リベルサスの飲み合わせ|併用禁忌薬・併用注意薬と服用タイミングを解説

リベルサスを飲んでいるけど、他のお薬やサプリメントと一緒に飲んでも大丈夫なのでしょうか?
リベルサスは飲み薬タイプのGLP-1受容体作動薬で、糖尿病治療やダイエット目的で処方されることがあります。
結論から言うと、リベルサスには「併用禁忌薬(一緒に飲んではいけないお薬)」は設定されていません[1]。
ただし、糖尿病治療薬や甲状腺のお薬など「併用注意薬」は複数あり、飲み合わせに気をつける必要があります。
この記事では、リベルサスの併用禁忌薬・併用注意薬の情報から、市販薬やサプリメントとの飲み合わせ、他のお薬を飲むタイミングまで詳しく解説します。

リベルサスに併用禁忌薬はない

リベルサスを服用するにあたって、「一緒に飲んではいけないお薬があるのでは?」と心配される方も多いかもしれません。

結論から言うと、リベルサスには併用禁忌薬は設定されていません。

ここでは、併用禁忌薬と併用注意薬の違いについて解説します。

併用禁忌薬とは「一緒に飲んではいけないお薬」

併用禁忌薬とは、一緒に服用することで重大な副作用が起こる危険性があり、併用してはいけないと定められているお薬のことです。

お薬の添付文書には「併用禁忌」という項目があり、該当するお薬がある場合はここに記載されています。

リベルサスの添付文書を確認すると、併用禁忌薬の欄には記載はありませんでした[1]

ただし、これは「どんなお薬と一緒に飲んでも問題ない」という意味ではありませんので、次の項目で詳しく解説します。

併用注意薬は「飲み合わせに気をつけるべきお薬」

リベルサスには併用禁忌薬はありませんが、「併用注意薬」は複数あります。

併用注意薬とは、一緒に服用する際に注意が必要なお薬のことで、併用できないわけではありませんが、副作用のリスクが高まったり、効果に影響が出たりする可能性があります。

リベルサスの併用注意薬としては、糖尿病治療薬や甲状腺ホルモン剤などが該当します[1]

これらのお薬を服用中の場合、医師は用量を調整したり、副作用の監視を強化したりといった対応を行います。

自己判断で「併用禁忌ではないから大丈夫」と考えず、服用中のお薬はすべて問診や診察時に医師に伝えるようにしましょう。

持病がある方・複数のお薬を飲んでいる方は医師に相談

持病がある方や複数のお薬を服用中の方は、必ず医師に相談してください。お薬の飲み合わせによっては、用量の調整や経過観察が必要になることがあります。

対面クリニックの場合はお薬手帳を持参するか、服用中のお薬の名前をメモして診察時に伝えるとスムーズです。

医師に正確な情報を伝えることで、安全にリベルサスを服用できるかどうか判断してもらえます。

オンライン診療も同様に、診察時に服用している薬を伝えるようにしましょう。

「このお薬と一緒に飲んでも大丈夫かな?」と少しでも不安がある場合は、遠慮なく医師や薬剤師に質問しましょう。

不安を解消してから服用を始めることで、安心して治療を続けることができます。

リベルサスと糖尿病治療薬の飲み合わせに注意

リベルサスはもともと糖尿病治療薬として開発されたお薬です。そのため、他の糖尿病治療薬との飲み合わせには特に注意が必要です。

糖尿病治療薬との併用で気をつけるべきポイントについても見ていきましょう。

インスリン製剤やSU剤との併用は低血糖に注意

インスリン製剤やSU剤(スルホニルウレア剤)との併用は、低血糖のリスクが高まる可能性があります[1]

リベルサスには血糖値を下げる作用があるため、同様の作用を持つお薬と一緒に服用すると、血糖値が下がりすぎてしまうことがあります。

低血糖の症状としては、冷や汗、動悸、手足の震え、ふらつき、強い空腹感などが挙げられます。

インスリン製剤やSU剤を使用中の方がリベルサスを開始する場合、医師がこれらのお薬の用量を調整することがあります。

自己判断で用量を変更することは危険ですので、必ず医師の指示に従ってください。

低血糖の症状が出た場合に備えて、ブドウ糖を常備しておくと安心です。

血糖値の変動に注意しながら、指示された通りにお薬を服用することが大切です。

リベルサスと糖尿病治療薬以外の飲み合わせにも注意

リベルサスの併用注意薬は、糖尿病治療薬だけではありません。

甲状腺のお薬や経口避妊薬など、糖尿病とは関係のないお薬にも注意が必要なものがあります。

甲状腺ホルモン剤(レボチロキシン製剤)との併用

甲状腺ホルモン剤(レボチロキシン製剤)との併用は、注意が必要です[1]

リベルサスには胃の動きをゆっくりにする作用があるため、一緒に服用すると甲状腺ホルモン剤の吸収に影響を与える可能性があります。

甲状腺疾患で治療中の方がリベルサスを服用する場合は、必ず医師にその旨を伝えてください。

ウゴービ・オゼンピックなど同成分のお薬との併用

ウゴービやオゼンピックなど、同じ成分(セマグルチド)を含むお薬との併用は避ける必要があります[1]

これらのお薬は、リベルサスと同じセマグルチドを有効成分とするお薬です。

投与方法(飲み薬・注射)が異なりますが、成分が同じため併用すると過剰投与になってしまいます。

リベルサスを服用中の方がウゴービやオゼンピックを一緒に使用することはできません。

もし他の医療機関で同成分のお薬を処方されそうになった場合は、すでにリベルサスを服用中であることを必ず伝えてください。

リベルサスと市販薬・サプリメントの飲み合わせ

処方薬だけでなく、市販薬やサプリメントとの飲み合わせについても注意が必要です。

リベルサスと市販薬・サプリメントを併用する際の注意点も合わせて抑えるようにしましょう。

市販薬との飲み合わせは基本的に問題ないことが多い

一般的な市販薬であれば、リベルサスと併用しても大きな問題はないことが多いです。

リベルサスには併用禁忌薬が設定されていないため、風邪薬、頭痛薬、胃腸薬などの一般的な市販薬は原則問題ありません[1]

ただし、リベルサス服用後30分間は他のお薬を飲まないというルールは守る必要があります[1]

市販薬を飲む場合は、リベルサス服用後30分経ってから服用するようにしてください。市販薬の飲み合わせに不安な場合は、遠慮なく医師や薬剤師に質問しましょう。

サプリメントとの飲み合わせ

サプリメントとの併用も、30分ルールを守れば基本的に大きな問題とならないことが多いです。

ビタミン剤や鉄剤、カルシウムなどの一般的なサプリメントであれば、特に大きな問題はないとされています。

ただし、ダイエット目的のサプリメントの中には血糖値に影響を与える成分が含まれているものもあります。

そのようなサプリメントを使用している場合は、念のため医師に相談しておくと安心です。

どのようなサプリメントを飲んでいるか、診察時に伝えると不安を解消できるでしょう。

医師に正確な情報を伝えることで、より安全にリベルサスを服用できます。

漢方薬や健康食品との飲み合わせ

漢方薬や健康食品との飲み合わせについても、基本的には大きな問題は報告されていません。

ただし、漢方薬の中には食欲に影響を与えるものや、胃腸の働きに作用するものがあります。

リベルサスも胃腸に作用するお薬のため、似た作用を持つ漢方薬と併用すると効果が強く出すてしまう可能性も考えられます。

漢方薬を服用中の方がリベルサスを開始する場合は、どのような漢方薬を飲んでいるか医師に伝えてください。

医師が飲み合わせを確認し、問題がないか判断してくれます。

自己判断で「漢方薬だから大丈夫」と考えず、処方薬と同様に報告することが大切です。

リベルサスとお薬を飲むタイミングには注意

リベルサスは空腹時に内服して、服用後の30分間は他のお薬や飲食を避ける必要があるお薬です。

お薬の効果が弱まる可能性も否定できないため、必ずリベルサスの服用ルールは事前に把握しておきましょう。

リベルサス服用後30分間は他のお薬を避ける

リベルサスを服用した後、30分間は他のお薬を飲まないようにする必要があります[1]

これはリベルサス特有のルールで、お薬の吸収に影響を与えないための注意事項です。

リベルサスは胃の中でお薬が吸収される仕組みになっていますが、非常にデリケートなお薬のため、他のお薬を一緒に飲むと吸収が妨げられる可能性があります。

また、30分間は飲食も避ける必要があります[1]

毎朝飲むお薬がある方は、リベルサス服用後30分経ってから他のお薬を飲むようにスケジュールを調整しましょう。

このルールを守らないとリベルサスの効果が十分に発揮されない可能性があるため、注意してください。

朝起きてすぐ空腹時に服用する

リベルサスは、朝起きてすぐの空腹時に服用することが必要です[1]

空腹時に服用する理由は、胃の中に食べ物があるとお薬の吸収が悪くなるためです。朝食を食べる前、できれば起床後すぐに服用するのが理想的です。

他のお薬を朝食後に飲む習慣がある方は、リベルサスを先に飲んで30分待ってから朝食を取り、その後に他のお薬を飲むという流れになります。

毎朝のルーティンにリベルサスの服用を組み込む工夫をしてみてください。

リベルサスを飲み忘れた場合の対応

リベルサスを飲み忘れた場合、その日の分は飲まずに翌日から通常通り服用を再開してください[1]

飲み忘れたからといって2回分をまとめて飲むことは絶対に避けてください。過剰摂取により副作用のリスクが高まる可能性があります。

毎日同じ時間に服用することでお薬の効果が安定するため、飲み忘れを防ぐための工夫が大切です。

スマートフォンのアラームを設定したり、起床後すぐに目に入る場所にお薬を置いておくなどの方法が効果的です。

飲み忘れが頻繁に起こる場合は、医師に相談して対策を考えましょう。

よくある質問

Q:リベルサスと血圧の薬は一緒に飲んでも大丈夫ですか?

A:リベルサスと血圧のお薬を併用すること自体は、一般的には問題ありません。

ただし、リベルサス服用後30分間は他のお薬を飲まないというルールがあるため、服用タイミングには注意が必要です[1]

血圧のお薬を朝に服用している方は、リベルサスを先に飲んで30分待ってから血圧のお薬を飲むようにしてください。

Q:リベルサスと市販の風邪薬を一緒に飲んでも大丈夫ですか?

A:一般的な市販の風邪薬であれば、リベルサスと併用しても大きな問題はないとされています。

持病がある方や心配な場合は、医師・薬剤師に相談してから購入すると安心です。

※効果効能・副作用は個人差があります。また、効果を保証するものではありません。医師の診察を受け、適切な用法用量で服用ください。何か問題があれば医師に必ず相談するようにしてください。

Q:リベルサスと他のお薬、どのくらい時間を空ければいいですか?

A:リベルサス服用後、少なくとも30分間は他のお薬を飲まないようにしてください。

30分経てば、他のお薬やサプリメントを服用しても通常は差し支えないとされています。

毎朝飲むお薬がある方は、リベルサス→30分以上待つ→朝食→他のお薬という流れで服用するとスムーズです。

まとめ

リベルサスには、一緒に飲んではいけない「併用禁忌薬」は設定されていません。

ただし、糖尿病治療薬や甲状腺ホルモン剤など、飲み合わせに注意が必要な「併用注意薬」は複数あります。

特にインスリン製剤やSU剤との併用は低血糖のリスクが高まるため、医師の指示に従った用量調整が必要です。

また、リベルサス服用後30分間は他のお薬やサプリメントを飲まないというルールを守ることも大切です。

市販薬やサプリメントとの併用は通常は大きな問題になることは少ないとされていますが、念のため医師に伝えておくと安心です。

持病がある方や複数のお薬を服用中の方は、すべてのお薬を医師に報告した上でリベルサスを開始してください。

飲み合わせについて不安がある場合は、遠慮なく医師や薬剤師に相談しましょう。

参考文献

  1. ノボ ノルディスク ファーマ株式会社「リベルサス錠 添付文書」(2025年7月改訂・第5版)
  2. ノボ ノルディスク ファーマ株式会社「リベルサス錠 インタビューフォーム」(2024年3月改訂・第7版)
  3. PMDA「患者向医薬品ガイド リベルサス錠」(2025年7月更新)