マンジャロ注射とは
マンジャロは、週1回の皮下注射で体重管理をサポートするGIP/GLP-1受容体作動薬です。
従来のGLP-1受容体作動薬とは異なり、マンジャロはGIPとGLP-1の両方の受容体に作用する「デュアルアゴニスト」と呼ばれる新しいタイプのお薬です。
食欲を抑制する作用と、胃の内容物の排出を緩やかにする作用によって、満腹感が持続しやすくなり、自然に食事量が減ります。
毎日の服用管理が不要で、週に1回の注射だけで効果が持続する点は、忙しい方にとって大きなメリットといえるでしょう。
自己注射に不安を感じる方も多いですが、専用のペン型デバイスを使用するため、初めての方でも比較的簡単に扱えます。
マンジャロの基本情報と特徴
マンジャロの有効成分は「チルゼパチド」であり、2型糖尿病の治療薬として開発されました。
GIPとGLP-1という2つのホルモンの受容体に作用することで、血糖値のコントロールと体重減少の両方に効果を発揮します。
週1回の投与で効果が持続する理由は、お薬が体内で分解されにくく、長く血中に残る設計になっているためです。
投与量は2.5mgから開始し、体の反応を見ながら4週間以上の間隔で段階的に増量していくのが一般的な流れとなります。
最大投与量は15mgですが、どの用量が適切かは個人の状態によって異なるため、医師と相談しながら調整していくことが大切です。
マンジャロの注射デバイス（アテオス）について
マンジャロの注射には「アテオス」というペン型の専用デバイスが使用されます。
アテオスの最大の特徴は、針が見えない設計になっている点です。注射に対する恐怖心を軽減するための工夫が施されており、針を見ずに注射を完了できます。
操作方法もシンプルで、キャップを外して皮膚に当て、ボタンを押すだけで注射され薬液が注入される仕組みです。
使い捨てタイプのため、針の交換や複雑なセッティングは一切不要となっています。
1本のペンに1回分の薬液があらかじめ充填されており、使用後は牛乳パックなどの丈夫な容器に入れてフタをしっかり閉じ、お住まいの自治体のルールに従って可燃ごみとして廃棄できます。自宅での自己注射が初めての方でも、無理なく続けることが可能です。
マンジャロ注射は痛い？
マンジャロの注射は、インフルエンザワクチンや一般的な採血の注射と比較しても痛くなかったと感じている方が多い傾向があります。
注射と聞くと痛みを心配する方が多いですが、マンジャロで使用される針は非常に細く、採血で使われる針よりもはるかに細いものです。
皮下脂肪に注射するため、筋肉注射と比べて痛みを感じにくい特徴があります。
注射デバイスのアテオスは針が見えない設計になっているため、視覚的な恐怖心も軽減されます。
初めての注射では緊張から痛みを強く感じることもありますが、回数を重ねるうちに慣れていく方がほとんどです。
正しい方法で注射を行えば、日常生活に支障をきたすような痛みはほぼないと考えてよいでしょう。
マンジャロ注射の痛みと針の細さ
マンジャロの注射針は、直径約0.23mm（32ゲージ相当）という非常に細いものが使用されています。
採血で一般的に使われる針は直径0.7mm前後のため、マンジャロの針はその約3分の1の細さです。
針が細いほど皮膚を通過する際の抵抗が少なくなり、痛みを感じにくくなります。
実際に使用した方の感想として「チクッとする程度」「蚊に刺されたくらい」という声が多く聞かれます。
注射時間も数秒で終わるため、痛みを感じる時間自体が非常に短いのも特徴です。
針の細さと注射時間の短さが、マンジャロ注射の痛みの少なさにつながっているといえるでしょう。
マンジャロ注射の痛みを軽減するコツ
マンジャロ注射の痛みをさらに軽減するためには、いくつかのポイントを押さえておくと効果的です。
まず、注射部位はお腹や太ももなど皮下脂肪が多い場所を選ぶと、痛みを感じにくくなります。
冷蔵庫から取り出したばかりの冷たい状態で注射すると、温度差による刺激で不快感が増すことがあります。
注射前に室温で15〜30分ほど置いて、常温に戻してから使用することをおすすめします。
注射する際は深呼吸をしてリラックスし、体に力を入れすぎないことも大切です。
筋肉が緊張していると痛みを感じやすくなるため、肩の力を抜いてゆっくりと注射を行いましょう。
毎回同じ場所に打つと皮膚が硬くなり痛みが増すため、注射部位をローテーションして変えることも忘れないでください。
マンジャロ注射の正しい打ち方
マンジャロを安心して服用するためには、正しい注射手順を守ることが欠かせません。
自己注射と聞くと難しそうに感じるかもしれませんが、手順はシンプルで、慣れれば2-3分程度で完了します。
清潔な環境で必要なものを準備し、決められた手順に従って注射を行うことで、安心して継続できます。
マンジャロの使用方法がわからない場合は以下の動画をご確認ください。
https://youtu.be/jzlttk7JHlU?si=t2I12UZiDmYgVvg9
マンジャロ注射に必要なものと手順
マンジャロの注射を行う際に必要なものは、マンジャロ本体（アテオス）、アルコール綿、廃棄容器の3点です。
①石鹸で手をしっかり洗い、清潔な状態で作業を始めてください。
②マンジャロを冷蔵庫から取り出し、室温に戻しておきます（15〜30分程度）。
③注射部位を決めたら、アルコール綿で消毒し、乾くまで待ちます。
④アテオスのキャップを外し、注射部位に対して垂直に当てます。
⑤ロックを外して、ボタンを押すと１回目のカチッという音が鳴り針が自動的に挿入され、薬液の注入が始まります。
⑥２回目のカチッという音が鳴ったら注入完了の合図です。
そのまま注射器を肌から離してください。使用済みのアテオスは廃棄容器に入れてください。
マンジャロを注射する部位
マンジャロの注射に適した部位は、お腹、太もも、の2箇所です。以下は注射する部位について確認して欲しい項目になります。
- お腹に打つ場合は、おへそから5cm以上離れた場所を選んでください。
- おへその周囲は皮膚が薄く、痛みを感じやすいため避けることが推奨されています。
- 太ももに打つ場合は、膝から10cm以上上の外側部分が適しています。
- 内ももは血管や神経が集中しているため、前面や外側を選ぶようにしましょう。
- 毎回同じ場所に打つと皮膚が硬くなる「硬結」が起きやすくなるため、左右を変えたり、以前注射した部位から数ｃｍ離した場所で注射することが大切です。
以前打った場所から2〜3cm以上離れた位置を選ぶことで、皮膚トラブルを防げます。
マンジャロ注射でよくある失敗と対処法
マンジャロの自己注射に慣れないうちは、失敗してしまうこともあります。
皮膚に当てずに空打ちしてしまった場合は、薬液が外に流出してお薬が無駄になってしまいますので、くれぐれもお腹にあてるまではボタンを押さないようにしてください。
途中で針が抜けて、外にお薬が出てしまった場合も、薬液が十分に注入されていない可能性があります。自己判断で追加投与すると過剰投与のリスクがあるため、必ず医療機関に相談することが重要です。少量の出血や薬液がお腹に付着した場合は、清潔なガーゼで軽く押さえれば問題ありません。効果にも影響はありませんのでご安心ください。
マンジャロ注射の頻度と間隔
マンジャロは週1回の注射で効果が持続するお薬です。
毎日の服薬が必要な経口薬と比較すると、週1回の投与は管理がしやすく、継続しやすいメリットがあります。
投与間隔は7日ごとが基本となりますが、同じ曜日に固定することで打ち忘れを防ぎやすくなります[1]。
朝・昼・夜いつ打っても問題なく、食事のタイミングを気にする必要もありません。
自分のライフスタイルに合わせて、無理なく続けられる曜日と時間帯を設定することが大切です。投与スケジュールを習慣化することで、長期的に安心して継続できるでしょう。
マンジャロの基本的な使用スケジュール
マンジャロの投与は、週1回、同じ曜日に行うことが推奨されています。曜日を固定することで生活リズムに組み込みやすくなり、打ち忘れのリスクを減らせます。
投与する曜日は、自分が覚えやすく、時間に余裕がある日を選ぶとよいでしょう。
平日が忙しい方は土曜日や日曜日を設定し、週末にゆっくり注射を行う方法もあります。
スマートフォンのリマインダー機能を活用して、毎週決まった時間に通知が届くように設定しておくと便利です。
投与時間は朝でも夜でも構いませんが、毎週同じ時間帯に打つことで体調管理がしやすくなります。
マンジャロを打ち忘れた場合の対処法
マンジャロを打ち忘れた場合は、気づいたタイミングによって対応が異なります。
次回投与までの期間が3日間（72時間）以上ある場合は、気づいた時点ですぐに注射してください。
その後は、当初の予定曜日に戻して次回の投与を行います。次回投与までの期間が3日間（72時間）未満の場合は、その回はスキップし、次の予定日に投与します。
打ち忘れたからといって、2回分をまとめて投与することは避けてください。
過剰投与は副作用のリスクを高めるため、必ず1回分の用量を守ることが重要です。判断に迷った場合は、自己判断せず医師に相談することで安心して対処できます。
マンジャロ注射後の生活での注意点
マンジャロを注射した後は、基本的に普段通りの生活を送って問題ありません。特別な安静は必要なく、注射当日でも入浴や軽い運動は可能です。
ただし、注射部位への過度な刺激は避け、体調の変化には注意を払いましょう。
消化器症状などの副作用が現れることもありますが、多くの場合は一時的なものです。体が慣れるまでの期間は個人差がありますが、数週間で落ち着くケースが一般的です。
気になる症状があれば早めに医師に相談することで、安心して継続できるでしょう。
マンジャロ注射当日の過ごし方
マンジャロ注射当日は、入浴やシャワーを普段通り行って問題ありません。注射部位を強く擦ったり、タオルでゴシゴシ洗ったりすることは避けてください。
皮膚への刺激は、赤みや腫れ、内出血の原因になる可能性があります。
軽い散歩程度の運動は問題ありませんが、激しい運動は控えめにすることをおすすめします。
アルコールは体調変化に気づきにくくなるため、注射当日は控えめにするとよいでしょう。
水分補給はこまめに行い、脱水を防ぐことも大切です。基本的には普段通りの生活で構いません。マンジャロ注射後に起こりうる体調変化
マンジャロの注射後には、いくつかの体調変化が起こる可能性があります。最も多い副作用は、吐き気、嘔吐、下痢、便秘などの消化器症状です。
これらの症状は服用初期に現れやすく、体が慣れるにつれて軽減していくことが多いです注射部位に赤みや腫れ、かゆみが出ることもありますが、通常は数日で自然に治まります。
食欲が急激に低下することもあるため、無理に食べようとせず、食べられる量を少しずつ摂取しましょう。
水分補給を怠ると脱水症状を起こしやすくなるため、意識的に水分を摂ることが重要です。
症状が長引く場合や、強いお腹の痛みや嘔気、発熱がある場合は、すぐに医療機関を受診してください。
軽い症状であれば様子を見ながら継続できますが、判断に迷ったときは医師に相談すると安心です。
マンジャロの保管方法と処分のチェックリスト
マンジャロは適切な温度管理のもとで保管しないと、お薬の効果が損なわれる可能性があります。
正しい保管方法を守ることで、お薬の品質を維持し、安心して服用できます。
使用後は、牛乳パックや薬の空容器などフタのできる固い容器に入れていただき、ご家庭の一般可燃ごみとして廃棄してください。
マンジャロの正しい保管ルール
マンジャロは冷蔵庫（2〜8℃）で保管することが基本です。凍結させてしまうとお薬の品質が損なわれるため、冷凍庫には入れないでください。
冷蔵庫内でも冷気の吹き出し口付近は温度が低くなりやすいため、避けて保管しましょう。光による劣化を防ぐために、外箱に入れたまま保管することが推奨されています。
使用期限は外箱に記載されているため、必ず確認し、期限切れのものは使用しないでください。
旅行などで持ち運ぶ際は、保冷バッグと保冷剤を使用して適切な温度を維持します。
保冷剤がマンジャロに直接触れると凍結の原因になるため、タオルなどで包んでから入れてください。
常温（30℃以下）で保管した場合は、21日以内に使用する必要があります[2]。
マンジャロの使用済み注射器の処分方法
使用後は、牛乳パックや薬の空容器などフタのできる固い容器に入れていただき、ご家庭の一般可燃ごみとして廃棄してください。
マンジャロ注射に関するよくある質問
Q1. マンジャロ注射は本当に痛くないですか?
マンジャロの注射針は非常に細く、多くの方が「思ったより痛くない」と感じている方が多いようです。
採血で使用される針の約3分の1の細さのため、チクッとする程度の痛みで済むことがほとんどです。
冷蔵庫から出してすぐに打つと冷たさで不快感が増すため、室温に戻してから使用すると痛みを軽減できます。
リラックスして深呼吸しながら打つことで、さらに痛みを感じにくくなるでしょう。
Q2. マンジャロの打ち方を間違えたらどうなりますか?
打ち方を間違えた場合は、薬液が正しく注入されていない可能性があります。
途中で針が抜けてしまった場合は、自己判断で追加投与せず、必ず医師に連絡してください。
少量の出血があった場合は、清潔なガーゼで軽く押さえれば問題ありません。
間違えたからといってすぐに深刻な問題が起きるわけではないため、落ち着いて医療機関に相談しましょう。
Q3. マンジャロは同じ場所に毎回打ってもいいですか?
同じ場所に繰り返し打つと、皮膚が硬くなる「硬結」が起きやすくなります。
硬結ができると痛みを感じやすくなり、薬剤の吸収にも影響を与える可能性があります。
お腹ので左右をローテーションし、前回の注射部位から2〜3cm以上離れた場所を選んでください。
注射した部位を記録しておくと、ローテーションを管理しやすくなります。
Q4. マンジャロの旅行中の保管方法は?
前提、持ち運びに関してメーカーが推奨している方法はありません。
旅行中は保冷バッグと保冷剤を使用して、2〜8℃の温度を維持してください。
長期間の旅行などの場合、宿泊先では遮光、2～8℃で保存いただくご対応、室温で保存する場合は、遮光して30℃を超えない場所で保存が推奨されています。
Q5. マンジャロの使用済み注射器はどう捨てればいいですか?
使用後は、牛乳パックや薬の空容器などフタのできる固い容器に入れていただき、ご家庭の一般可燃ごみとして廃棄してください。
長期間の旅行などの場合、宿泊先では遮光、2～8℃で保存いただくご対応、室温で保存する場合は、遮光して30℃を超えない場所で保存が推奨されています。
マンジャロ注射のまとめ
マンジャロ注射は、正しい方法で使用すれば体重管理の効果的な選択肢となります。
針は非常に細く、多くの方が想像していたよりも痛みを感じずに注射できています。週1回の投与で効果が持続するため、毎日の服薬管理が難しい方にも続けやすいお薬です。
注射の手順はシンプルで、専用デバイスのアテオスを使えば初めての方でも無理なく自己注射ができます。
正しい保管方法と処分方法を守り、定期的に医師のフォローを受けることで、安心して継続できるでしょう。
不安や疑問を感じたときは一人で抱え込まず、医療機関に相談しながら進めていきましょう。
