AGAの進行速度はどれくらい?
AGAの進行速度は個人差が大きいものの、数週間や数か月で急に薄くなるものではありません。一般的には、年単位で徐々に進行していきます。
短期間で急激に髪が抜ける場合は、AGA以外の脱毛症が疑われるため注意が必要です。
AGAはゆっくり進行する
AGAは短期間で一気に薄くなるのではなく、長い時間をかけて少しずつ進行する脱毛症です[1]。
髪が成長する期間が徐々に短くなり、以前は太くしっかりしていた髪が、少しずつ細く短い毛へと変化していきます[1][2]。
変化がゆるやかなため、自分では気づきにくいのが特徴です。
日本人男性がAGAを発症する割合は、平均約30%といわれており、20代で約10%、30代で20%と若い方でも発症しています[1]。
「最近なんとなくボリュームが減った気がする」と感じた場合は、すでにAGAが進行し始めている可能性があります。
急激な脱毛はAGA以外の可能性がある
短期間で急激に髪が抜ける場合は、AGA以外の脱毛症を疑う必要があります。
AGAは毛周期の変化によってゆっくりと進行するため、数週間〜数か月で急に髪が薄くなることは通常ありません[1]。
AGA以外にも、脱毛を引き起こす疾患はいくつかあります。
- 円形脱毛症:
自己免疫が関与するとされる疾患で、円形や楕円形の脱毛斑があらわれます。 - 休止期脱毛:
強いストレスや栄養不足、急激な減量などが原因で、一時的に抜け毛が増えることがあります。 - 甲状腺疾患に伴う脱毛:
甲状腺機能の異常によって、びまん性の脱毛がみられることがあります。
「急に抜け毛が増えた」と感じたら、早めに医療機関を受診して正確な診断を受けましょう。原因によって治療法が異なるため、まずは医師に相談することが大切です。
AGAの前兆・初期症状とは
AGAの前兆や初期症状に早く気づくことで、進行を遅らせる対策を取りやすくなります。
AGAは気づかないうちに進行することが多いため、日頃から髪の状態を観察しましょう。
抜け毛の増加
AGAの初期症状として、抜け毛の量が増えたと感じることがあります。
通常、髪は1日に50〜100本程度抜けるといわれていますが、AGAが進行すると成長期が短縮されるため、抜け毛の本数が増える傾向にあります[1]。
シャンプー時に抜け毛が目立つようになった場合は、抜けた髪の太さや長さにも変化がないか観察してみてください。
以前より細くて短い毛が混じっていることがあれば、髪が十分に成長しないまま抜け落ちているサインかもしれません。変化を感じた段階は、対策を始めるひとつのタイミングです。
髪の軟毛化・ハリやコシの低下
髪が細くなり、ハリやコシがなくなってきたと感じることも、AGAの初期症状のひとつです。
AGAでは、男性ホルモンの一種であるDHT(ジヒドロテストステロン)が毛包に作用し、髪の成長期が短縮されます[1]。ヘアサイクルが乱れることで、髪全体が細い毛へと変化していくのです。
以前はスタイリングがしやすかったのに、最近はセットしても決まらないと感じる場合は、髪質の変化が起きている可能性があります。髪を触ったときに以前よりやわらかく感じる場合も、軟毛化のサインかもしれません。
髪質の変化は徐々に進むため、気づきにくいものです。毎日のスタイリング時に意識的に確認してみてください。
髪のボリューム減少
髪全体のボリュームが減り、頭皮が透けて見えることもAGAの初期症状です。軟毛化が進むと1本1本の髪が細くなるため、本数が同じでも全体的に薄く見えるようになります。
とくに頭頂部や分け目の部分で地肌が目立つ場合は、AGAが進行している可能性があります。写真を撮って過去の自分と比較してみると、変化に気づきやすくなるでしょう。
また、帽子をかぶったあとに髪がつぶれて戻りにくくなった場合も、ボリューム減少のサインかもしれません。
「以前より髪のセットに時間がかかるようになった」「スタイリング剤を使ってもボリュームが出ない」と感じる場合も注意が必要です。
AGAはどこから進行する?
AGAの進行部位は人によって異なり、生え際から薄くなる人もいれば、頭頂部から進行する人もいます。
進行部位を把握しておくことで、自分の脱毛がAGAかどうかを判断する手がかりになるでしょう。
生え際(M字)から進行するケース
M字型タイプでは、額の生え際がM字型に後退していくのが特徴です。額の左右のこめかみ部分から生え際が徐々に後退し、M字型のラインが目立つようになります。
鏡で正面から見たときに、以前より額が広くなったと感じたら、M字型の進行が始まっている可能性があります。
おでこの生え際のラインを定期的に確認し、変化がないかチェックしてみてください。
頭頂部(O字)から進行するケース
頭頂部から円形に薄くなっていくのが、O字型の進行パターンです。
つむじ周辺の地肌が透けて見えるようになったり、つむじの渦が大きく見えるようになったりした場合は、O字型の進行が考えられます。
頭頂部は自分では見えにくい部分のため、発見が遅れやすいタイプです。定期的にスマートフォンで頭頂部を撮影し、時系列に変化を確認しておくと気づきやすくなるでしょう。
生え際と頭頂部の両方から進行するケース
生え際と頭頂部の両方から同時に進行し、つながっていくパターンもあります。
ハミルトン・ノーウッド分類では、前頭部から頭頂部にかけて広範囲に脱毛が進んだ段階をタイプVとしており、進行度が高い状態とされています[2]。
前頭部と頭頂部の両方で変化を感じた場合は、すでにAGAが進行していると考えられます。
複数の部位で同時に薄毛が進行すると、見た目の変化も大きくなりやすいため、早めの対策が重要です。
AGAの進行パターンと段階【ハミルトン・ノーウッド分類】
AGAの進行度を客観的に評価するために、「ハミルトン・ノーウッド分類」という基準が広く用いられています。
この分類を理解しておくことで、自分の脱毛がどの段階にあるのかを把握しやすくなるでしょう。
ハミルトン・ノーウッド分類とは
ハミルトン・ノーウッド分類は、AGAの進行度を7段階で評価する国際的な分類法です[2]。
生え際の後退と頭頂部の進行度によって、タイプ1〜タイプ7に分けられます。
日本では、Norwood分類に2vertex型という頭頂部から薄くなるパターンを加えた「高島分類」が用いられることがあります。
医療機関では、これらの分類をもとに進行度を説明することがあるため、あらかじめ知っておくとよいでしょう。
AGAの進行レベル7段階の特徴
ハミルトン・ノーウッド分類の各段階には、以下のような特徴があります[2]。
| タイプ | 特徴 |
| 1 | 生え際に目立った後退がない状態 |
| 2 | 額の両サイドにわずかな後退がみられ、M字型の兆候があらわれる |
| 3 | 額の後退がさらに進み、薄毛として認識されるようになる |
| 4 | 前頭部の後退に加え、頭頂部にも薄毛があらわれる。両者の間には髪の帯が残る |
| 5 | 前頭部から頭頂部にかけて広範囲に脱毛が進み、頭頂部の毛髪がまばらになるか、なくなる |
| 6 | 前頭部と頭頂部の脱毛域の間に外側に向かう帯状の毛髪がわずかに残り、その前方の正中線上に毛髪の島が見られる。タイプVIAでは正中線上の毛髪もまばらになるか消失する |
| 7 | 側頭部と後頭部にのみ狭い帯状の髪が残る状態 |
進行が軽いうちに治療を始めるほど、内服薬や外用薬の効果が得られやすいとされています[1]。自分が今どの段階にあるか把握しておくことが、治療のタイミングを判断する手がかりになるでしょう。
vertex型とは
vertex型は、生え際よりも先に頭頂部の薄毛が目立つ進行パターンです。
vertex(バーテックス)とは「頭頂部」を意味し、生え際の後退がまだ軽度な段階でも、頭頂部から薄毛が進むのが特徴です。
なかでも2vertex型は、生え際の後退がタイプ2の段階で頭頂部に薄毛があらわれた状態を指します。
もともとのHamilton分類には頭頂部から進行するパターンの分類が詳細でなかったため、Norwoodが改訂を加え、さらに日本では高島が2vertex型を追加した分類が用いられています。
頭頂部は自分では確認しにくい部位のため、定期的にスマートフォンで撮影して変化を把握しておくと安心です。
AGAの進行速度に影響する要因
AGAの進行速度は人によって異なり、いくつかの要因が影響しています。
遺伝的な素因やホルモンの影響に加えて、年齢や生活習慣も進行速度に関わっているとされています。
これらの要因を理解しておくことで、適切な対策を取りやすくなるでしょう。
遺伝的素因の影響
AGAの発症には、遺伝的な要因が関与している場合があります[1]。
遺伝的背景としては、X染色体上の男性ホルモン受容体遺伝子の多型や、常染色体上の疾患関連遺伝子が関係していることが知られています[1]。
家族にAGAの方がいる場合は、発症リスクが高くなる可能性があるため、若いうちから髪の変化に注意しておくとよいでしょう。
遺伝的な素因は自分でコントロールできませんが、早めに対策を始めることで進行を遅らせることが期待できます。
DHT感受性の影響
AGAの発症に深く関わっているのは、男性ホルモンの一種であるDHT(ジヒドロテストステロン)の作用です[1]。
DHTは、テストステロンが5α-リダクターゼという酵素によって変換されることで生成される物質です。毛乳頭細胞にある男性ホルモン受容体にDHTが結合すると、毛母細胞の増殖が抑制され、髪の成長期が短くなっていきます[1]。
男性ホルモン受容体の遺伝的な違いにより、DHTへの反応にも違いがあらわれると考えられています[5]。
DHTへの感受性は遺伝的に決まる部分が大きく、自分で変えることは難しいでしょう。
ただし、フィナステリドやデュタステリドなどのAGA治療薬でDHTの生成を抑えることで、進行を遅らせる効果が期待できます[1]。
年齢による影響
AGAは加齢とともに発症率が高くなり、進行も早まる傾向にあります[1]。
日本人男性の発症頻度は、20代で約10%、30代で20%、40代で30%、50代以降で40数%台といわれており、年齢とともに上昇していきます[1]。
薄毛は、20代後半から30代にかけて目立ち始めるのも特徴です。40代以降には脱毛パターンがほぼ定まるといわれています[1]。
毛包の萎縮が進んだ段階では、治療を始めても効果が得られにくくなる可能性があります。
生活習慣の影響
睡眠不足やストレス、栄養バランスの乱れなどの生活習慣も、AGAの進行に影響する可能性があります。
- 睡眠不足:
成長ホルモンの分泌が低下し、髪の成長や修復が十分におこなわれにくくなる可能性があります。 - 過度なストレス:
ホルモンバランスの乱れや頭皮の血行不良を招くおそれがあります。 - 喫煙:
血流を悪化させ、頭皮への栄養供給にも影響を及ぼします。 - 栄養バランスの乱れ:
髪の成長に必要なタンパク質やビタミン、亜鉛などが不足すると、髪が育ちにくくなる可能性があります。
生活習慣の改善だけでAGAの進行を止めることは難しいですが、治療の効果を高めるためにも意識しておくとよいでしょう。
AGAを放置するとどうなる?
AGAは進行性の脱毛症であり、治療をしなければ薄毛の範囲は広がる可能性があります[1]。
DHTが毛包に作用し続けることで髪の成長期が短縮され、太く長い髪が育たなくなっていきます。毛包の萎縮が進むほど、髪は細く短い軟毛に変わり、最終的には毛髪が肉眼では確認できないほど細くなります[1]。
毛包の機能がまだ保たれている段階であれば、お薬で進行を抑えることが期待できます。
一方、すでに毛根の働きが弱まり、産毛もほとんど生えてこないほど進行した場合は、お薬による効果は限定的になるでしょう。
進行が大きく進んだ段階では、外用薬や内服薬に加えて、自毛植毛などの外科的治療が選択肢に加わることもあります。治療の選択肢は進行度によって異なるため、早めに医師に相談することをおすすめします。
AGA治療の選択肢
AGAの治療では、いくつかの選択肢のなかから、医師が一人ひとりに合うお薬を提案します。
おもに、以下のようなお薬を用いて治療をおこないます[1]。
| お薬 | 種類 | 作用 |
| フィナステリド | 内服薬 | 2型5α-リダクターゼを阻害し、DHTの生成を抑える |
| デュタステリド | 内服薬 | 1型 ・2型5α-リダクターゼを阻害し、DHTの生成を抑える |
| ミノキシジル | 外用薬(※内服薬は国内未承認) | 頭皮の血流を改善することで、毛包環境に作用し発毛を促す |
フィナステリド(内服薬)
フィナステリドは、DHTが作られるのを抑え、脱毛の進行を防ぐお薬です[1][3]。
「2型5α-リダクターゼ」の働きを抑えることで、抜け毛の原因となるDHTの量を減らします[1][3]。
毛包がDHTの影響を受けにくくなり、ヘアサイクルが正常に保たれやすくなります。
日本皮膚科学会のガイドラインにおいて、フィナステリドは推奨度A(おこなうよう強く勧める)に分類されており、AGA治療において広く扱われているお薬です[1]。
日本人男性を対象とした臨床試験(48週)では、フィナステリド1mgを服用した人のうち58.3%で頭頂部の改善が確認されました[3]。
効果を実感するまでには通常6か月程度の継続が必要であり、根気よく治療することが大切です[1]。
デュタステリド(内服薬)
デュタステリドは、フィナステリドと同じくDHTの生成を抑えるお薬です[1][4]。
フィナステリドが2型5α-リダクターゼのみに作用するのに対し、デュタステリドは1型・2型の両方を阻害します[1][4]。そのため、DHTの生成をより広い範囲で抑えることが期待できます。
日本皮膚科学会のガイドラインでも推奨度Aに分類されており、フィナステリドと並んでAGA治療の中心的なお薬です[1]。
どちらのお薬が適しているかは、AGAの進行度や体質によって異なるため、医師に相談して決定します。
ミノキシジル(外用薬)
ミノキシジルは、頭皮の血流を改善し毛母細胞の働きをサポートすることで、発毛を促すお薬です[1]。
フィナステリドやデュタステリドが脱毛の進行を防ぐのに対し、ミノキシジルは新しい髪の成長を促す働きを持っています。
フィナステリドやデュタステリドと併用することで、脱毛の進行抑制と発毛促進の両面から治療に取り組むことも可能です。
ミノキシジル外用薬は、日本皮膚科学会のガイドラインにおいて推奨度Aに分類されています[1]。
なお、ミノキシジル内服薬については、同ガイドラインでは推奨度D(おこなうべきではない)とされています[1]。国内ではAGA治療薬としての承認を受けておらず、有効性と安全性が十分に確認されていないため、服用を検討する場合は医師と十分に相談してください。
AGAの進行速度が気になったらオンライン診療で相談できる
AGAは進行性の脱毛症であり、放置するほど毛包が縮小していきます。進行した段階で治療を始めても、お薬の効果が得られにくい可能性があります[1]。
「抜け毛が増えてきた」「頭頂部が薄くなってきた気がする」など、進行のサインに気づいた段階で治療を始めることが、将来の髪を守ることにつながるでしょう。
クリニックフォアはオンライン診療を提供しており、AGAの進行度に合わせて、医師が一人ひとりに合った治療方針を提案します。
「自分のAGAはどの段階なのか」といったお悩みにも、カメラ越しに頭皮の状態を確認しながら、医師が丁寧にお答えします。
AGA治療は継続が重要であり、通院の負担が少ないオンライン診療は長期的にも受診を続けやすいでしょう。
AGAの進行速度が気になる方は、まずはお気軽にご相談ください。
クリニックフォアのオンライン診療はこちら
https://www.clinicfor.life/telemedicine/aga/
AGAの進行速度に関するよくある質問
AGAの進行速度について、よく寄せられる質問に回答します。
進行スピードや放置した場合のリスクを知り、適切なタイミングで治療を始めましょう。
Q1:AGAはどれくらいの期間で進行しますか?
AGAは数年単位でゆるやかに進行するのが一般的です[1]。毛周期の成長期が徐々に短縮されることで、髪が少しずつ細く短くなっていきます。
発症率は年齢とともに上昇する傾向にあるため、髪の変化が気になり始めた段階で早めに医師へ相談することが大切です。
Q2:AGAを放置するとどうなりますか?
AGAを治療せずに放置すると、薄毛は徐々に進行していきます[1]。DHTが毛包に作用し続けることで毛包の萎縮が進むためです。
進行の程度には個人差がありますが、治療をしなければ薄毛の範囲は広がり続ける可能性があります。毛包の機能が残っているうちに治療を始めることが、進行を遅らせる鍵となります。
Q3:AGAは何歳から発症しますか?
AGAは思春期以降であれば、何歳でも発症する可能性があります[1]。男性ホルモンの分泌が活発になる時期からDHTの影響を受け始めるためです。
20代後半から30代にかけて症状が目立ち始め、発症頻度は年齢とともに上昇していきます[1]。
若いうちから髪のボリュームや抜け毛の量に注意を払い、変化を感じたら早めに相談してみてください。
Q4:AGAの進行を止めることはできますか?
AGAの進行を完全に止めることは難しいものの、治療薬によって進行を遅らせることは可能です[1]。
フィナステリドやデュタステリドなど進行を抑制するお薬や、ミノキシジル外用薬のように発毛を促すお薬を用いた治療が一般的です。
早期に治療を開始するほど、現在の髪を維持しやすく、改善効果も期待できるでしょう。
まとめ
AGAは数年から十数年かけてゆるやかに進行する脱毛症です。進行速度には遺伝やDHTへの感受性、年齢、生活習慣などが影響しています。
抜け毛の増加や髪が細くなるといった変化はAGAの初期症状の可能性があるため、日頃から髪の状態を観察しておきましょう。
放置すると毛包の萎縮が進み、お薬の効果が得られにくくなる可能性があります。
大切なのは、毛包の機能が残っているうちに治療を始めることです。早い段階で治療に取り組むほど、お薬の効果を実感しやすくなります。
クリニックフォアではオンライン診療に対応しており、AGAの進行度に合わせた治療を医師が提案します。
AGAの進行速度が気になる方は、お気軽にご相談ください。
※効果・効能・副作用のあらわれ方は個人差がございます。
※医師の判断によりお薬を処方できない場合があります。
