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喘息とは?

喘息とは、気管という空気の通り道で繰り返し炎症が起きることで、気管が狭くなってしまい、咳や痰が出やすくなったり、息苦しくなったりする病気です。軽症のことも少なくありませんが、薬で気道を広げるなどの適切な処置が行われないと命にかかわる重症なものであることもあります。自己判断は避け、医療機関に相談することが大切です。

どんな症状でしょうか?

喘息の特徴的な症状は、発作的に起こる息苦しさで、夜間や早朝に起こりやすいです。また、咳や痰が出やすくなったり、息をするたびにゼェゼェ、ヒューヒューという音が聞こえること(喘鳴といいます)があります。重症になると、気道が狭くなり、痰が詰まったりすることで、十分な酸素を取ることができなくなります。ただし、喘鳴のない咳や痰のみの喘息もあるため、風邪と間違わないように注意が必要です。

何が原因でおきるのでしょうか?

子どもの時に発症した喘息の場合、ほとんどの原因はアレルギーであると考えられています。具体的には、ダニやホコリなどのハウスダスト、花粉やカビ、薬、アルコール、タバコなどに対するアレルギーです。また、喘息のある人は、運動も、気管を刺激するために、喘息の発作を誘発することが少なくありません。

一方で、大人になって発症した喘息の原因は、残念ながらはっきりしないことが多いです。

どうやって診断しますか?

まず問診によって、息苦しさの有無、症状が出るタイミング、症状が繰り返し起きているか、などについて詳しくお伺いします。その上で、喘息が疑われ医師が必要と判断した場合には、以下のような検査を行います。

血液検査

喘息の場合、白血球が増加し、特にアレルギーの場合は好酸球という細胞が増加します。また、喘息と同様の症状が出る感染症を調べることもあります。

アレルギー検査

血液検査で特異的IgEというものを調べることで、喘息の原因となるアレルギーがないかを調べます。

呼吸機能検査

息を思いっきり吸ったり吐いたりしてもらうことで、肺活量や息を吐く強さを計測します。それらの値が喘息のパターンに当てはまるか、他の病気の可能性がないか、確認します。検査の際には他の医療機関で検査を受けていただきます。

画像検査

胸のレントゲン画像を撮影します。息苦しさや咳の原因になる他の病気の可能性がないか、確認します。

どのように治療を行いますか?

喘息の治療において最も大切なことは、息苦しさの発作が起きないようにコントロールすることです。発作を繰り返していると、気管の炎症が進行し、治療が難しくなります。ですので、発作を予防する薬(コントローラ―といいます)を基本として、発作が起きてしまった時には発作治療薬(レリーバー)を使用します。

発作の予防

重症度によって用いる薬の種類や量は異なりますが、一般的に吸入ステロイド薬と気道を広げるβ2刺激薬というものを使用します。大体一日2回吸入の必要があり、症状が無くても治療を続けることが大切です。治療をやめてしまうことは、再び発症することも少なくなく、推奨されていません。

発作時の対応

軽度の発作には、β2刺激薬を吸入し、効果が不十分な時には追加で吸入します。それでも症状が改善しなかったり、何度も必要になる場合には、ただちに救急外来を受診してください。また、中等度(苦しくて横になれない、かろうじて歩行できる)以上の場合にも、ただちに救急外来を受診してください。

子どもの喘息の場合、軽症のことが多く、約7割は自然に良くなっていきます。残りの3割では、大人になっても薬の吸入が必要になります。また、大人になってから発症した喘息の場合、重症のことも少なくなく、薬の吸入を続ける必要があることが多いです。しかし、喘息は放っておくと命に関わる病気ではありますが、適切に治療を行うことによって症状を抑えることができます。

まとめ

喘息は放っておくと命を落としかねない病気です。しかし、適切な治療を受けることによってコントロールをすることが可能ですので、喘息と疑われる症状がある場合は、クリニックフォアグループにご相談下さい。(喘息は、内科の診療を行っている院にご相談ください。)