医療用LEDについて
医療用LEDが薄毛に効果を与えるメカニズムとは?
医療の現場で使用されるLEDの光には、赤色・緑色・青色などさまざまな色があり、その色によって効果が異なります。
なかでも、薄毛治療に用いられるのは赤色LEDです。赤色LEDの波長は約630nm(ナノメートル)と波長が長く、緑色や青色の光に比べ、頭皮の奥深くまで光が行き渡りやすいという特徴があります。そのため、頭皮に赤色LEDを照射することで、発毛や育毛の効果が期待できます。
赤色LED(低出力レーザー・LED商社、LLLT:Low Level Laser Therapyとも呼ばれます)の波長は、主に630~660nmの範囲が使用されており、この波長帯の光が頭皮の乳毛頭細胞に届くことで、細胞の活性化や成長因子の産生を促進すると考えられています[1]。
具体的には、光エネルギーが細胞内のミトコンドリアに作用し、ATP(細胞のエネルギー源)の産生を高めることで、毛包の成長期への移行を促すと報告されています[2]。
医学的根拠のある治療としても注目
基本的にAGA治療は内服薬と外用薬が第一選択とされてきましたが、2017年に更新された日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症」ガイドラインにおいて、LED治療にも有用性を示す十分な根拠があることが発表され、副作用も比較的軽微※であることから、推奨度B「行うように勧める」として新たに分類されました。
これは、推奨度A「行うように強く勧める」とされている、ミノキシジル外用・フィナステリド内服・デュタスリド内服の次に評価が高く、AGA治療の新たな選択肢として注目度が高まっています。
※参考:日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症」ガイドライン
110 名の男性被験者を対象とした観察期間 26 週間のランダム化試験において、低出力レーザー照射後の副作用は4例で軽度の照射部の異常知覚、4 例で軽度の蕁麻疹が生じた程度であり、安全性が確認されています。
日本皮膚科学会のガイドラインでは、LED/低出力レーザー照射について「男性・女性ともに有効性が示された複数のランダム化比較試験(RCT)が根拠となっている」と記載されています。ただし、国内未承認機器も多く、用いる光の種類・波長・出力に注意が必要ともされています。
このため、機器を選ぶ際には、臨床データが公開されているものや、医療機器として認証っを受けているものを選ぶことが重要です。
効果が出るタイミングは16週間が目安
赤色の医療用LEDは継続して光を当てることで効果が期待できます。
LEDを当てることで髪の成長を促進させる成長因子が出され、休止期にある毛包が成長期に入ると考えられています。
効果が実感できる目安はおよそ16~26週間です。[2][3]その後の継続使用により、さらに育毛の促進が期待されます。
実際の臨床試験では、男性のAGAを対象に16~26週間、赤色光(約655nm)を照射した群において、偽照射群と比較して毛髪数が優位に増加(例:+18~20本/cm2前後)したという報告があります。[2]
また、24週間にわたり1日18分間の照射を行った他施設二重盲検試験では、毛髪密度が優位に改善し、皮膚刺激などの副作用は軽微であったとされています。[3]

また、ミノキシジルやフィナステリドといった処方薬での治療と並行することで、効果をさらに高めることが期待されます。
※医療用LEDの使用をやめた場合は、この効果が得られなくなるため、自然と元の状態に戻っていきます。
LED治療の科学的根拠(エビデンス)
LED治療の有効性については、複数の臨床研究とメタ解析によって支持されています。
ここでは、主要な研究結果をご紹介します。
レーザー・LED照射の無作為化試験
Lanzafameら(2013-2014)による二重盲検ランダム化比較試験では、男性のAGAを対象に16~26週間、赤色光約655nm)を照射した群において、偽照射群と比較して毛髪数が優位に増加(例:+18~20本/cm2前後)しました[2]。有害事象は軽微であり、安全性も確認されています。
ただし、照射プロトコルや装置の違いが成績に影響する可能性があるため、機器選びは慎重に行う必要があります。
他波長ヘルメット型の試験成績
630/650/660nmの他波長を用いたヘルメット型低出力レーザー治療(LLLT)装置による24週間の他施設二重盲検試験では、1日18分照射した群において、偽照射群と比較して毛髪密度が優位に改善しました。[3]皮膚刺激などの副作用は軽微でした。
日次での照射が必要となるため、毎日継続できるかどうか(アドヒアランス)が効果を得るための鍵となります。
メタ解析:効果量の概観
複数のメタ解析において、Photobiomodulation(LLLT/LED)は毛髪数や毛髪密度の統計学的改善を示すランダム化比較試験が多数存在し、安全性は良好で重篤な有害事象はまれであることが報告されています。[4][5]
ただし、装置の使用(波長・出力・照射設計)が効果に影響するため、研究間で異質性があり、装置やプロトコルの標準化が今後の課題とされています。
医療用LEDはどんな人に向いている?
AGA治療における医療用LEDは、男女ともに薄毛や生え際の後退、抜け毛など、髪の症状が気になり始めた方に効果が期待できます。一方で、すでに毛根が死滅している場所に対しての効果は期待できません。
医療用LEDはミノキシジルをはじめとしたAGA治療薬と併用しても阻害がなく、処方薬の効果のアップが期待できるため、併用もおすすめです。
〈こんな人におすすめ〉
- AGA治療薬を服用しながら、違うアプローチでさらに効果を高めたい方
- AGA治療薬で満足いく結果が出た後に、内服薬と組み合わせて、しっかりと維持をしたい方
- AGA治療薬を使用する前に、まずはいろいろ試してみたい方
※効能効果には個人差があります。
AGA治療薬との併用について
LED治療は、フィナステリド、デュタステリド、ミノキシジルといったAGA治療薬と併用することが可能です。ここでは、各治療薬の特徴と併用時のポイントについて説明します。
フィナステリドとの併用
フィナステリドは、抜け毛を抑える「守り」のための内服薬です。抜け毛の原因とされる「DHT(ジヒドロテストステロン)」は、男性ホルモン(テストステロン)が5α還元酵素という酵素によって変化することで生じます。
フィナステリドは、この5α還元酵素のⅡ型を阻害することで、テストステロンがDHTに変化するのを抑え、抜け毛を防ぎます。[6]
内服開始後1~3か月くらいで効果が実感できることが多く、LED治療と併用することで、抜け毛を抑えながら発毛を促進する相乗効果が期待できます。
フィナステリド使用上の注意:服用期間は献血が行えず、中止後も1か月間は献血ができません。[9]また妊婦、妊娠する可能性のある女性、授乳中の女性の手の届かないところに保管してください。主な副作用として、食欲不振、抑うつ感、かゆみ、蕁麻疹、男性機能低下(性欲減退、勃起不全、精液減少など)が報告されています。[6][10]
デュタステリドとの併用
デュタステリドも、フィナステリドと同様に抜け毛を抑える「守り」のための内服薬です。デュタステリドは、5α還元酵素のⅠ型とⅡ型の両方を阻害するため、フィナステリドよりも高い効果が期待されます。
実際の研究では、デュタステリドはフィナステリドと比較した場合、約1.6倍毛髪数が増加したという報告があります。[6]ただし、男性機能低下などの副作用の発症率もやや高いとされています(フィナステリド:約1%未満に対して、デュタステリド:約5%未満)。
内服開始後1~3か月くらいで効果を実感できます。
デュタステリド使用上の注意:服用期間は献血が行えず、中止後も6か月間は献血ができません。[9]また妊婦、妊娠する可能性のある女性、授乳中の女性の手の届かないところに保管してください。主な副作用として、食欲不振、抑うつ感、かゆみ、蕁麻疹、男性機能低下(性欲減退、勃起不全、精液減少など)が報告されています。[6][10]
ミノキシジルとの併用
ミノキシジルは、発毛を促進する「攻め」のための薬です。ミノキシジルという成分が頭皮の血管を拡張することで、毛を作る細胞への血流を促進します。血行が改善されることで、毛細血管から毛乳頭へ栄養をいきわたらせることができるようになるため、頭頂部や生え際の発毛が促進されます。[6]
内服型のミノキシジルタブレットは、外用薬に比べて体内の吸収率が高く、より高い発毛効果が期待できます。
内服開始後しばらくすると(およそ1か月程度で)、一時的に抜け毛が少し増えることがありますが、これは古い毛が生まれ変わっているサインであり、お薬が効いている証拠です。数か月で必ず生えてきますので、飲み続けることが大事です。
ミノキシジル使用上の注意:主な副作用として、血圧低下や心拍数の増加、頭痛やめまい、体重増加、手足のむくみが報告されています。[6][10]また頭髪の増加に伴い、他の部位の毛量も増加するのが一般的です(増加の程度は個人差があります)。気になる方は、外用薬に切り替えるなどの対応が可能ですので、医師とご相談ください。まれに低血圧などの副作用症状がみられることがあります。これらを自覚された際には当クリニックまでご連絡ください。
ミノキシジル併用の追加効果について
LED治療とミノキシジルの併用については、近年の系統的レビューにおいて、ミノキシジル単独と比較して併用の明確な優越性は限定的との結論も報告されています。[7]そのため併用する場合は、忍容性(副作用の許容度)や実効性(毎日続けられるか)を考慮して、個別に最適化することが重要です。
併用を開始した場合でも、12~24週間で客観的な評価(写真撮影や毛髪数のカウントなど)を行い、効果を確認することが推奨されます。
LED治療と薬物治療の併用フロー
LED治療とAGA治療薬を併用する場合の、一般的な治療の流れをご紹介します。
まず診断の段階では、AGAの型や重症度、既往歴、妊娠計画の有無、基礎疾患の有無などを医師が確認します。次に初期治療として、フィナステリドやデュタステリド、ミノキシジルなどの薬物治療に加えて、LED治療(週1~3回、1回当たり約20分)を開始します。
12~24週間後に、写真撮影や毛髪数の評価を行い、改善が見られれば治療を継続し、不十分であれば照射プロトコルや装置の見直し、服薬のアドヒアランス(きちんと服用できているか)を確認します。
また服用期間中は、副作用のモニタリング、献血の計画、妊娠計画、併用しているほかのお薬などについても、定期的に医師と相談しながら安全性をフォローしていくことが大切です。
LED治療の推奨品度と実務ガイド
研究では、1回当たり18~20分、週1~3回などのプロトコルが用いられています。[2][3]ただし、機器の使用(波長・出力・照射面積)により最適な頻度や時間は異なるため、お使いの危機の取扱説明書と医療者の指示に従ってください。
効果の評価タイミングとしては、12~24週間での写真撮影や毛髪数のカウントが推奨されます。もし期待した効果が得られない場合は、照射頻度や時間の調整、機器の変更、または治療法の見直しを検討します。
安全性・献血・妊娠・小児への注意
LED治療の副作用と対処法
LED治療自体の副作用としては、軽度の紅斑(赤み)、温感、頭皮刺激などが報告されています[1]。治療直後は皮膚が赤くなることがありますが、1~2時間以内に正常に戻ることがほとんどです。
また、LED治療の直後に一時的な頭痛が起こることがありますが、こちらは適切な鎮痛剤と水分補給で対処できます。
LED治療を受けられない、または注意が必要な方
LED治療は安全性が高いとされますが、光線過敏症の既往がある方や、光感受性を高める可能性のある薬剤(一部の抗菌薬や利尿薬など)を服用中の方は、事前に医師への相談が必要です。治療中に過度な赤みや刺激を感じた場合は、速やかに使用を中止してください。
妊娠中(または妊娠を計画している)、授乳中の方は、LED治療についても安全性のデータが限定的であるため、使用前に医師にご相談ください。また、がんの治療中の方や、脱毛を引き起こす病気の治療としては使用できません。小児における安全性も未確立です[10]。
小児への注意
未成年における安全性も未確立であるため、使用は推奨されません[10]。これらの薬剤を使用する際は、自己判断での中止は避け、必ず主治医に相談してください。
LED治療と薬物療法の効果・推奨度比較
| 治療 | 主な根拠 | 代表的な使用方法 | 効果の目安 | ガイドライン推奨度 |
|---|---|---|---|---|
| LED/LLLT | RCT/メタ解析[2][3][4][5] | 630-660nm、18-20分/回、週3回(例) | +18-20本/cm²前後/16-26週(男性例)[2] | 推奨B(日本皮膚科学会)[1] |
| フィナステリド | RCT/添付文書[10] | 1mg/日 | 進行抑制(6-12か月評価) | 標準治療(添付文書)[10] |
| デュタステリド | RCT/添付文書[10] | 0.5mg/日 | 進行抑制(6-12か月) | 標準治療(添付文書)[10] |
| ミノキシジル外用 | RCT/レビュー[1] | 1-2回/日 | 密度↑(12-24週) | 標準治療(日本皮膚科学会等)[1] |
安全性・注意喚起一覧
| 項目 | LED/LLLT | フィナステリド | デュタステリド | ミノキシジル外用/内服 |
|---|---|---|---|---|
| 主な副作用 | 軽度紅斑/温感/頭皮刺激[1] | 性機能関連、肝機能、PSA低下[6][10] | 性機能関連、肝機能、PSA低下、長半減期[6][10] | 皮膚刺激/血圧低下まれ[6][10] |
| 献血制限 | なし | 中止後1か月不可[9] | 中止後6か月不可[9] | なし |
| 妊娠/授乳 | 安全データ限定的 | 禁忌・取扱注意(粉砕錠接触等)[10] | 禁忌・取扱注意(粉砕錠接触等)[10] | 要注意[10] |
| 小児 | 未確立[10] | 未確立[10] | 未確立[10] | 未確立[10] |
CurrentBody Skin LED–自宅で手軽にできるLEDデバイスが話題
AGA治療のための医療用LEDはいくつか種類がありますが、中でも海外において多くの口コミで話題を呼び、最近は日本でも注目されているのが、カレントボディのLED頭皮・頭髪ケアデバイスです。
自宅でのセルフケアとして使用可能な、18J/cm²の正確な赤色の波長(640nm付近)を供給する120個の赤色LED電球を搭載しています。
熱や痛みがない快適なハンズフリー仕様に加え、内蔵のBluetooth対応ヘッドフォンで音楽やポッドキャストを楽しめるのも大きなメリット。継続が大切なAGA治療において、毎日の習慣として気軽に取り入れることができるアイテムです。
★アメリカ食品医薬品局(FDA)認証を取得
★世界的な 「Men’s Health誌」にて 髪のダメージに最適な育毛機器 第1位にランクイン!
★メンズ雑誌「LEON」にて ボーナスで投資したい玄人用ギア として紹介!
★英国の雑誌「Marie Claire」 ヘアケア賞のツール部門で 最優秀新製品賞 を受賞!

CurrentBody Skin LED 頭皮・頭髪ケアデバイス
・ミディアム(頭囲:54〜58.7cm)
・ラージ(頭囲:59.7〜63.5cm)
125,000円(税込)
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使い方
使用頻度は、1日1回10分間。16週間継続しての使用が推奨されています。
汚れや残留物があると、光を遮断して効果を低下させる可能性があるため、整髪剤などがついていない清潔で乾いた髪に使用するのがポイント。毎晩の入浴後、髪の毛を乾かした後の習慣にするのもおすすめです。
ミノキシジルやAGA治療薬との併用の場合は、LED頭皮・頭髪ケアデバイス使用後にミノキシジル・AGA治療薬を塗布ください。

注意点・副作用について
治療直後は皮膚が赤くなることがありますが、1~2時間以内に正常に戻ることがほとんどです。
また、光治療の直後に一時的な頭痛が起こることがありますが、こちらは適切な鎮痛剤と水分補給で対処できます。
※現時点で、日本の医薬品医療機器等法上の承認は得ておりません。
ご使用できない、または医師との相談が必要な場合
妊娠中(または妊娠を計画している)、授乳中はお使いいただけません。また、がんの治療中の方や、脱毛を引き起こす病気の治療としてはお使いいただけません。
以下に当てはまる場合は、使用前に医師に相談してください。
- 光線過敏症を引き起こす可能性がある処方薬や市販薬を服用している場合
- 病変やがん性病変の疑いがある場合
- 光線過敏症や目の遺伝的疾患がある場合
よくある質問(FAQ)
LED治療は薬(フィナステリド/デュタステリド/ミノキシジル)と併用できますか?[追加]
はい、併用は一般的です。LEDは非侵襲的で安全性が高く、12~24週間で写真撮影や毛髪数を評価して継続可否を判断します。献血制限については、薬剤側の基準(フィナステリドは中止後1か月、デュタステリドは中止後6か月)に従ってください[9]。[追加]
推奨の照射頻度・時間は?
研究では18~20分/回、週1~3回などのプロトコルが用いられています[2][3]。機器の仕様(波長・出力・照射面積)により最適値は異なるため、取扱説明書と医療者の指示に従ってください。[追加]
副作用や禁忌はありますか?
軽度の紅斑・温感・刺激などが報告されています[1]。薬物治療併用時は性機能・肝機能・血圧などの安全性にも留意し、妊娠計画や献血予定がある方は事前に相談してください[6][9][10]。[追加]
LEDとレーザーはどちらが良い?
いずれも写真評価で有効性が示された試験があります[1][2][3]。装置の波長・照射設計・出力密度の違いが結果に影響するため、臨床データのある機器を選ぶことが重要です。[追加]
まとめ
AGA治療は、まず医師の診察を受けた上で内服薬と外用薬から始めることが基本とされていますが、一番大切なのは、自分に合った継続しやすい方法であるかどうかです。
治療薬には少し抵抗があって、まずはセルフケアで試してみたい方や、クリニックフォアのAGA治療薬とあわせてさらに何かできることをしたい方は、数ある選択肢の中でも、医学的な推奨度が高く副作用も少ないLEDライトがおすすめです。
気になる人は、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。
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