マンジャロとは?GLP-1受容体作動薬の基本情報
マンジャロは、体の中にある「GIP」と「GLP-1」というホルモンの働きをまねして、血糖値や食欲をコントロールする新しいタイプの注射のお薬です。
食欲を抑える作用や血糖値を安定させる作用があり、2型糖尿病の治療薬として広く使われています。
ここでは、マンジャロの基本的な特徴についてお伝えします。
マンジャロ(チルゼパチド)の特徴と作用の仕組み
マンジャロは、GIP/GLP-1受容体作動薬と呼ばれるお薬です。
GIPとGLP-1は、食事をすると小腸から出てくるホルモンで、血糖値に応じてインスリンの働きを助けて血糖値を下げたり、脳に作用して食欲をおさえる働きがあります。
マンジャロは、この2つのホルモンの働きを同時に強化することで、血糖コントロールと体重減少の両方に効果を発揮します。
従来のGLP-1に働きかけるお薬(オゼンピックやリベルサスなど)と比べて、より高い体重減少効果が期待できる点が特徴です。
臨床試験では、体重の15~20%程度の減少が報告されています[2]。
この優れた効果から、減量目的で使用を検討する方が増えています。
2型糖尿病治療薬としての適応と自由診療での使用
マンジャロは、日本では2022年に2型糖尿病の治療薬として保険承認されました。
保険適用で処方を受けるためには、2型糖尿病の診断を受けていることが条件となります。
食事療法や運動療法を行っても血糖コントロールが不十分な場合に、治療の選択肢として検討されます。
一方、減量目的での使用は保険適用外となり、自由診療として処方されます。
美容クリニックや一部の医療機関で処方を受けることができますが、費用は全額自己負担となります。
なお、2024年12月には、マンジャロと同じ成分の「ゼップバウンド」が肥満症治療薬として承認されました。
ただし、こちらも一定の条件を満たす方に限って保険適用となるため、詳しくは医療機関にご相談ください。
週1回の注射で期待できる効果
マンジャロは週に1回、自分で注射するタイプのお薬です。
お腹・太もも・上腕のいずれかに皮下注射を行います。
専用の注入器「アテオス」が使用されており、ボタンを押すだけで注射が完了する設計です。
初めてお薬を使う方は、1番少ない週1回2.5mgから開始します。
4週間使用した後に週1回5mgへ増量し、効果や副作用の状況を見ながら、最大週1回15mgまで段階的に増量することができます。
毎日お薬を飲む必要がないため、忙しい方でも継続しやすい点、注射といっても非常にシンプルな操作性がメリットです。
週1回のペースを守って使用することで、安定した効果が期待できます。
マンジャロは精神疾患があっても使える?
うつ病や統合失調症、双極性障害(躁状態とうつ状態を繰り返すこと)などの精神疾患を経験したことがある方にとって、新しいお薬を使い始める時には不安がつきものです。
ここでは、精神疾患になったことがある方がマンジャロを使用する際のポイントについてお伝えします。
添付文書に精神疾患は禁忌として記載されていない
マンジャロの添付文書には、精神疾患を禁忌とする記載はありません。[3]
添付文書で使ってはいけないとされているのは、マンジャロの成分に対して過敏症の既往がある方、糖尿病性ケトアシドーシスや糖尿病性昏睡の状態にある方、1型糖尿病の方、重症感染症や手術などの緊急時にある方です[3]。
これらに該当しなければ、精神疾患の既往があるという理由だけで処方を受けられないということはありません。
ただし、精神疾患になったことがある点は大切な情報です。
お薬の効果や副作用の観察、他のお薬との飲み合わせを検討するうえで、医師に正確な情報を伝えておきましょう。
精神疾患の既往がある場合は事前に医師へ伝えることが大切
マンジャロの処方を受ける際には、精神疾患の既往や現在の治療状況を必ず医師に伝えてください。
現在服用しているお薬がある場合は、すべて医師に伝えることが大切です。
抗うつ薬や抗精神病薬など、精神科で処方されているお薬との飲み合わせを確認してもらえます。
過去に精神疾患の治療を受けたことがある方も、そのことを伝えておくと安心です。
治療中に気分の変化などがあった場合に、医師が適切に対応しやすくなります。
自己判断でお薬を始めることは避け、必ず医師の診察を受けてから使用を始めましょう。
精神科・心療内科との連携が重要な理由
精神科や心療内科に通院中の方がマンジャロを使用する場合は、内科の先生に相談するだけではなく、両方の先生との連携が大切です。
マンジャロを処方する医師と、精神科を担当する医師が別々の場合は、それぞれにお薬の情報を共有しましょう。
万が一、マンジャロ使用中に精神面での変化を感じた場合も、連携がとれていればスムーズに対応してもらえます。
精神科の主治医の先生にもマンジャロを使用していることを伝えておくことで、何かあったときに相談しやすいです。
お薬の管理は複雑になりがちですが、医師同士が情報を共有することで、より安心して治療を進めることができるでしょう。
マンジャロでうつになる?気分の落ち込みとの関係
「マンジャロを使い始めてから気分が落ち込む」「やる気が出なくなった」という声がSNSなどで見られることがあります。
こうした情報を目にすると、マンジャロがうつ病を引き起こすのではないかと不安になる方もいらっしゃるでしょう。
ここでは、マンジャロと気分の落ち込みの関係について、添付文書や臨床試験のデータをもとにお伝えします。
添付文書・臨床試験におけるうつ症状の報告
マンジャロの添付文書には、うつ病や抑うつ状態が副作用として明記されているわけではありません。[3]
ただし、製薬メーカーの情報によると、マンジャロを使用した2型糖尿病被験者の中で、6例で抑うつ気分や気力低下の副作用が報告されています[4]。
この試験には、1,600人以上参加しており、全体から見ると非常に低い頻度です。
また、これらの症状を感じた方々についても、お薬との直接的な因果関係が証明されたわけではありません。
糖尿病患者さんは、もともとうつ病や気分の落ち込みがある方の割合が高いことも言われており、背景にある疾患の影響もあるかもしれません。
直接的な因果関係は確認されていない
現時点で、マンジャロがうつ病を直接引き起こすという医学的な証拠は確認されていません。
米国FDA(食品医薬品局)も、GLP-1受容体作動薬と自殺念慮・自殺行動との関連について調査を行いましたが、因果関係を示す明確なエビデンスは見つかっていないと報告しています。[5]
2026年に発表されたRCT解析(4000人以上を対象)でも、GLP-1受容体作動薬の使用がうつ症状のリスク増加と関連していないことが示されました[1]。
重篤な精神疾患の有害事象についても増加は認められなかったと考えられています。
したがって、「マンジャロを使うとうつになる」という情報は、2026年3月時点の科学的な根拠からは認められていません。
気分の落ち込みが起こりうる間接的な要因
マンジャロの直接的な作用ではなくても、使用中に気分の落ち込みを感じることはあり得ます。
その主な原因として、以下のような間接的な要因が考えられています。
低血糖による影響
マンジャロは血糖値を下げる作用があるため、食事量が極端に減ったり、糖質の摂取が少なすぎたりすると、低血糖に近い状態になることがあります。
脳はブドウ糖を主なエネルギー源としているため、血糖値が不安定になると不安感やイライラ、気分の落ち込みが生じる可能性があります。
栄養不足・体調不良
マンジャロの食欲抑制作用により、食事量が大幅に減少する方もいらっしゃいます。
必要な栄養素が十分に摂取できない状態が続くと、倦怠感や気力の落ち込みにつながることがあります。
また、吐き気や胃もたれなどの消化器症状が長引くと、体調不良から精神的なエネルギーも消耗しやすくなります。
食べる楽しみの喪失
「食べること」は栄養補給だけでなく、生活の楽しみや人とのつながりにも関係しています。
食欲がなくなることで、会食を楽しめなくなったり、好きなものを食べる喜びが感じられなくなったりすると、それが予期しなかった喪失感につながることもあります。
これらの要因は、お薬の直接的な副作用ではなく、お薬の作用に関連した生活や体調の変化によるものです。
気分の変化を感じた場合は、原因を見極めるためにも医師に相談することをおすすめします。
最新研究でわかったGLP-1受容体作動薬と精神疾患の関係
マンジャロを含むGLP-1受容体作動薬と精神疾患の関係については、世界中で研究が進められています。
ここでは、最新の研究結果をもとに、科学的に明らかになっていることをお伝えします。
2026年1月に発表された論文では、マンジャロを使うことで精神疾患が増えるわけではなかったことが報告されています。[1]
この研究は、SURMOUNT試験という信頼性が高い国際的な試験の結果をまとめており、4,056人が試験に参加しています。
研究の主な結論は以下のとおりです。
・マンジャロによる治療は、プラセボ(偽薬)と比べて、 うつ症状が増えたとは言い切れない
・72週後のPHQ-9といううつ症状の重症度の評価に用いられるスコアは、マンジャロ:2.7 → 1.9、プラセボ:2.6 → 2.4 で、統計的にはマンジャロの方が改善が見られた。
・自殺を考えた人の割合は、マンジャロとプラセボどちらも0.6%程度と変わらなかった。
・精神疾患の有害事象は、マンジャロとプラセボに大きな差が見られなかった。
この研究結果は、精神疾患への不安を感じている方にとって安心材料になるでしょう。
認知症・依存症リスク軽減の可能性
同じく2025年に発表された別の研究では、GLP-1に働きかける薬に予想外のポジティブな効果がある可能性が示されました。[6]
米ワシントン大学などの研究チームが、200万人以上の糖尿病患者さんを対象に調査を行った結果、GLP-1受容体作動薬を使用した方では以下のリスクが低下していたことが報告されています。
- 認知症(アルツハイマー病を含む)
- 依存症
- 精神疾患全般
体重減少によるメンタルヘルスへのポジティブな影響
マンジャロの使用によって体重が減少すると、メンタルヘルスにポジティブな影響が生じることも期待されています。
肥満とうつ病には双方向の関連があると言われており、肥満の方はうつ病のリスクが高く、うつ病の方は肥満になりやすい傾向があります。
そのため、体重が減少することで以下のようなメンタル面での改善が期待できます。
自己肯定感の向上
体重が減少し、体型や健康状態が改善されることで、自己イメージが良くなる方が多くいらっしゃいます。
これが精神的にプラスの影響を与えることがあります。
エネルギーレベルの向上
体重が減ることによって日常生活での疲労感や倦怠感が軽減されると、活動的になりやすくなります。
体を動かすことが増えると、気分の落ち込みが改善されやすくなる傾向があります。
血糖値の安定化
マンジャロによって血糖値が安定すると、脳内のホルモンバランスも整いやすくなるでしょう。
血糖値の急激な変動が少なくなることで、気分の浮き沈みが緩和される可能性があります。
もちろん、効果の現れ方には個人差があります。
しかし、適切に使用することで、身体的な健康だけでなく精神的な健康にも良い影響が期待できる可能性は否定できません。
マンジャロと精神科のお薬は併用できる?
精神科や心療内科に通院中の方は、現在服用しているお薬とマンジャロを一緒に使えるのか気になるところです。
ここでは、抗うつ薬や抗精神病薬との飲み合わせについてお伝えします。
抗うつ薬との飲み合わせ
マンジャロの添付文書には、抗うつ薬との併用が禁忌(使用してはいけない組み合わせ)ということや併用注意とは記載されていません。
そのため、抗うつ薬を服用中の方でも、医師の判断のもとでマンジャロを使用できます。
ただし、マンジャロには胃の動きを遅くする作用があるため、一緒に服用した飲み薬の吸収に影響を与える可能性があります。
抗うつ薬の中には、血中濃度を一定に保つことが重要なお薬もあります。
吸収のタイミングが変わることで、お薬の効果が弱まったり、効き目が不安定になったりする可能性も考えられます。
現在、抗うつ薬を服用中の方は、マンジャロを処方する医師にその旨を必ず伝えてください。
また、精神科の主治医にもマンジャロを使用することを報告しておくと、より安心です。
抗精神病薬との飲み合わせ
抗精神病薬についても、マンジャロの併用が禁忌ということや併用注意とは記載されていません。
統合失調症や双極性障害の治療に使われるリスペリドン(リスパダール)、オランザピン(ジプレキサ)、クエチアピン(セロクエル)、アリピプラゾール(エビリファイ)などのお薬もマンジャロを一緒に使用することは、医師の管理のもとで可能です。
ただし、抗うつ薬と同様に、胃の動きが遅くなることでお薬の吸収に影響が出る可能性は考慮する必要があります。
特に、抗精神病薬は服用を中断すると症状が悪化するリスクがあるため、お薬の効果が不安定になることは避けなければなりません。
マンジャロの使用を検討する際は、精神科の主治医に相談し、お薬の血中濃度に影響がないか確認してもらうことをおすすめします。
場合によっては、抗精神病薬の服用タイミングを調整するなどの対応が必要になることもあります。
胃の動きが遅くなることによるお薬の吸収への影響
マンジャロは、胃からの食べ物の排出を遅らせる作用があります。
この作用によって満腹感が持続し、食欲が抑えられるのですが、同時に飲み薬の吸収にも影響を与える可能性があります。
特に注意が必要なお薬としては、以下のようなものが挙げられます。[4]
- 経口避妊薬(ピル)
- ワルファリン(血液を固まりにくくするお薬)
これらのお薬を服用中の方は、マンジャロを始める前に必ず医師に申告してください。
医師は、飲み合わせのリスクを評価したうえで、マンジャロの使用が適切かどうかを判断します。
状況によっては、お薬の服用タイミングをずらす、代替薬を検討するなどの対応がとられることもあります。
血中濃度を安定させることが重要な精神科のお薬(抗てんかん薬、一部の抗うつ薬、抗精神病薬などを内服している場合も医師に申告してください。
自己判断で複数のお薬を組み合わせることは避け、必ず医師の指示に従うようにしましょう。
抗精神病薬の副作用で体重が増加した方へ
統合失調症や双極性障害の治療に使われる抗精神病薬には、体重増加の副作用があることが知られています。
お薬の副作用で太ってしまった方の中には、マンジャロで体重を減らせないかと考える方もいらっしゃるでしょう。
ここでは、抗精神病薬による体重増加とGLP-1受容体作動薬の可能性についてお伝えします。
抗精神病薬による体重増加の仕組み
抗精神病薬を服用すると、体重増加が起こることが報告されています。
特に、オランザピン(ジプレキサ)やクロザピン(クロザリル)は体重増加の副作用が顕著であり、10週間の服用で平均4〜5kgの体重増加がみられたという研究データもあります。[7]
クエチアピン(セロクエル)やリスペリドン(リスパダール)でも、程度は異なりますが体重増加の報告があります。[7]
抗精神病薬が体重増加を引き起こす仕組みは完全には解明されていませんが、脳内の、さまざまな神経伝達物質(セロトニン、ヒスタミン、ドパミンなど)の受容体に働きかけることで食欲が増加すると考えられています。
また、代謝にも影響を与え、糖尿病や脂質異常症のリスクが高まることも示唆されています。
体重増加は見た目の問題だけでなく、糖尿病、心臓病、脳卒中などのリスクを高めるため、健康上も重要な問題です。
さらに、体重が増えることでお薬を飲み続けるモチベーションが下がり、治療を中断してしまう方もいらっしゃいます。
GLP-1受容体作動薬が体重管理に役立つ可能性
海外の研究では、抗精神病薬による体重増加に対してGLP-1受容体作動薬が有効である可能性が示されています。[8]
特に、オランザピンやクロザピンを服用している方に対して、GLP-1受容体作動薬を併用することで体重減少や代謝パラメータの改善がみられました。
GLP-1受容体作動薬は食欲を抑制する作用があるため、抗精神病薬によって増加した食欲を抑える効果が期待できます。
また、血糖値を安定させる作用があることから、抗精神病薬による代謝への悪影響を軽減する可能性もあります。
ただし、これらの研究はまだ限られた数のものであり、日本においては抗精神病薬による体重増加に対するGLP-1受容体作動薬の使用は保険適用外です。
実際に使用を検討する場合は、主治医と十分に相談する必要があります。
主治医との相談が必要な理由
抗精神病薬を服用中の方がマンジャロの使用を希望する場合は、必ず精神科の主治医に相談してください。
精神疾患の治療において、お薬を安定して服用し続けることは非常に重要です。
マンジャロを追加することで、現在服用している抗精神病薬の効果に影響が出ないか、慎重に検討する必要があります。
また、体重を減らしたいという気持ちは理解できますが、精神疾患の治療が不安定になってしまっては本末転倒です。
主治医は、精神疾患の症状のコントロール状況、現在の体重や代謝の状態、他のお薬との飲み合わせなどを総合的に判断したうえで、マンジャロの使用が適切かどうかをアドバイスしてくれます。
場合によっては、体重増加が少ない別の抗精神病薬への変更を検討したり、食事や運動による体重管理を優先したりする方が良いこともあります。
自己判断でマンジャロを使用することは避け、必ず医師の指導のもとで検討するようにしましょう。
マンジャロ使用中に気分の変化を感じたときの対処法
マンジャロを使用している中で、気分の落ち込みや不安感などの変化を感じることがあるかもしれません。
そのようなときにどう対処すればよいのか、具体的なポイントをお伝えしていきます。
注意すべき精神面の症状
マンジャロ使用中に以下のような症状を感じた場合は、注意が必要です。
- 理由もなく気分が落ち込む日が続く
- 以前は楽しめていたことに興味がわかなくなった
- 何をするにも意欲がわかない、やる気が出ない
- 不安感が強くなった、落ち着かない
- 眠れない、または眠りすぎる
- 食欲の変化とは別に、何も楽しくないと感じる
- 自分を責める気持ちが強くなった
- 「消えてしまいたい」「いなくなりたい」という考えが浮かぶ
これらの症状がマンジャロの使用と直接関係しているかどうかは、すぐには判断できません。
ただし、治療を始めてから新たに現れた症状や、以前より悪化した症状がある場合は、医師に報告することが大切です。
特に、「消えてしまいたい」「死にたい」といった考えが浮かぶ場合は、すぐに医療機関に相談してください。
自己判断で中止せず医師に相談
気分の変化を感じたとしても、自己判断でマンジャロの使用を中止することは避けてください。
お薬を急に中止すると、糖尿病の治療を受けている方では血糖コントロールが悪化する可能性があります。
また、気分の変化がマンジャロによるものなのか、他の原因によるものなのかを判断するためにも、医師の診察を受けることが重要です。
気分の変化を感じたら、まずは処方を受けた医療機関に連絡しましょう。
症状の程度や経過を伝えることで、医師が適切な対応を判断してくれます。
状況によっては、用量の調整、一時的な休薬、別のお薬への変更などが検討されることもあります。
「こんなことで相談していいのかな」と思わず、気になることがあれば遠慮なく医師に伝えてください。
精神科・心療内科への併診を検討するタイミング
以下のような場合は、精神科や心療内科への受診を検討することをおすすめします。
- 気分の落ち込みや不安が2週間以上続いている
- 日常生活や仕事に支障が出ている
- 過去にうつ病や不安障害などの診断を受けたことがある
- 眠れない日が続いている、または過度に眠ってしまう
- 自分を傷つけたい、消えてしまいたいという考えが浮かぶ
精神科や心療内科の専門医に相談することで、より適切な評価と対応を受けることができます。
マンジャロを処方している医師に「精神科を受診したほうがよいですか」と相談してみるのもひとつの方法です。
必要に応じて、精神科への紹介状を書いてもらえることもあります。
精神面の不調は、早めに対処することで悪化を防ぐことができます。
「大したことない」と我慢せず、専門家の力を借りることを検討してください。
よくある質問
Q1. マンジャロは精神疾患があっても使えますか?
A:マンジャロの添付文書には、精神疾患が禁忌として記載されていません。
うつ病、統合失調症、双極性障害(そう状態とうつ状態を繰り返すこと)などになったことがある方や治療中であっても、医師の判断のもとで使用できます。
精神疾患になったことがある場合や現在治療中の場合は、必ず処方を受ける前に医師に伝えましょう。
精神科のお薬との飲み合わせや、治療中の観察ポイントを医師が把握しておくことが重要です。
自己判断で使用を開始せず、必ず医師の診察を受けてから使用するようにしましょう。
Q2. マンジャロでうつになるのは本当ですか?
A:現時点で、マンジャロがうつ病を直接引き起こすという医学的な根拠は確認されていません。
2026年に発表された4,000人規模の解析でも、GLP-1受容体作動薬の使用がうつ症状のリスク増加との関連は見られないという結果でした[1]。
ただし、低血糖や栄養不足、体調不良などの間接的な要因から気分の落ち込みを感じることはあり得ます。
気分の変化を感じた場合は、自己判断せず医師に相談しましょう。
Q3. マンジャロと抗うつ薬は一緒に使えますか?
A:マンジャロと抗うつ薬の併用は、禁忌とはされていません。
医師の判断のもとで、両方を使用できます。
ただし、マンジャロには胃の動きを遅くする作用があるため、抗うつ薬の吸収に影響を与える可能性が考えられます。
現在服用中のお薬は必ず医師に伝え、飲み合わせに問題がないか確認してもらいましょう。
精神科の主治医にもマンジャロを使用することを報告しておくと、より安心です。
Q4. 抗精神病薬で太りましたが、マンジャロで痩せられますか?
A:抗精神病薬による体重増加に対して、GLP-1受容体作動薬が有効である可能性を示す海外の研究はあります。[8]
ただし、日本においてはこの目的での使用は保険適用外であり、根拠となる報告も限られています。
また、精神疾患の治療を安定して継続することが重要であるため、マンジャロを追加することで現在のお薬の効果に影響がないか、慎重に検討する必要があります。
まずは精神科の主治医に相談し、体重管理の方法について一緒に検討してもらうことをおすすめします。
Q5. マンジャロ使用中に気分が落ち込んだらどうすればいいですか?
A:気分の落ち込みを感じた場合は、自己判断でお薬を中止せず、まずは処方を受けた医療機関に相談してください。
気分の変化がマンジャロによるものなのか、他の原因によるものなのかを医師に判断してもらうことが大切です。
症状が2週間以上続く場合や、日常生活に支障が出ている場合は、精神科や心療内科への受診を検討することをおすすめします。
「消えてしまいたい」「死にたい」という考えが浮かぶ場合は、すぐに医療機関に相談してください。
Q6. マンジャロは自殺念慮のリスクを高めますか?
A:米国FDAは、GLP-1受容体作動薬と自殺念慮・自殺行動との関連について調査を行いましたが、因果関係を示す明確なエビデンスは見つかっていません。[5]
2026年のRCT解析でも、GLP-1受容体作動薬が自殺念慮のリスクを高めるという結果は認められませんでした[1]。
ただし、「GLP-1受容体作動薬の使用開始後に、うつ病の発症・悪化、自殺念慮、気分や行動の変化があった場合は医療専門家に相談するように」と言われています。
何か気になる症状があれば、早めに医師に相談することが大切です。
まとめ
マンジャロの添付文書には精神疾患が禁忌として記載されておらず、うつ病や統合失調症、双極性障害などの既往がある方でも、医師の判断のもとで使用できます。[3]
2026年に発表された4,000人規模の解析では、GLP-1に働きかける薬がうつ病や精神疾患のリスクを高めるというエビデンスは認められておらず、むしろメンタルヘルスの改善に寄与する可能性も示されています。[1]
「マンジャロでうつになる」という情報は、現時点の科学的エビデンスからは支持されていませんが、低血糖や栄養不足、体調不良などの間接的な要因から気分の落ち込みを感じることはあり得ます。
抗うつ薬や抗精神病薬との併用は禁忌ではありませんが、胃の動きを遅くする作用によりお薬の吸収に影響を与える可能性があるため、現在服用中のお薬は必ず医師に伝えてください。
精神科や心療内科に通院中の方は、マンジャロを処方する医師と精神科の主治医の両方に情報を共有し、連携をとりながら治療を進めることが大切です。
気分の落ち込みや不安感など精神面の変化を感じた場合は、自己判断でお薬を中止せず、まずは医師に相談するようにしましょう。
不安なことがあれば一人で抱え込まず、処方を受けた医療機関や精神科・心療内科に相談しながら、安心して治療を続けていくことが大切です。
