リベルサスを飲むときの水の量はなぜ約120mL以下なの?
リベルサスを飲むときの水の量は、コップ半分程度(約120mL以下)が目安です。
他のお薬と違って、なぜこのような決まりがあるのでしょうか。
ここでは、リベルサスを少ない水の量で飲む理由と、正しい服用方法について解説します。
水の量が多いと有効成分の吸収率が下がる可能性がある
リベルサスを約120mL以下の水で飲む理由は、水の量が多いと有効成分の吸収率が下がる可能性があるからです。
リベルサスの有効成分「セマグルチド」は、本来は胃で吸収されにくい性質を持っています。
そのため、リベルサスには吸収を助ける成分「SNAC(サルカプロザートナトリウム)」が配合されており、この成分が胃の中で働くことでセマグルチドが吸収されやすくなります[2]。
しかし、水の量が多すぎるとSNACが薄まってしまい、吸収を助ける働きが弱まる可能性があると考えられています。
お薬の効果を十分に発揮させるためには、リベルサスの添付文書に記載されている「約120mL以下の水」で服用することが大切です[1]。
「たくさん水を飲んだ方がお薬が溶けやすい」というわけではないので、注意してください。
水は多すぎても少なすぎてもNG
リベルサスを飲むときの水の量は、多すぎても少なすぎても良くありません。
水の量が多すぎると、先ほど説明した通り、吸収を助ける成分が薄まってお薬の吸収率が下がる可能性があります[1]。
一方で、水の量が少なすぎると、錠剤が喉や食道に詰まってしまうリスクがあります。
「少ない水で飲む」というルールを意識しすぎて、ほんの少しの水で無理に飲み込もうとするのは避けましょう。
錠剤を安全に飲み込むためには、ある程度の水の量が必要です。
約120mL以下という目安を参考に、錠剤がスムーズに飲み込める適量の水で服用してください。
服用時に使う水の温度は常温がおすすめ
リベルサスを飲むときの水の温度については、特に厳密な決まりはありません。
ただし、一般的には常温の水で飲むのがおすすめです。
冷たすぎる水は胃に負担をかける可能性がありますし、熱いお湯は錠剤やお薬の成分に影響を与える可能性も考えられます。
リベルサスは朝起きてすぐに服用するお薬なので、前日の夜にコップに水を用意しておくと便利です。
常温の水であれば胃への刺激も少なく、錠剤もスムーズに飲み込めるでしょう。
特にこだわりがなければ、常温の水で服用することをおすすめします。
リベルサスは水以外で飲んでもいい?
水以外の飲み物でリベルサスを飲んでもいいのか考える人もいるかもしれません。
お茶やコーヒー、ジュースなど、普段飲んでいる飲み物で服用しても良いのかについて見ていきましょう。
リベルサスは水で飲むのが基本
リベルサスの添付文書にも服用はコップ約半分の水(約 120mL 以下)と明記されており、水以外の飲み物での服用は推奨されていません[1]。
リベルサスの添付文書では以下のように記載がされています。
本剤の吸収は胃の内容物により低下することから、本剤は、1 日のうちの最初の食事又は飲水の前に、空腹の状態でコップ約半分の水(約 120mL 以下)とともに 3mg 錠、7mg 錠又は14mg錠を1錠服用すること。また、服用時及び服用後少なくとも 30 分は、飲食及び他の薬剤の経口摂取を避けること。分割・粉砕及びかみ砕いて服用してはならない。
明確に他の飲み物については書かれていませんが、水以外で服用するのはお薬の吸収の観点からも避けた方が良いでしょう。
お茶やコーヒーで飲むのは避ける
リベルサスをお茶やコーヒーで飲むのは避けましょう。
お茶に含まれるタンニンや、コーヒーに含まれるカフェインなどの成分が、お薬の吸収に影響を与える可能性があります。
特にリベルサスは吸収されにくい性質を持つお薬のため、吸収に影響を与える可能性のある飲み物は避けた方が安心です。
「朝はコーヒーを飲む習慣がある」という方も、リベルサスの服用時だけは水を使うようにしてください。
服用後30分経てば、お茶やコーヒーを飲んでも問題ありません。
リベルサスを飲むときは水、その後の飲み物は自由、と覚えておくと分かりやすいでしょう。
牛乳やジュースでの服用もNG
リベルサスを牛乳やジュースで飲むのも避けましょう。
牛乳は胃の中の環境を変える可能性がありますし、ジュースに含まれる糖分や酸味がお薬に影響を与える可能性も考えられます。
リベルサスは空腹時に服用するお薬のため、カロリーのある飲み物で飲んでしまうと空腹状態ではなくなってしまいます。
「飲みやすいから」という理由で牛乳やジュースを使うのは、お薬の効果を下げてしまう可能性があるので注意が必要です。
お薬の効果を十分に発揮するためには、やはり水で服用するのが一番です。
服用時の飲み物は水に限定し、他の飲み物は服用後30分経ってから楽しむようにしましょう。
リベルサスの水の量を間違えたときの対処法
「水をたくさん飲んでしまった」「水の量が少なすぎたかもしれない」と不安になることもあるでしょう。
ここでは、水の量を間違えてしまった場合の対処法について解説します。
水を多く飲んでしまった場合
リベルサスを飲むときに水を多く飲んでしまった場合でも、1回程度であれば大きな問題にはならないと考えられています。
「コップ1杯飲んでしまった」という程度であれば、過度に心配する必要はありません。
追加でお薬を飲み直す必要もありませんので、そのまま普段通りに過ごしてください。
ただし、水の量が多いとお薬の吸収に影響する可能性があるため、次回からは正しい量を心がけましょう。
毎回のように水を多く飲んでしまうと、お薬の効果が十分に発揮されない可能性があります。
1回の間違いを気にしすぎる必要はありませんが、継続的に正しい方法で服用することが大切です。
リベルサスの正しい飲み方チェックリスト
リベルサスは水の量やタイミングが重要なお薬のため、以下の3点は必ず抑えるようにしましょう。
お薬の効果を落とさないためにも、必ず守るようにして最初はチェックをするようにしてください。
朝起きてすぐ空腹の状態で服用する
服用後30分間は飲食・他のお薬を避ける
錠剤は噛まずにそのまま飲み込む
チェック①:朝起きてすぐ空腹の状態で服用する
リベルサスは、朝起きてすぐの空腹の状態で服用することが推奨されています[1]。
1日のうち最初の飲食の前に服用することで、胃の中が空の状態でお薬を吸収させることができます。
前日の夜に食べたものが胃に残っていると吸収に影響する可能性があるため、夕食も就寝直前ではなく早い時間にすませるのがベストです。起床後すぐに飲むのがベストタイミングです。
「朝食を食べてから飲もう」と思っていると、服用のタイミングを逃してしまうこともあります。
起きたらまずリベルサスを飲む、という習慣をつけると飲み忘れも防げます。
毎朝のルーティンの一番最初にリベルサスの服用を組み込むようにしましょう。
チェック②:服用後30分間は飲食・他のお薬を避ける
リベルサスを服用した後は、30分間は飲食を避ける必要があります。
これは、お薬が胃で吸収される時間を確保するためのルールです。
服用後すぐに食事をしたり、他のお薬を飲んだりすると、リベルサスの吸収に影響を与える可能性があります。
サプリメントや他のお薬がある場合も、リベルサス服用後30分経ってから飲むようにしてください。
30分間は長いように感じるかもしれませんが、朝の身支度をしている間に過ぎてしまうことがほとんどでしょう。
服用後30分経てば、普段通りの朝食を食べて問題ありません。
チェック③:錠剤は噛まずにそのまま飲み込む
リベルサスの錠剤は、噛まずにそのまま飲み込んでください。
錠剤を噛んだり、割ったり、砕いたりすると、お薬の効果に影響を与える可能性があります。
リベルサスは特殊な製剤設計がされているため、そのままの形で飲み込むことが大切です。
「錠剤が大きくて飲みにくい」と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、適量の水と一緒に飲めばスムーズに飲み込めます。
どうしても飲み込みにくい場合は、医師や薬剤師に相談してみてください。
自己判断で錠剤を加工することは避け、そのままの状態で服用するようにしましょう。
よくある質問
Q:リベルサスを飲むときの水の量を間違えると効果がなくなりますか?
A:1回程度の間違いであれば、効果が完全になくなるわけではありません。
ただし、水の量が多すぎるとお薬の吸収に影響する可能性があるため、継続的に正しい量で服用することが大切です。
次回からはコップ半分程度(約120mL以下)を目安に服用してください。
Q:リベルサスを炭酸水で飲んでも大丈夫ですか?
A:リベルサスは水で飲むことが推奨されており、炭酸水での服用は推奨されていません。
炭酸水に含まれるガスが胃の中の環境に影響を与える可能性があります。
服用時は普通の水を使い、炭酸水は服用後30分経ってから飲むようにしてください。
Q:リベルサスを飲んだ後、すぐに水を飲んでしまいました。大丈夫ですか?
A:服用直後に少量の水を飲んでしまった程度であれば、大きな問題にはならないことがほとんどです。
ただし、吸収率が下がり、効果が弱まる可能性があります。次回からは控えてください。
まとめ
リベルサスを飲むときの水の量は、コップ半分程度(約120mL以下)が目安です。
水の量が多すぎるとお薬の吸収に影響する可能性があるため、正しい量を守ることが大切です。
水以外の飲み物(お茶、コーヒー、牛乳、ジュースなど)での服用は避け、水で飲むようにしましょう。
水の量を間違えてしまった場合でも、1回程度であれば過度に心配する必要はありません。
リベルサスは朝起きてすぐの空腹時に服用し、服用後30分間は飲食を避けるというルールもあります[1]。
正しい服用方法を守ることで、お薬の効果を十分に発揮させることができます。
不安なことや分からないことがあれば、医師や薬剤師に相談してください。
