2020.05.18

新型コロナ軽症者が急死する「幸せな低酸素症」とは?医師が解説します。

最近ニュースなどにおいて、新型コロナウイルスに感染しているものの軽症であると診断され、自宅待機をされていた方が低酸素血症で急死したという報道を耳にします。軽症と診断されていたのに命にかかわるということは何とも怖いものです。

軽症の方が命を落とす可能性のある低酸素血症とはどういった状態なのでしょうか?医師が詳しく解説します。

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低酸素症とは?肺で何がおきている?

低酸素血症とは、動脈血中の酸素が少なくなる状態のことを言います。本来、人は呼吸によって酸素を吸い込むと、動脈血に酸素を溶かして全身に巡らせ、身体の細胞の隅々に酸素を供給します。ですが、低酸素症になると、動脈血に溶ける酸素の量が著しく少なくなるため、身体の隅々に酸素を送ることができなくなり、例えば脳細胞が破壊されるなどして最終的に命にかかわってしまうのです。

低酸素症となる原因はさまざまありますが、発熱などによって代謝が亢進され、血液の流れが速くなると肺を通過する血液の流れも速くなり、肺の毛細血管を通過する時間も早くなり、血液に酸素を充分に溶かせないまま身体中を巡ってしまうため低酸素血症を起こしうるとしています。また、発熱によって脈拍が速くなると身体に血液を送る速さも早くなります。さらに、発熱時は呼吸数も増えるため酸素の需要も増えます。これによって先ほどと同様に肺を通過する血液の流れが速くなり酸素を充分に動脈に取り込めずに、低酸素血症を起こしてしまいます。

ほかにも肺の機能がもともと悪い方や、呼吸器系の病気をしている方がウイルス感染や風邪など何かしらの病気にかかることによって、酸素を十分に取り込めなくなるため、低酸素血症を起こしやすいのです。

ちなみに、ウイルス感染や病気以外でも低酸素血症を起こす可能性はあります。例えば、登山をされる方は高い山に登ると呼吸がしづらくなり、体調を崩しという経験をされたことのある方もいるかもしれません。地上に比べて高地は酸素濃度が薄いことに加えて山を登るという運動から呼吸も早くなっており、酸素を必要としています。十分な酸素量がないのに酸素が欲しくて何度も呼吸をした結果、低酸素血症を起こすことが考えられており、高山病はこの結果によって発症するといわれています。

低酸素血症の症状は呼吸困難感が主な症状です。軽症の場合、坂道や階段昇降での息切れ、呼吸数の増加、頭痛、めまい、多幸感、判断力の低下などがあります。症状は、低酸素血症がゆっくり進行している場合には初期の症状が出現せずいきなり重症化するということもあります。

新型コロナ軽症者が急死する「幸せな低酸素症」とはどういうこと?

新型コロナウイルスに感染していることを診断されたものの軽症として自宅で経過観察を支持されていた方が突如重症化して亡くなってしまうということが、テレビなどで多々報道されています。

この新型コロナウイルス軽症者が突然重症化して亡くなってしまう事態について、「幸せな低酸素症」(ハッピーハイポキシア)の可能性が高いことが懸念されています。

幸せな低酸素血症とはもともと航空医学で使われている言葉で、パイロットに起こることもあります。実際に、墜落事故を起こしたパイロットの中にこの幸せな低酸素症に陥った可能性がある方もいるということが懸念されています。低酸素状態になると、多幸感といいとても具合がよく気持ちの良い気分になるとしています。例えば自分の名前が書けなくなったり、今までできている行動がとれなくなったり判断能力が鈍ったりします。これは低酸素症の方全員に起こるのではなく、一部の方に起こると考えられています。

多幸感に陥ったことにより正確な判断がつかなくなると、低酸素血症の症状が出ていたとしても自分が低酸素血症となっていることに気づけなくなり初期症状を見逃してしまいます。そのため、気づいた時には重症化しており、死亡してしまうのです。とある研究によれば航空機の場合海抜18,000ftにおける酸素分圧は1/2程度としており、パイロットの場合は高い高度で飛行していた場合などにおいてこの幸せな低酸素血症を起こす可能性が考えられています。

心配な人はどうすればいい?

新型コロナウイルスに感染していたことが分かり、軽症と診断されたが幸せな低酸素症になってしまうのではないかと心配な方は、医療機関を受診した際にまずは医師にその件をしっかりと伝えておきましょう。

医療機関によっては、PCR検査に加え、レントゲン撮影などの検査を行い現時点で低酸素症が起こっているかどうかをチェックしてもらうことができますので、現時点で軽度でも低酸素症に陥っているかどうかを確認してもらうというのも方法の1つです。

また、低酸素血症を視覚的に判断する方法としてパルスオキシメーターを使用するという方法があります。パルスオキシメーターとは動脈中の血液の成分であるヘモグロビンに酸素がどのくらい含有しているかを測定する機械です。通常の場合はヘモグロビンに含まれる酸素飽和度は約96から99%としています。ですが、低酸素血症を起こしていると、酸素飽和度は90%を下回ります。

このパルスオキシメーターは医療機関で患者さんに実際に使われている機会であり、簡易的ではあるものの、早期に低酸素血症にかかっているかどうかを判断することができます。医療機器のためお値段は少々かかるもののインターネット上でも販売されているため、心配という方は1台購入し家族みんなで使用するという方法もあります。

また、低酸素血症と思わしき気になる症状が出現したらすぐに医療機関に連絡し、医師に症状を報告し指示を受けるようにしてください。

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公開日:5月18日

監修:クリニックフォアグループ医師

参考文献

松山赤十字病院 http://www.matsuyama.jrc.or.jp/rinsyo/news/wp-content/uploads/2013/03/e43dc8e197a2ca98757b3c00b5eb30e4.pdf

一般社団法人日本呼吸器学会 https://www.jrs.or.jp/modules/citizen/index.php?content_id=37

https://www.jrs.or.jp/uploads/uploads/files/guidelines/pulse-oximeter_general.pdf

https://www.jspm.ne.jp/guidelines/respira/2016/pdf/02_02.pdf

航空医学研究センター

https://www.aeromedical.or.jp/pilot/pdf/2002-6.pdf

日本医師会

http://dl.med.or.jp/dl-med/kansen/novel_corona/shinryoguide_ver1.pdf