リベルサスで嘔吐が止まらないのはなぜ?
嘔吐はリベルサスの副作用として添付文書に記載されている症状のひとつであり、決して珍しいことではありません【1】。
症状の程度や続く期間には個人差がありますが、なぜ嘔吐が起こるのかを理解しておくと、少し安心できるかもしれません。
ここでは、嘔吐が起こる原因や症状が出やすいタイミングについて解説します。
リベルサスは胃腸に作用するお薬
リベルサスは胃腸の動きを遅くする作用(胃排出遅延)があり、この作用によって吐き気や嘔吐といった胃腸症状が現れることがあります【1】。
お薬を飲み始めてから嘔吐が起こると驚いてしまうかもしれませんが、これはお薬の作用(胃の動きを緩やかにする働き)が強く出ているために起こる症状になります。
多くの場合、服用を続けるうちに体がお薬に慣れていき、嘔吐の症状は自然と落ち着いていきます。
最初のうちは症状がつらいと感じることもあるかもしれませんが、数日から1週間程度で改善する方が多いとされています。
ただし、症状が日常生活に支障をきたすほどつらい場合は、我慢せずに医師に相談することをおすすめします。
服用開始時や用量を増やしたときに起こりやすい
嘔吐の副作用は、体がお薬に慣れていない時期に起こりやすい傾向があります。
特に、リベルサスを飲み始めたばかりの時期は、体がお薬の作用に適応しようとしている段階のため、胃腸症状が出やすいと言われています。
また、リベルサスは3mgから始めて、7mg、14mgと段階的に用量を増やすことのあるお薬です【3】。
この増量のタイミングでも、体が新しい用量に慣れるまでの間、再び嘔吐の症状が現れることがあります。
増量のたびに症状がつらいと感じる場合は、医師に相談して増量のペースを調整してもらうこともできますので、無理をせずに相談してみてください。
嘔吐の発生頻度には個人差がある
リベルサスの添付文書によると、嘔吐は副作用として報告されている症状のひとつですが、すべての方に嘔吐が起こるわけではありません【1】。
症状の有無や程度には個人差があり、強い嘔吐に悩まされる方もいれば、吐き気を感じる程度で嘔吐には至らない方もいます。
また、吐き気と嘔吐が同時に現れる方もいれば、どちらか一方だけを経験する方もいるでしょう。
自分の体調の変化に気を配りながら服用を続け、気になる症状があれば早めに医師や薬剤師に相談することが大切です。
副作用の出方は人それぞれですので、まずは自分の状態を把握することが大切です。
リベルサスの嘔吐はいつまで続く?
症状が続く期間には個人差がありますが、一般的な傾向を知っておくことで、見通しを持って対処できるようになります。
ここでは、嘔吐が続く期間の目安や、症状が長引くケースについて解説します。
多くの場合は数日〜1週間程度で落ち着く
嘔吐の症状は、多くの場合、服用を始めてから数日〜1週間程度で落ち着いていくとされています。
服用を始めてから最初の数日間が最もつらいと感じる方も少なくありませんが、「あと数日で楽になるかもしれない」と思うことで、少し気持ちが楽になるかもしれません。
症状が日に日に軽くなっているようであれば、そのまま様子を見ても問題ないでしょう。
ただし、症状が全く改善しない場合や、日常生活に支障が出るほどつらい場合は、無理をせず医師に相談することをおすすめします。
服用をやめても数日間は症状が続くことがある
リベルサスは体内に比較的長くとどまるタイプのお薬であるため、服用をやめてもすぐには症状が消えないことがあります。
お薬の成分が体から完全に抜けるまでには数日〜1週間程度かかることがあり、その間は嘔吐の症状が続く可能性があるでしょう。
「服用をやめたのに症状が続いている」と不安に感じるかもしれませんが、これはお薬の特性によるものですので、過度に心配する必要はありません。
ただし、服用を中止する場合は自己判断ではなく、必ず医師に相談してから行うようにしてください。
症状がなかなか改善しない場合や、新たな症状が現れた場合は、早めに医療機関を受診することをおすすめします。
リベルサスで嘔吐が止まらないときの対処法
嘔吐が続くと体力を消耗し、日常生活にも支障が出てしまうことがあります。
症状を少しでも和らげるための対処法を知っておくと、つらい時期を乗り越えやすくなるでしょう。
ここでは、嘔吐が止まらないときに試していただきたい具体的な対処法を紹介します。
少量ずつ消化の良いものを食べる
嘔吐が続いているときは、一度にたくさんの食事を摂ることは避けた方がよいでしょう。
胃に負担をかけないように、少量の食事を複数回に分けて摂ることをおすすめします。
食事の内容としては、お粥やうどん、野菜スープなど、消化が良く胃に優しいものを選ぶとよいでしょう。
反対に、脂っこい食事や香辛料の効いた刺激物、カフェインを含む飲み物などは、胃腸への負担が大きくなるため避けることをおすすめします。
食事の内容や食べ方を工夫することで、嘔吐の症状が和らぐことがありますので、ぜひ試してみてください。
水分補給をこまめに行う
嘔吐を繰り返すと、体から水分や電解質が失われ、脱水症状を起こすリスクが高まります。
吐き気が少し落ち着いたタイミングを見計らって、少しずつ水分を摂るように心がけましょう。
一度にたくさんの水分を摂ると、かえって吐き気が悪化してしまうことがあるため、少量をこまめに摂取することがポイントです。
水だけでなく、経口補水液やスポーツドリンクを活用すると、水分と一緒に電解質も補給できるためおすすめです。
水分を摂ることすら難しい状態が続く場合は、脱水症状のリスクが高まりますので、早めに医療機関を受診してください。
横になって安静に過ごす
吐き気や嘔吐がつらいときは、無理に活動しようとせず、横になって安静に過ごすことが大切です。
膝を軽く曲げた姿勢で横になると、腹部への圧迫が軽減されて楽に感じることがあります。
横になる際は、嘔吐物が喉に詰まらないよう顔を横に向けるか、上体を少し起こした姿勢(クッションなどを背に当てる)をとると安心です。
また、深くゆっくりとした呼吸を意識することで、リラックス効果が得られ、吐き気が和らぐこともあるでしょう。
体を締め付けるような服装は避け、ゆったりとした楽な服で過ごすこともおすすめです。
症状が落ち着くまでは無理をせず、体を休めることを優先してください。
リベルサスで嘔吐したらお薬を飲み直すべき?
「お薬を飲んだ後に吐いてしまったら、もう一度飲み直した方がいいの?」と迷う方もいるのではないでしょうか。
服用後に嘔吐してしまった場合、どのように対応すればよいのか、正しい知識を持っておくことが大切です。
自己判断で追加服用しない
リベルサスを服用した後に嘔吐してしまっても、お薬を飲み直す必要はありません。
リベルサスは1日1回の服用と決められているお薬であり、1日に2回以上服用することは推奨されていません【3】。
「吐いてしまったからお薬が効いていないかもしれない」と心配になる気持ちは分かりますが、追加で服用すると副作用が強く出る可能性があります。
自己判断で追加服用することは避け、その日はそのまま様子を見るようにしてください。
不安な場合は、医師や薬剤師に確認してみることをおすすめします。
翌日からいつも通り服用を続ける
嘔吐してしまった日は、追加の服用をせずにそのまま過ごしましょう。翌日からは、いつも通りの時間にお薬を服用していただいて問題ありません。
「昨日の分を飲めなかったから、今日は2回分飲もう」と考える方もいるかもしれませんが、2回分をまとめて飲むことは避けてください。
1回分を飲めなかったとしても、翌日から規則正しく服用を続けることで、お薬の効果を得ることができます。
飲み忘れや嘔吐が続く場合は、医師に相談して今後の服用方法について確認しておくと安心です。
毎回嘔吐してしまう場合は医師に相談
服用するたびに嘔吐してしまうという場合は、我慢せずに医師に相談することをおすすめします。
医師に相談することで、用量を一時的に減らしてもらったり、お薬の変更を提案してもらえる場合があります。
「こんなことで相談していいのかな」と遠慮する必要はありません。
副作用への対処も、医師の大切な仕事のひとつです。
症状がつらいからといって自己判断で服用を中止してしまうのではなく、まずは医師に相談して適切な対応を一緒に考えてもらいましょう。
リベルサスの嘔吐で医師に相談すべきケース
嘔吐の症状の多くは一時的なものであり、時間の経過とともに自然と落ち着いていきます。
しかし、中にはすぐに医師に相談すべきケースや、医療機関を受診すべきケースもあります。
危険なサインを見逃さないために、どのような症状があれば受診すべきかを知っておきましょう。
嘔吐を伴う激しい腹痛や背中の痛みがある
嘔吐とともに激しい腹痛や背中の痛みがある場合は、すぐに医療機関を受診してください。
特に、みぞおちあたりに激しい痛みを感じる場合や、背中に突き抜けるような痛みがある場合は注意が必要です。
これらの症状は、リベルサスの重篤な副作用のサインである可能性があります【1】。
「もう少し様子を見よう」と我慢せず、できるだけ早く医師の診察を受けることが大切です。
症状が現れた場合は、リベルサスの服用を中止し、すぐに医療機関に連絡してください。
嘔吐が1日に何度も繰り返される
嘔吐を繰り返すと、体から水分や電解質が大量に失われ、脱水症状や栄養不足のリスクが高まります。
また、水分や食事をほとんど摂れない状態が続くと、体に大きな負担がかかってしまいます。
「副作用だから仕方ない」と我慢し続けるのではなく、症状がつらいときは早めに医師に相談することが大切です。
医師に症状を伝えることで、適切な対応や治療を受けることができます。
症状が1週間以上続いて改善しない
一般的に、嘔吐の症状は数日〜1週間程度で落ち着くことが多いとされています。
しかし、1週間以上経っても症状が改善しない場合は、医療機関を受診することをおすすめします。
症状が長期間続く場合は、お薬の副作用以外の原因がある可能性も考えられます。
自己判断で「もう少し様子を見よう」と先延ばしにするのではなく、医師に相談して原因を確認してもらうことが大切です。
早めに受診することで、適切な対応を受けることができ、症状の改善につながります。
よくある質問
Q:リベルサスの嘔吐を予防する方法はありますか?
嘔吐の副作用を完全に予防することは難しいですが、食事の内容や食べ方を工夫することで症状を軽減できることがあります。
脂っこい食事や刺激物を避け、消化の良いものを少量ずつ食べるように心がけると、胃腸への負担を減らすことができるでしょう。
また、リベルサスは低用量から段階的に増やすことで副作用を抑えるように設計されているため、自己判断で用量を増やさず、医師の指示に従って服用することが大切です。
Q:嘔吐がひどいので服用をやめてもいいですか?
服用を中止したい場合は、まず医師に相談することが大切です。
医師に相談することで、用量の調整など、症状を和らげるための適切な対応を提案してもらえます。
Q:リベルサスを飲んですぐ吐いた場合、効果はありますか?
服用直後に嘔吐した場合、お薬が十分に体内に吸収されていない可能性があります。
ただし、追加で服用することは副作用が強く出るリスクがあるため避けてください。
不安な場合は、医師や薬剤師に連絡して、今後の対応について相談することをおすすめします。
Q:吐き気止めと一緒に飲んでも大丈夫ですか?
市販の吐き気止めを併用しても問題はありません。ただし、リベルサス服用後30分以上空けてから服用する必要があります。
まとめ
リベルサスで嘔吐が止まらないのは、お薬が胃腸に作用することで起こる副作用のひとつであり、決して珍しいことではありません。
服用を始めたばかりの時期や用量を増やしたときに症状が出やすく、多くの場合は体がお薬に慣れることで数日〜1週間程度で落ち着いていくでしょう。
嘔吐が続くときは、少量ずつ消化の良いものを食べ、こまめに水分補給を行いながら、無理をせず体を休めることが大切です。
嘔吐してしまってもお薬を飲み直す必要はなく、翌日からいつも通りの時間に服用を続けてください。
ただし、激しい腹痛を伴う場合や、嘔吐が1日に何度も繰り返される場合、症状が1週間以上続く場合は、早めに医師に相談することをおすすめします。
不安なことがあれば自己判断で対処しようとせず、医師や薬剤師に相談することで適切なアドバイスを受けることができます。
正しい知識を持って、リベルサスを安心して服用していきましょう。
