20%以上の減量を達成した人の割合をまとめました。

減量達成度(SURMOUNT-1試験・72週時点)

プラセボチルゼパチド5mgチルゼパチド10mgチルゼパチド15mg
5%以上の減量を達成した人35%85%89%91%
20%以上の減量を達成した人3%30%50%57%

※対象者の平均体重:104.8kg、平均BMI:38

どの用量でもチルゼパチドを72週間続けると、8〜9割の人が5%以上の減量を達成したことがわかります。

実際の効果は生活習慣や体質によって異なりますが、試験結果からは高い体重減少効果が読み取れます。

日本人の肥満患者が約1年半続けた結果:10mgで約16%の減量

日本人を含む肥満患者を対象とした臨床試験「SURMOUNT-J」でも、チルゼパチドの高い減量効果が報告されています。2

日本人の肥満者を対象に72週間チルゼパチドを投与した結果、以下のような体重減少が確認されました。

日本人を含む肥満患者を対象とした試験「SURMOUNT-J」(72週間使用)

投与量体重減少率(平均)
チルゼパチド10mg-16.1%
チルゼパチド15mg-21.1%

この体重減少率は、体重80kgの方であれば10mgで約13kg、15mgで約17kgの減少に相当します。日本人でも海外試験と近い減量効果が認められたのです。

また、同試験では、5%以上の体重減少を達成した割合についても報告されています。

5%以上の体重減少を達成した割合

  • チルゼパチド10mg:94%
  • チルゼパチド15mg:96%
  • プラセボ:20%

これらの試験結果から、マンジャロは日本人にも減量効果を示すことがわかります。海外だけでなく日本国内でも、肥満治療の有効な選択肢として注目されているのです。

マンジャロの効果はいつから?何か月で痩せるのか期間別の目安

マンジャロの効果は早ければ4週間目頃から見られますが、十分な減量効果を感じるまでには3か月程度必要です。

米国の臨床試験(JAMA Internal Medicine 2024)では、肥満症と診断された患者に対する治療において、使用期間に応じて以下のような体重減少効果が確認されました。

  • 3か月の時点:平均5.9%の減少
  • 6か月の時点:平均10.1%の減少
  • 12か月の時点:平均15.3%の減少

この結果から、一定期間続けることで体重が減っていく傾向が分かります。

ただし、これはあくまで平均的な結果であり、効果の現れ方には個人差があります。臨床データは、どのくらいで変化を感じられそうかを推測するひとつの目安としてください。

3か月の目安:マイナス約6%

海外の試験(JAMA Internal Medicine 2024)では、マンジャロの使用開始から3か月で平均約5.9%の体重減少が見られました。体重80kgの方であれば、約4〜5kgの減量に相当します。

マンジャロには食欲を抑える作用があり、早い段階で食事量が減ったと感じる人もいます。

一方、見た目に変化を感じるまでには数か月程度かかるのが一般的です。最初の1〜2か月は体がお薬に慣れる時期と理解し、焦らず治療を続けましょう。

使用開始した初期は、吐き気や便秘などの消化器症状が出やすい時期でもあります。副作用が強い場合は、自己判断せず医師に相談してください。

6か月の目安:マイナス約10%

マンジャロを6か月継続した時点では、平均約10%の体重減少が見られました。体重80kgの方なら、約8kgの減少に相当します。

減少のスピードには個人差もあります。期待したほどの効果が得られないと感じても、自己判断の中断は控えてください。効果が失われたり、不調につながったりする可能性があります。

思うように体重が減らない場合は、医師と相談しながら食事内容や運動習慣を見直してみましょう。お薬を正しく使い続けるとともに、整った生活習慣を意識することが大切です。

12か月の目安:マイナス約15%

使用開始から12か月後では、平均15%前後の体重減少が確認されています。体重80kgの方であれば約12kgの減量に相当し、十分な減量効果が得られたことがわかります。

また、約1年半(72週)続けた別の試験では平均15〜21%の減量が報告されており、1年以上継続するとさらに体重が減る可能性があります。

十分な効果が得られた場合は、終了時期も見据えつつ、医師の指示があるまで治療を続けましょう。

マンジャロで痩せる理由とは?3つの仕組み

マンジャロは、主に以下3つの仕組みで体重減少効果を発揮します。

  • 過度な食欲を抑える
  • 満腹感を持続させる
  • 脂肪の代謝を促す

これらの働きは「GIP」と「GLP-1」という2つのホルモンの経路を通して起こります。マンジャロは、GIP受容体とGLP-1受容体の両方に作用し、これらのホルモンの働きを高めることで、食欲と代謝の両面から体重減少へと導きます。

以下の表は、GIPとGLP-1が体内でどのように作用するかをまとめたものです。

作用部位関与するホルモン期待される効果
GLP-1満腹中枢に働きかけ、食欲を抑える
GLP-1胃の動きを緩やかにし満腹感を持続させる
脂肪組織GIP脂肪代謝を改善し、エネルギー消費を高める
膵臓GIP・GLP-1血糖値を安定させる

マンジャロは、食事からの摂取エネルギーを抑え、消費エネルギーを高めることで、体重が減りやすい状態をつくると考えられています。

過剰な食欲が抑えられる

マンジャロは脳の満腹中枢に作用し、過剰な食欲を自然に抑えます。

食事によって消化管からGLP-1が分泌されると、脳では食欲を調整するシステムが働きます。「お腹がいっぱい」と感じるよう調整する仕組みです。

治療を続けるうちに、甘いものを欲しにくくなったり、間食が減ったりといった変化を感じる方もいます。

今までよりも少ない量で満足感を得ながら食事を楽しめるのはメリットです。

満腹感が長く続く

マンジャロを続けていくうちに、食後の満腹感が続きやすくなります。GLP-1の作用が高まることで、食べ物が胃から腸へ移動するスピードが遅くなるためです。

消化・吸収がゆっくり進むと、空腹を感じにくくなるため、間食や食べ過ぎの抑制にもつながります。

また、マンジャロには血糖値の上昇を緩やかにする作用もあるため、急激な血糖変動による空腹感も起こりにくくなります。

脂肪の代謝を促す

マンジャロは、脂肪をエネルギーに変えやすい体の状態を整え脂肪の蓄積を防ぎます。

体内にはGIPというホルモンが存在します。脂肪細胞に作用し脂肪の分解を助ける働きを持つホルモンです。マンジャロはGIPの働きを高めることで、脂肪が燃焼しやすい状態をサポートします。

マンジャロを続けていくうちに、体内ではエネルギーが日常的に効率よく使われるようになる結果、体重減少につながります。

マンジャロと他のGLP-1受容体作動薬の違い

GLP-1受容体作動薬にはいくつかの種類があります。以下の表では、マンジャロと主なGLP-1受容体作動薬の主な特徴を表で比較しました。

マンジャロと他のGLP-1受容体作動薬比較

薬剤名(一般名)関与するホルモン投与方法特徴
マンジャロ(チルゼパチド)GLP-1・GIP週1回※注射薬GIP作用をあわせ持つ
ペン型で針の取り付け不要
オゼンピック(セマグルチド)GLP-1週1回※注射薬週1回の注射
針の取り付けが必要
リベルサス(セマグルチド)GLP-11日1回服用※内服薬飲み薬タイプ
空腹(起床時)服用が必要
ビクトーザ(リラグルチド)GLP-1毎日1回※注射薬毎日注射するタイプ
細かな用量調整が可能

マンジャロはGLP-1受容体に加えてGIP受容体にも作用するため、従来のGLP-1のみに作用するお薬よりも体重を減らす効果が高いと考えられています。

実際に臨床試験の結果を比較すると、マンジャロが従来のGLP-1受容体作動薬よりも体重減少効果が高いことがわかります。

マンジャロとオゼンピックの違い

マンジャロとオゼンピックは、どちらも週1回投与する注射薬ですが、臨床試験では減量効果に差が見られました。

2つのお薬を直接比較した「SURMOUNT-5」試験では、体重減少率・ウエスト変化ともにマンジャロの方が大きいことが確認されています。3

肥満患者(糖尿病なし)を対象とした臨床試験「SURMOUNT-5」(72週間使用)

マンジャロ(チルゼパチド)オゼンピック(セマグルチド)
体重の減少率−20.2%−13.7%
ウエスト周囲径の変化−18.4cm−13.0cm
主な作用機序GLP-1とGIPに作用GLP-1のみに作用

上記の表から、マンジャロの効果はオゼンピックを上回ったことがわかります。

GIPとGLP-1の2つのホルモンに働きかける仕組みが、減量効果の差につながっていると考えられています。

マンジャロとリベルサスの違い

マンジャロとリベルサスでは、作用の仕組みだけでなく投与方法も異なります。リベルサスは飲むタイプのGLP-1受容体作動薬であり、毎日服用する必要があるお薬です。

2つのお薬の効果を直接比較した研究はありませんが、それぞれの臨床試験結果を見比べると、減量効果に差があることがわかります。

項目マンジャロ(チルゼパチド)リベルサス(経口セマグルチド)
試験SURMOUNT-1OASIS-1
対象肥満または過体重(糖尿病なし)肥満または過体重(糖尿病なし)
期間72週68週
投与週1回注射毎日経口 50mg(試験用量)※日本で承認されているリベルサスの最大量は14mg
体重減少効果5mg:−15.0%
10mg:−19.5%
15mg:−20.9%
50mg:−15.1%
投与方法週1回の皮下注射毎日1回の経口服用
作用機序GLP-1とGIPに作用GLP-1のみに作用

OASIS-1試験では、リベルサス50mgを68週投与した場合、平均15.1%の体重減少が報告されました。日本で承認されている最大量は14mgのため、実際に得られる効果は試験より小さいと考えられます。

一方、マンジャロはSURMOUNT-1試験で15〜20.9%の体重減少が示されており、国内で承認されている用量でも、肥満症と診断された患者に対する治療において十分な減量効果が確認されました。

これらの試験結果から、マンジャロはリベルサスよりも減量効果が高いと推測されます。

マンジャロの効果を最大限に引き出す3つのポイント

マンジャロの効果を得るためには、正しい使い方で医師の指示どおり継続することが重要です。お薬だけに頼らず、整った生活を心がけることも欠かせません。

特に以下3つは、マンジャロの効果を発揮させるための大切なポイントです。

  • 正しい注射の仕方でお薬の効果を安定させる
  • 用量や継続期間を自己判断で変えない
  • 食事・運動習慣も意識しダイエット効果を高める

治療効果を最大限に高めるために、使用する前から正しく理解しましょう。

正しい注射の仕方でお薬の効果を安定させる

マンジャロの効果を得るためには、正しい注射の方法を身につけることが大切です。誤った方法で注射するとお薬が十分に吸収されず、効果が安定しにくくなります。

注射時の大切なポイントは次のとおりです。

  • 医師から指示された用量を守り、決められた曜日に注射する
  • 注射する場所(お腹、太もも、二の腕など)は毎回変える
  • 打ち忘れたとき、適切に対応する

同じ場所に繰り返し注射すると、皮膚が硬くなったり痛みが出たりすることがあります。注射の手順に不安がある場合は、遠慮せず医師や看護師に確認してください。

万が一打ち忘れたときの対処方法は、治療開始前に医師へ確認しておきましょう。

一般的には「次に打つ予定まで3日(72時間)以上ある場合はすみやかに使用し、3日未満なら忘れた分を飛ばす」とされていますが、詳細はかならず主治医の指示に従ってください。

用量や継続期間を自己判断で変えない

マンジャロは低用量から始め、段階的に増量していくお薬です。副作用のリスクを抑えながら体を慣らすためです。

通常は週1回2.5mgから開始し、4週間後に5mgへ増量します。その後は効果や体調を見ながら、医師が判断し調整していきます。

思ったより体重が減らないと感じても、一度に2回分を使用したり中断したりするのは控えてください。予期せぬ体調変化を引き起こすおそれがあります。

効果に不安・疑問がある場合、自己判断せずかならず主治医に相談してください。

食事・運動習慣も意識しダイエット効果を高める

マンジャロの効果を引き出すためには、お薬だけに頼らず生活習慣も整えることが重要です。

臨床試験で確認された体重減少効果も、食事や運動療法を併用して得られた結果です。お薬だけで体重を落とそうとすると、リバウンドしやすくなることもあります。

お薬と生活習慣の両方を整えることが、健康的に減量し、十分な効果を得るための大切なポイントです。

食事のポイント

食事は、糖質・たんぱく質・脂質のバランスを意識しましょう。マンジャロ使用中は食事量が減る傾向があるため、栄養が偏らないよう注意が必要です。

肥満症診療ガイドライン(2022)では、減量を行う際の食事バランスの目安として、以下の比率が示されています。

栄養素目安ポイント
糖質摂取エネルギーの50〜65%エネルギー源として減らし過ぎない
たんぱく質摂取エネルギーの13〜20%肉・魚・卵など動物性を中心にとる
脂質摂取エネルギーの20〜30%とり過ぎに気をつける(30%を超えない)
食物繊維男性:20〜22g/日以上
女性:17〜18g/日以上
野菜を積極的にとる
多く摂るほど肥満に効果的

また、一口30回を目安によく噛んで食べることも大切です。よく噛むことで少ない量でも満足感が得られやすく、血糖値の急な上昇も防ぎやすくなります。

治療中から意識しておくと、終了後のリバウンド予防にもつながります。

運動のポイント

有酸素運動を中心に行い、エネルギー消費を増やしましょう。

体重を減らすには、週150分以上の運動が目安とされています。筋肉トレーニングと併用すると、さらに運動効果が高まります。

以下の表を参考に、できることから取り入れてみてください。

有酸素運動筋肉トレーニング
運動ウォーキング、サイクリング、水泳、エアロビクス などスクワット、プランク、ダンベル運動、つま先あげ など
1日あたりの時間・回数30分以上(数回にわけてもよい)8〜12回を2〜4セットなど(すきま時間でもよい)
頻度週5日または週150分以上週2〜3回

運動においてもっとも大切なのは継続することです。最初は1日数分からでもかまいません。まずは「1日10分」「1日1000歩」から始めてみましょう。

クリニックフォアでのマンジャロの値段・価格について

ダイエット目的でマンジャロを処方する場合、保険は適用されません。

すべて自由診療となり、全額自己負担です。自由診療ではお薬の価格を独自に設定できるため、費用は医療機関ごとに異なります。

クリニックフォアでは、以下の料金プランを提供しています。

  • 定期配送プラン(マンジャロ2.5mg→5mg自動切り替えプラン)
  • 用量別料金プラン

定期配送プラン(マンジャロ2.5mg→5mg自動切り替えプラン)

初月は2.5mg、2か月目以降に5mgをお届けする「定期配送プラン」です。

用量・本数定期配送割引率単品価格
2.5mg(初回)27,115円/月15%OFF31,900円
5mg(2回目以降)49,555円/月15%OFF58,300円

※価格は税込みです

マンジャロの用量別料金プラン

用量ごとに処方を受ける場合のプランです。

用量プラン種別月額割引率支払い総額
2.5mg単品:1か月31,900円31,900円
定期:1か月27,115円15%OFF27,115円
定期:まとめて3か月25,520円/月20%OFF76,560円
5mg単品:1か月58,300円58,300円
定期:1か月49,555円15%OFF49,555円
定期:まとめて3か月46,640円/月20%OFF139,920円
7.5mg単品:1か月74,800円74,800円
定期:1か月63,580円15%OFF63,580円
定期:まとめて3か月59,840円/月20%OFF179,520円
10mg単品:1か月93,500円93,500円
定期:1か月79,475円15%OFF79,475円
定期:3か月まとめ払い74,800円/月20%OFF224,400円

※価格は税込みです

マンジャロは数か月以上の継続が想定されるため、長期的な費用計画も必要です。経済的な負担が大きい点も考慮しながら検討しましょう。

診察料・配送料について

医療機関ごとに初診料や再診料、オンライン診療ではシステム料・配送料が加算されるケースがあります。クリニックフォアでは以下の料金がかかります。

項目内容
診察料1,650円
配送料1,100円/回(クール便)

※価格は税込みです
※前回の診察から1年以内で同じ薬を希望の場合は、追加配送に対応しています。診察料がかからず、薬代と配送料のみとなります。
※薬の処方がない場合は診察料1,650円がかかります。

注意事項

  • 保険適用外の自由診療になります。
  • 医師の判断によりお薬を処方できない場合があります。
  • 医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。
  • 医学的必要性がないと医師が判断した場合はお薬の処方はいたしません。
  • 医師の判断により対面のクリニックでの受診を案内させていただく場合がございます。

マンジャロの減量効果と副作用のバランス

マンジャロは用量を上げるほど体重減少効果が得られやすいと同時に、副作用も出やすいことがわかっています。

安心して治療するためには、医師の指導を守り用量を調整することが大切です。副作用は一時的なケースが多いため、軽減する工夫をとり入れながら様子を見ましょう。

用量を上げるほど体重は減りやすいが、副作用の可能性も高まる

主な副作用は、吐き気や下痢・便秘などの消化器症状です。これらの副作用は用量が多くなるほど発現頻度も高まることが確認されています。4

以下の表では、用量ごとの副作用の発現頻度をまとめました。

マンジャロの副作用頻度について(国内第III相試験・GPGO試験)

用量悪心下痢便秘嘔吐
チルゼパチド5mg11.9%17.0%15.1%8.2%
チルゼパチド10mg19.6%8.9%17.7%5.1%
チルゼパチド15mg20.0%11.3%13.8%11.9%

特に吐き気や嘔吐は、用量が高いほど生じる可能性が高い傾向があります。これらは日常生活にも影響しやすい症状です。

このような副作用を最小限に抑えるために、マンジャロは低用量から始め少しずつ増やしていきます。用量調整は体調を確認しながら医師が行うため、気になる体調変化があればすみやかに相談し指示を仰ぎましょう。

※効果・効能・副作用の現れ方は個人差がございます。医師の診察を受け、診断された適切な治療方法をお守りください。

副作用を抑えながら続けるための工夫

使い始めや増量のタイミングは副作用が現れやすいため、慎重に体調変化を確認しましょう。症状が軽度であれば、飲食内容を工夫しながら様子を見てください。

副作用を緩和するための対策

  • 胃にやさしい食事をとる(おかゆ、スープなど)
  • 揚げ物や冷たい飲み物は控えめにする
  • 一度に多く食べず、少量ずつ複数回に分けて食事する
  • 水分をこまめにとる

副作用には個人差があるため、症状がひどい場合は我慢せず医師に相談してください。用量を調整したり、増量のタイミングを遅らせたりすることもあります。

その他の副作用として、低血糖症状(冷や汗・動悸・ふるえなど)や急性膵炎(強い腹痛や背中の痛みなど)が起こることがあります。

ごく稀なケースですが、重い症状が続くまたは悪化する場合はすぐに医療機関を受診してください。

※万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。

マンジャロを使用する上での注意点

マンジャロを安心して使うためには、治療開始前の入手方法から、治療を終えた後の生活までの過ごし方まで気を配ることが大切です。

マンジャロを使用する上で、特に知っておきたい注意点を2つ紹介します。

  • インターネットでの購入や個人輸入はしない
  • 治療後もリバウンドを防ぐために体づくりを続ける

健康へのリスクを抑えながら、効果を得るためにもポイントを理解しましょう。

インターネットでの購入や個人輸入はしない

マンジャロをインターネット通販や海外から個人輸入で入手するのは控えてください。

品質が保証されず、偽造品や有効成分の異なるお薬が届くおそれがあります。粗悪品を使用すると効果が得られないだけでなく、思わぬ健康被害を招く危険もあります。

かならず医療機関を受診し、医師に処方を受けてください。

治療後もリバウンドを防ぐために体づくりを続ける

マンジャロの使用をやめると、体重がもとに戻りやすくなります。食欲や代謝機能が治療前の状態に戻るためです。

海外の臨床試験「SURMOUNT-4」では治療を続けることで体重を維持しやすい一方、中止するとリバウンドしやすいことが示されています。5

肥満患者(糖尿病なし)を対象とした臨床試験「SURMOUNT-4」

体重の変化チルゼパチドを続けたグループ36週以降にチルゼパチドを中止したグループ
36週時点平均−20.9%減少
36週目から88週目−5.5%(さらに減少)+14%(増加)
最終結果(88週)−25.3%−9.9%

上記の表から、36週以降にマンジャロを中止したグループは、体重が増えてしまったことがわかります。

また、マンジャロを中止すると、減らした体重が維持しにくいことも示されていました。減らした体重の80%以上を維持できた人の割合は、以下のように報告されています。

  • マンジャロを継続したグループ:89.5%
  • マンジャロを途中で中止したグループ:16.6%

これらの結果から、マンジャロの治療を中止した後も、バランスのよい食事や運動習慣を継続することが大切です。

マンジャロに関してよくある質問

マンジャロの効果や他のお薬との違いについて、よくある質問にお答えします。減量効果について正しく理解したうえで、使用を検討してください。

マンジャロの体重減少効果はどのくらいですか?

マンジャロに関する海外の臨床試験では、肥満症と診断された患者に対する治療において、平均して体重の15〜21%程度の減量が確認されました。体重100kgの方であれば、約15〜21kgの減少に相当します。

ただし効果の現れ方には個人差があります。臨床試験では食事や運動療法も行われており、お薬だけでなく生活への意識も重要です。

マンジャロの効果を高めるには、治療とあわせて生活習慣を整えていきましょう。

マンジャロとリベルサスの効果の違いは?

一般的に、マンジャロの方が減量効果が高いと考えられています。リベルサスはGLP-1のみに作用しますが、マンジャロはGLP-1とGIPの2つのホルモンに働きかけるためです。

ただしどちらが適切かは、期待できる効果だけでは判断できません。体質や生活習慣のほか、飲むタイプ・注射タイプといった種類の違いも含め、医師と相談して決定します。

適切な処方を受けるために、ご自身の状態をしっかりと医師に相談しましょう。

まとめ:マンジャロの使用と生活習慣の改善で、健康的な減量を目指そう

マンジャロは、肥満・体重管理が必要な方に対し検討されるお薬です。GLP-1とGIPという2つの受容体に作用し、過剰な食欲を抑え、血糖値や代謝のバランスを整える働きがあります。

効果には個人差がありますが、医師の指導のもとで正しく使うことで効果的な体重管理が期待できます。

十分な効果を得るには、食生活や運動習慣を整えることも大切です。治療後のリバウンドを防ぐために、治療中から生活改善に取り組んでください。

医師と相談しながら、自分に合った治療で健康的な体重管理を目指しましょう。

※同一成分の注射製剤が日本の厚生労働省とアメリカ食品医薬品局(FDA)で肥満症治療薬として承認されています(承認年月日:日本2024/12/27、アメリカ2021/06/04)

なお、マンジャロは日本においては、2型糖尿病の治療薬として承認を受けており、自由診療での処方の場合は承認医薬品の適用外処方となります。万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。

参考文献

  1. [1]Tirzepatide Once Weekly for the Treatment of Obesity | New England Journal of Medicine
  2. [2]Efficacy and safety of once-weekly tirzepatide in Japanese patients with obesity disease (SURMOUNT-J): a multicentre, randomised, double-blind, placebo-controlled phase 3 trial - PubMed
  3. [3]Tirzepatide as Compared with Semaglutide for the Treatment of Obesity - PubMed
  4. [4]マンジャロインタビューフォーム
  5. [5]Continued Treatment With Tirzepatide for Maintenance of Weight Reduction in Adults With Obesity: The SURMOUNT-4 Randomized Clinical Trial