マンジャロが痛いと感じる原因と対処法|痛みを軽減するコツも解説

「マンジャロの注射が痛くて続けられるか不安」と感じている方も多いのではないでしょうか?


注射による痛みは、針を刺す瞬間・薬液が入る時・注射後の皮膚反応・お腹の痛みなど、いくつかの原因に分けられます。


ただし、痛みの多くは打ち方の工夫や適切な準備で和らぐことがあり、慣れることで気にならなくなる方も少なくありません。


この記事では、マンジャロが痛いと感じる原因と、痛みを軽減するための具体的なコツを詳しく解説します。


さらに、注射後のお腹の痛みへの対処法や、痛みを理由に治療をやめたくなった時の選択肢についてもお伝えしていきます。


マンジャロで針を刺す瞬間が痛い原因と対策

針を刺す瞬間の痛みは、主に薬液の温度や消毒の乾燥不足、体の緊張によって起こることがあります。

痛みを感じる方の多くは、冷蔵庫から出したばかりの冷たい状態で打っているようです。

冷たい薬液が体内に入ると、皮膚や皮下組織が冷やされ、痛みを感じやすくなる傾向があります。

これらの原因を知っておくことで、次回からはより痛みを軽減して注射を行える可能性があるでしょう。

マンジャロを冷たいまま打つと痛いの?

冷蔵庫から出してすぐの冷たいマンジャロを注射すると、痛みを感じることがあります。

冷たい薬液が体内に入ると、皮膚や皮下組織が冷やされ、刺激として痛みにつながる場合があるためです。

マンジャロを使用する30分〜1時間前に冷蔵庫から出し、室温に置いておくことが推奨されています[3]

手で握って温めたり、お湯につけたりする方法はお薬の品質を損なう可能性があるため、必ず自然に常温に戻すようにしてください。

アルコール消毒が乾かないうちに打つと痛い

アルコール消毒液が乾かないうちに針を刺すと、しみるような強い痛みを感じることがあります。

アルコールが傷口に触れることで、刺激による痛みにつながる場合があるためです。

消毒後は30秒〜1分ほど自然乾燥を待ち、アルコールが完全に揮発してから注射を行うと良いでしょう。

急ぐ場合でも清潔なタオルやティッシュで軽く押さえる程度にとどめ、擦らないよう注意してください。

緊張して力が入りすぎている

緊張して体に力が入ると、筋肉が固くなり針が入りにくくなることがあります。

力んだ状態では針を刺す際の抵抗が増し、痛みを感じやすくなる傾向があるでしょう。

注射前に深呼吸を数回行い、肩や腕の力を抜いてリラックスした状態で打つことが大切です。

リラックスした状態で打つことで、痛みを感じにくくなる場合があります。

マンジャロの注射部位で痛みは変わる?

注射する場所によって、痛みの感じ方は変わることがあります。

マンジャロは腹部、大腿部、または上腕部に皮下注射することが推奨されています[1]

それぞれ脂肪の厚みや神経の分布が異なるため、同じ打ち方でも痛みに差が出る可能性があるでしょう。

いくつかの部位を試しながら、自分にとって痛みの少ない場所を見つけることが大切です。

お腹に打つ場合

お腹は皮下脂肪が多く、痛みを感じにくい場所と言われています。脂肪層が比較的厚いため、痛みを感じにくい傾向があるようです。

自分自身で打ちやすい位置にあるため、初めて自己注射を行う方にも推奨される部位でしょう。

おへその周囲5cm以内は避け、おへそから離れた左右のお腹に打つようにしてください。

太ももに打つ場合

太ももはお腹の次に推奨される注射部位です。太ももの前面か外側を選ぶことで、比較的痛みを感じにくく注射できる場合があります。

内側は避けた方が望ましいでしょう。

筋肉が発達している方や脂肪が少ない方は、お腹と比較してみることをおすすめします。

痛くない場所の見つけ方

指で軽くつまんでみて、柔らかくつまめる部分を選ぶことがポイントです。

注射部位は毎回変え、前回注射した場所から少なくとも3cm離す必要があります[1]

硬くなっている部分やしこりがある場所は避け、柔らかく弾力のある部位に打つことが大切でしょう。

何度か試しながら、自分にとって痛みの少ない場所を見つけていくことで、注射がより快適になる可能性があります。

注射の打ち方については、以下の動画の確認もおすすめです。

マンジャロを打った後に痛い場合の対処法

注射後に注射部位が痛む、赤くなる、腫れるといった症状は、注射部位反応と呼ばれる一般的な症状です。

多くの場合、数時間から数日で自然に治まる傾向があるため、慌てずに対処しましょう。

軽度の痛みや赤みであれば、保冷剤をタオルで包んで患部を冷やすことで症状が和らぐことがあります。

症状の種類によって対処法が異なるため、それぞれ確認しておくと安心です。ご不安な方は医師に相談しましょう。

注射部位の痛み・赤み・腫れ

注射した場所が赤くなったり、軽く腫れたり、触ると痛みの症状は、注射針が皮膚を貫通する際の物理的な刺激や、薬液が皮下組織に入ることで起こる体の自然な反応と考えられています。

個人差はありますが、多くの場合は数日程度で落ち着いていく傾向があります。

痛みがある場合は、保冷剤をタオルで包んで患部を冷やすことで、症状が和らぐことがあるでしょう。

しこりができた場合

注射部位に硬いしこりができることがあり、これは薬液が皮下組織に留まっているために起こる現象と考えられています。

薬液は徐々に体内に吸収されていきますが、吸収されるまでの間、注射した場所に固まりとして残る可能性があります。

個人差はありますが、徐々に小さくなっていく傾向があり、過度に心配する必要はありません。

しこりを揉んだりマッサージしたりすると、かえって炎症が悪化する可能性があるため避けてください。

内出血・青あざができた場合

注射した場所に青あざができるのは、針が毛細血管に当たり、皮下で出血したために起こる現象と考えられています。

これは注射の問題ではなく、誰にでも起こりうる自然な現象と言えるでしょう。個人差はありますが、1〜2週間程度で目立たなくなることが多いです。

内出血があってもお薬の効果には影響がないと考えられているため、安心して治療を継続しましょう。

マンジャロでお腹が痛くなる場合の原因と対処法

マンジャロを注射した後の腹痛は、お薬の作用によって胃腸の動きに影響が出るために起こる一時的なものと考えられています。

マンジャロはGIP/GLP-1受容体作動薬に分類されるお薬で、胃腸の働きに作用することで満腹感が持続しやすくなると言われています[2]

この作用により、胃腸に軽い不快感や痛みを感じる方もいらっしゃいます。症状の程度によって対処法が異なるため、確認しておくと安心です。

よくあるお腹の痛みと対処法

吐き気を伴う軽い腹痛、胃のむかつきや重い感じ、お腹が張る感覚は、マンジャロの作用による一時的な症状である可能性があります。

腹痛や胃の不快感がある時は、無理に食事を摂る必要はなく、食べたくなければ食べないという選択も問題ないです。

食べる場合は、おかゆ・うどん・バナナ・白身魚など、消化に負担のかからない柔らかいものを選んでください。

脂っこい食事・辛い食べ物・アルコールは胃腸への刺激が強いため、症状がある間は避けることをおすすめします。

すぐに医師に相談すべき痛み

我慢できないほどの激しい腹痛、みぞおちの激痛、背中に広がる痛みがある場合は、重篤な副作用の可能性も否定できません。

重度の消化器系副作用として、膵炎が報告されています[1]

痛みが背中にも広がる、前かがみの姿勢でないと耐えられない、吐き気や嘔吐を伴うといった症状がある場合は、早めの受診が望ましいでしょう。

夜間や休日であっても救急外来への受診を検討し、ためらわずに医療機関を受診してください。

マンジャロが痛いのは失敗?確認方法を解説

注射中に痛みを感じると「失敗したのでは」と不安になることがあります。

実際には、痛みがあっても、少し血が出ても、ほとんどの場合薬液はしっかり体内に入っており、注射は成功していることが多いでしょう。

痛みは注射の成功もしくは失敗を示すものではなく、打ち方や体調、緊張状態によって変わる感覚的なものです。

痛みがあっても効果には影響しないと考えられているため、安心して治療を継続しましょう。

マンジャロが痛いから続けられない時の選択肢

痛みを理由にマンジャロの治療を中止しようと考えている方もいるかもしれませんが、まず打ち方を見直してみることをおすすめします。

多くの場合、痛みは打ち方の工夫や慣れることで改善する可能性があり、すぐに諦める必要はないです。

痛みが続いて困っている場合は、一人で悩まず医師に相談してみてください。

突然の中止は体重増加のリスクがあるため、治療の中止や変更は必ず医師と相談して決めることが大切です。

まず試してほしいマンジャロの痛み軽減の工夫

常温に戻す、消毒をしっかり乾かす、深呼吸してリラックスする、お腹の柔らかい場所を選ぶといった基本的な工夫で、痛みが和らぐことがあります。

医師は多くの患者さんの注射指導を行っており、痛みを軽減するための様々なコツやアドバイスを持っています。

注射部位を変えてみることで、痛みが軽減する場合もあるでしょう。まずは基本的な工夫を試してから、継続を判断しても遅くはありません。

飲み薬(リベルサス)への変更も選択肢

注射の痛みがどうしても改善しない場合は、リベルサスなどの飲み薬への変更も選択肢の一つでしょう。

リベルサスはマンジャロと似た作用を持つGLP-1受容体作動薬で、毎日服用するタイプのお薬です。注射が苦手な方にとっては、継続しやすい方法かもしれません。

どの治療法が自分に合っているかは、医師と相談して決めることが大切です。

マンジャロの痛みに関するよくある質問

Q1. マンジャロは痛いですか?痛くないですか?

痛みの感じ方には非常に大きな個人差があり、同じ打ち方でも人によって感じ方は全く異なります。

常温に戻す、消毒をしっかり乾かす、深呼吸してリラックスする、お腹の柔らかい場所を選ぶといった工夫で、痛みが和らぐことがあります。

繰り返し打つうちに注射に慣れ、緊張が和らぐことで、痛みも感じにくくなる方が多いでしょう。

Q2. マンジャロを打った後にお腹が痛いのは副作用ですか?

軽いお腹の痛みや胃の不快感は、マンジャロの作用による一時的な症状である可能性があります。

発現頻度5%以上の副作用として、悪心、嘔吐、下痢、便秘、腹痛、消化不良、食欲減退が報告されています[2]

多くの場合、数日で体がお薬に慣れ、症状は軽減していく傾向があるでしょう。

我慢できないほどの激しい痛みや背中に広がる痛みがある場合は、すぐに医療機関を受診してください。

※効果・効能・副作用の現れ方は個人差がございます。医師の診察をうけ、診断された適切な治療方法をお守りください。

Q3. マンジャロが痛いのは慣れますか?

多くの方が、繰り返し打つうちに注射に慣れ、痛みを感じにくくなる傾向があります。

経験を重ねることで手順に慣れ、注射の扱いもスムーズになり、「自分にもできる」という自信がつくでしょう。

緊張が和らぐことで体の力も自然に抜け、痛みを感じにくくなる場合があるため、まずは続けてみることをおすすめします。

不安が強い場合は、医師や看護師に相談してみてください。

Q4. マンジャロの注射部位でおすすめはどこですか?

お腹(腹部)が最も推奨される注射部位と言われています。

皮下脂肪が多く、自分で打ちやすい位置にあるため、初めて自己注射を行う方にも適しているでしょう。

おへその周囲5cm以内は避け、おへそから離れた左右のお腹に打つようにしてください。お腹が難しい場合は、太ももの前面や外側も選択肢となります。

Q5. 注射した場所にしこりができましたが大丈夫ですか?

注射部位にしこりができることは珍しくなく、薬液が皮下組織に留まっているために起こる現象と考えられています。

個人差はありますが、徐々に小さくなっていく傾向があります。

しこりを揉んだりマッサージしたりすると、かえって悪化する可能性があるため避けてください。

しこりが長期間消えない場合や、痛みが強い場合は、医師に相談することをおすすめします。

マンジャロが痛い時のまとめ

マンジャロの注射による痛みは、適切な準備と正しい打ち方の工夫で、和らぐことがあります。

最も重要なコツは、使用する30分から1時間前に冷蔵庫から出し、常温に戻すことでしょう。

アルコール消毒をしっかり乾かすこと、深呼吸をしてリラックスすること、柔らかくつまめる場所を選ぶことも重要なポイントです。

痛みを感じたからといって失敗ではなく、薬液確認窓が透明になっていればお薬はしっかり体内に入っています。

我慢できないほどの激しい腹痛や背中に広がる痛みがある場合は、重篤な副作用の可能性も否定できないため、すぐに医療機関を受診してください。

痛みを理由に治療を諦める前に、まず基本的な工夫を試し、それでも改善しない場合は医師に相談することが大切です。

参考文献

  1. 日本イーライリリー株式会社「マンジャロ皮下注アテオス 添付文書」(2025年7月改訂・第8版)
  2. 日本イーライリリー株式会社「マンジャロ皮下注アテオス インタビューフォーム」(2025年7月改訂・第8版)
  3. 医薬品医療機器総合機構(PMDA)「マンジャロ皮下注アテオス 患者向医薬品ガイド」(2025年7月更新)