ALLERGIC RHINITIS

アレルギー性鼻炎とは?

アレルギー性鼻炎とは、ホコリなどのハウスダストや花粉などのアレルゲン(アレルギーの原因となる物質)に対し、免疫が過剰に反応してしまうことで起こる鼻の炎症のことです。花粉により起こるアレルギー性鼻炎のことを花粉症、季節性アレルギー性鼻炎と言ったりもします。
また、花粉以外のダニやハウスダストにより起こるアレルギー性鼻炎は通年性アレルギー性鼻炎と言います。

どんな症状でしょうか?

主な症状は、さらさらな水のような鼻水、鼻づまり、くしゃみです。また、頭痛や鼻・喉・目・耳の痒みといった症状が出ることもあります。命に関わる病気ではありませんが、これらの症状が酷い場合には「仕事や家事に集中できない」、「余暇が楽しめない」、「つらくて眠れない」など生活や仕事の質を著しく低下させてしまいます。

何が原因でおきるのでしょうか?

アレルギー性鼻炎はアレルギー疾患の一つであり、アレルギーの原因物質にさらされることで、人間の体に備わっている免疫が、本来無害であるはずのものに過剰に反応して起こります。その結果、炎症によって鼻づまり、原因物質を体の外に出そうとして、鼻水やくしゃみが起こります。原因物質としては、
花粉・・・スギ(2-4月)、ヒノキ(3-5月)、イネ科(4-10月)、ブタクサ(8-10月)、セイダカアワダチソウ(10-12月)など
花粉以外・・・ハウスダスト、ダニ、ゴキブリ、イヌ、ネコ、カビなど
などがあります。

どうやって診断しますか?

まずは問診により、鼻づまりや鼻水といった症状、家や職場の環境、他のアレルギーの有無、家族のアレルギーの有無などをお伺いします。これらの情報だけで診断を行い、治療を開始することも多いですが、必要に応じて詳細な検査を行います。鼻や喉の観察が必要な場合は、専用の器具が必要となるため当院では診察できません。これらの診察を希望する方は耳鼻科を受診してください

血液検査

アレルギーに関連性の深い好酸球やIgEなどを測定します。また、特異的IgE抗体というものを調べることによって、原因物質を見つけられることもあります。ただし、全ての原因物質を検査することは不可能で、お話から疑わしい物質や一般的に原因になることが多いものを検査します。

どのように治療を行いますか?

治療には、原因物質の回避が重要です。その他に、アレルギー反応を抑えたり、アレルギー反応が起こらないようにする、といった方法があります。

原因物質の回避

通年性アレルギー性鼻炎では、原因物質に応じて以下のような対策を行います。

  • カーペットや寝具の掃除や乾燥
  • 布団や枕カバーの交換(防ダニやホコリを通さないもの)
  • 部屋、エアコンのフィルターなどの掃除
  • ペットと住環境を分ける

季節性アレルギー性鼻炎では、以下のような対策を行います。

  • 花粉情報に注意し、多い日には時間には外出を控える
  • 外出時にはメガネやマスクを着用する
  • 窓を閉める、上着を玄関で脱ぐ、などの室内に花粉を持ち込まない
  • 空気清浄機やフィルター付きエアコンを使う

薬でアレルギー反応を抑える

一般的には、くしゃみや鼻水には抗ヒスタミン薬、鼻づまりには抗ロイコトリエン薬という内服薬を用います。また、症状が強い場合には、点鼻ステロイド薬という鼻に直接薬を噴射するものを使用することもあります。

アレルギー反応が起こらないようにする

減感作免疫療法と呼ばれ、原因物質を少量体内に投与し、身体を原因物質に慣らすことで、原因物質に対する免疫を抑え、症状を和らげる治療方法です。注射による投与の他、舌の下に入れて飲み込まずにそのまま溶かして服用する舌下投与という方法もあります。スギ花粉症に対する舌下免疫療法は、1日1回の内服を、2年以上の長期間継続がふさわしいです。

一般に、アレルギー性鼻炎をはじめとするアレルギー性の疾患は一度発症してしまうと原因物質が身近にある限りは症状が続いてしまいます。生活の工夫で原因物質を遠ざけることや、薬を使用することで症状を抑えたり、出ないよう対策することが重要です。

まとめ

アレルギー性鼻炎は、花粉症の多い日本ではよく知られた疾患です。市販薬での対処も可能です。それでも症状が強い場合や、原因を特定したい場合、長期的に症状を抑える治療を検討したい場合などは、お気軽にクリニックフォアグループへ一度ご相談下さい。