リベルサスとマンジャロは併用すると危険?違い・使い分け・切り替え方法を解説

リベルサス※1とマンジャロ※2、どちらも2型糖尿病の治療薬として承認されていますが、減量効果もあることがわかっており、自費診療において肥満症治療目的で処方されることがあるお薬です※。
リベルサスの有効成分は「セマグルチド」、マンジャロの有効成分は「チルゼパチド」で、どちらもGLP-1に作用するという共通点があります。
「両方を一緒に使えば、もっと効果が出るのでは?」と考える方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、リベルサスとマンジャロの併用はできません。
この記事では、リベルサスとマンジャロを併用できない理由や、それぞれの違い・使い分け、切り替え方法について詳しく解説します。

リベルサスとマンジャロの併用はできない

リベルサスとマンジャロはどちらも血糖値や食欲に作用するお薬であり、減量効果も期待されています。

しかし、「両方使えばもっと効果が出るのでは」という考えて併用することはできません。

ここでは、併用が推奨されない理由について解説します。

どちらもGLP-1に作用する同系統のお薬のため

リベルサスとマンジャロは、どちらも「GLP-1」という体内のホルモンに関係するお薬です。

リベルサスはGLP-1受容体作動薬と呼ばれるタイプのお薬で、GLP-1に作用して食欲を抑えたり血糖値を調整したりする働きがあります[1]

一方、マンジャロはGLP-1に加えて「GIP」というもう一つのホルモンにも作用するお薬です。

作用する仕組みに多少の違いはあるものの、どちらもGLP-1に働きかけるという点では同じ系統のお薬といえます。

そのため、医療の現場では「どちらか一方を選んで使う」というのが基本的な考え方になっています。

同じような作用を持つお薬を2種類同時に使っても、効果が2倍になるわけではありません。

併用すると副作用が強く出るリスクがある

リベルサスとマンジャロを併用すると、副作用が強く出てしまうリスクがあります。

どちらのお薬も胃腸に作用するため、吐き気・嘔吐・下痢・便秘といった消化器系の副作用が起こりやすいという特徴があります[1]

似た作用を持つお薬を2つ同時に服用すると、これらの副作用がより強く現れる可能性が考えられます。

また、血糖値を下げる作用も重なるため、低血糖のリスクも高まる可能性があります。

副作用が強く出ると日常生活に支障をきたすこともありますので、併用は避けるべきです。

どちらか一方のお薬で効果を実感できない場合は、自己判断で併用するのではなく、医師に薬の増量を相談するようにしましょう。

併用ではなく「どちらか一方を選ぶ」または「切り替え」が原則

リベルサスとマンジャロは、併用するものではなく「どちらか一方を選ぶ」お薬です。

医療機関では、患者さんの体質や生活スタイル、希望などを考慮して、どちらのお薬が適しているかを判断します。

もし現在どちらか一方を服用していて効果を感じにくい場合は、もう一方のお薬への切り替えを検討することもあります。

ただし、切り替えは必ず医師の指示のもとで行う必要があります。自己判断で2つのお薬を併用することは避けてください。

リベルサスとマンジャロの違い

リベルサスとマンジャロはどちらもGLP-1に作用するお薬ですが、投与方法や作用の強さなどに違いがあります。

それぞれの特徴を理解しておくことで、自分に合ったお薬を選ぶ参考になるでしょう。

ここでは、リベルサスとマンジャロの主な違いについて解説します。

投与方法の違い(飲み薬と注射)

リベルサスとマンジャロの最も大きな違いは、投与方法です。

リベルサスは1日1回服用する飲み薬(内服薬)で、朝起きてすぐの空腹時に水と一緒に服用します[1]

一方、マンジャロは週1回、自分で注射するタイプのお薬です。

注射が苦手な方や、注射に抵抗がある方にとっては、飲み薬であるリベルサスの方が始めやすいと感じるかもしれません。

逆に、毎日お薬を飲むのが面倒だと感じる方には、週1回の注射で済むマンジャロの方が続けやすいでしょう。

どちらが自分に合っているかは、ライフスタイルや好みによって異なります。

作用の違い(GLP-1とGIP/GLP-1)

リベルサスとマンジャロでは、作用する仕組みにも違いがあります。リベルサスはGLP-1にのみ作用するお薬です[1]

一方、マンジャロはGLP-1に加えてGIPにも作用するため、2つのホルモンに働きかけるお薬といえます。

どちらが自分に合っているかは、医師と相談して決めることをおすすめします。

費用の違い

リベルサスとマンジャロでは、費用にも違いがあります。

ダイエット目的でこれらのお薬を使用する場合は自由診療となるため、医療機関によって価格が異なります。

一般的な傾向として、リベルサスの方がマンジャロよりも費用を抑えられるケースが多いようです。

ただし、用量や処方期間、クリニックの価格設定によって実際の費用は大きく変わります。

費用面を重視する方は、事前に医療機関に確認しておくことをおすすめします。クリニックフォアでの肥満症治療薬の価格は以下の通りです。(2025年12月時点)

※ 画像はイメージです。実際に処方される際のパッケージと異なる場合がございます。
※1 マンジャロ皮下注アテオス(2.5mg/5mg/7.5mg/10mg)
※2 オゼンピック皮下注(2mg)
※3 リベルサス錠(3mg/7mg/14mg)
※4 Tirzepatide versus Semaglutide Once Weekly in Patients with Type 2 DiabetesThe New England Journal of Medicine, vol. 385 no.6(2021): 503-515
※5 マンジャロ2.5mg3ヶ月まとめて定期の1ヶ月あたりのお薬代 別途配送料1,100円(クール便代込み)
※6 オゼンピック2mg3本セットの1本あたりのお薬代 別途配送料1,100円(クール便代込み)
※7 リベルサス3mg6ヶ月まとめて定期の1ヶ月あたりのお薬代 別途配送料550円

リベルサスとマンジャロのそれぞれに向いている人は?

リベルサスとマンジャロにはそれぞれ向いている人の特徴があります。

ここでは、どのような方にどちらのお薬が向いているのか、使い分けのポイントを解説します。

注射が苦手な人はリベルサスを選択することになりますが、それ以外での選択ポイントなども見ていきましょう。

リベルサスが向いている人

リベルサスは飲み薬のため、自分で注射をすることに不安を感じる方でも始めやすいお薬です[3]

また、費用をなるべく抑えたい方にもリベルサスはおすすめです。

一般的にマンジャロよりも費用が抑えられる傾向があるため、長期間の服用を考えている方にも適しています。

ただし、毎朝空腹時に服用し、30分間は飲食を避けるというルールを守る必要があるため、マンジャロよりも服薬管理が必要です[1]

毎日決まった時間にお薬を飲む習慣がある方であれば、リベルサスでの治療がスムーズに進められるでしょう。

マンジャロが向いている人

マンジャロは、より強い効果を求める方に向いています。

GLP-1とGIPの両方に作用するため、リベルサスよりも効果が期待できる可能性があります。

また、毎日のお薬の服用が難しい方にもマンジャロは適しています。

週1回の注射で済むため、忙しい朝にお薬を飲む時間が取れない方や、飲み忘れが多い方にも続けやすいお薬です。

週1回の注射に抵抗がない方であれば、マンジャロは手軽に続けられるでしょう。

どちらのお薬が自分に合っているか分からない場合は、医師に相談してみてください。

どちらを選ぶか迷ったら医師に相談

リベルサスとマンジャロ、どちらを選ぶべきか迷った場合は、医師に相談することをおすすめします。

体質や生活スタイルによって最適なお薬は異なりますし、持病や服用中のお薬によっても選択が変わることがあります。

医師は患者さんの状態を総合的に判断して、適切なお薬を提案してくれます。

また、途中で効果を感じにくくなった場合や、副作用が気になる場合も、医師に相談すれば別のお薬への切り替えを検討してもらえます。

リベルサスからマンジャロへの切り替え方法

リベルサスを使っているけれど効果が物足りないと感じている方の中には、マンジャロへの切り替えを検討している方もいるでしょう。

切り替えを行う場合は、いくつかの注意点があります。

切り替えは医師と相談の上で行う

リベルサスからマンジャロへの切り替えは、必ず医師と相談の上で行いましょう。

「効果があまり感じられない」「副作用が気になる」といった理由で切り替えを希望する場合は、まず医師にその旨を伝えることが大切です。

切り替えのタイミングについても医師が決定しますので、自己判断で行うことは避けてください。

場合によっては、切り替えではなく用量の調整や生活習慣の見直しを提案されることもあります。

安心して切り替えを行うためにも、医師の指示に従うことが重要です。

切り替え後は最低用量から開始する

リベルサスからマンジャロに切り替える場合、マンジャロは最低用量から開始するのが基本です。

マンジャロは2.5mgから開始し、体の反応を見ながら段階的に用量を増やしていきます。

リベルサスで高用量を使っていたとしても、マンジャロでは低用量からスタートすることになります。

これは副作用のリスクを最小限に抑えるための対応です。

「早く効果を出したい」という気持ちから用量を増やしたくなるかもしれませんが、焦らずに医師の指示に従いましょう。

切り替え後の用量調整についても、医師が適切なタイミングで判断してくれます。

切り替え直後は副作用に注意

リベルサスからマンジャロに切り替えた直後は、副作用に注意が必要です。

新しいお薬に体が慣れるまで、吐き気や胃の不快感などの副作用が出やすい時期があります[1]

どちらのお薬も消化器系の副作用が起こりやすいという特徴があるため、切り替え直後は体調の変化に気をつけてください。

多くの場合、副作用は数日から1〜2週間程度で落ち着いていきますが、症状が強い場合や長引く場合は医師に相談しましょう。

気になる症状があれば、早めに医療機関を受診することをおすすめします。

焦らず、体の様子を見ながら新しいお薬に慣れていきましょう。

よくある質問

Q:リベルサスとマンジャロを一緒に使ったらダメですか?

A:リベルサスとマンジャロの併用は推奨されていません。

どちらもGLP-1に作用する同系統のお薬であるため、併用すると副作用が強く出るリスクが高まる可能性があります[1]

効果を高めたい場合は、併用ではなく切り替えを医師と相談してください。

Q:リベルサスからマンジャロに切り替えるときの注意点は?

A:切り替えを行う場合は、必ず医師と相談の上で行ってください。

マンジャロに切り替える際は、リベルサスで高用量を使っていても最低用量(2.5mg)から開始するのが基本です。

切り替え直後は副作用が出やすいため、体調の変化に注意しましょう[1]

Q:マンジャロからリベルサスに切り替えることはできますか?

A:マンジャロからリベルサスへの切り替えも可能です。

注射から飲み薬に変えたい場合や、費用を抑えたい場合などに検討されることがあります。

切り替えを希望する場合は、医師に相談して適切な方法を確認してください。

まとめ

リベルサスとマンジャロは、どちらもGLP-1に作用する同系統のお薬です。

併用すると副作用が強く出るリスクがあるため、併用は推奨されていません。

リベルサスは飲み薬、マンジャロは週1回の注射という違いがあり、それぞれにメリット・デメリットがあります。

注射が苦手な方や費用を抑えたい方はリベルサス、より強い効果を求める方や毎日の服用が難しい方はマンジャロが向いているかもしれません。

切り替えを希望する場合は、自己判断での併用や切り替えは避け、必ず医師と相談の上で行いましょう。

どちらのお薬が自分に合っているか分からない場合は、医療機関で相談してみてください。

なお、リベルサスは、日本において2型糖尿病の治療薬として承認を受けており※、自由診療での処方の場合は承認医薬品の適応外処方となります。万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。

※ 同一成分の注射製剤が日本の厚生労働省とアメリカ食品医薬品局(FDA)で肥満症治療薬として承認されています(承認年月日:日本2024/12/27、アメリカ2021/06/04)

なお、マンジャロは日本においては、2型糖尿病の治療薬として承認を受けており、自由診療での処方の場合は承認医薬品の適応外処方となります。万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。

参考文献

  1. ノボ ノルディスク ファーマ株式会社「リベルサス錠 添付文書」(2025年7月改訂・第5版)
  2. ノボ ノルディスク ファーマ株式会社「リベルサス錠 インタビューフォーム」(2024年3月改訂・第7版)
  3. PMDA「患者向医薬品ガイド リベルサス錠」(2025年7月更新)