マンジャロで減量できる理由を徹底解説!なぜ食欲は抑えられるの?

「マンジャロを使うとなぜ痩せるのか」「食欲が抑えられる仕組みが知りたい」と感じている方も多いのではないでしょうか?


マンジャロはGLP-1とGIPという2つのホルモンに同時に作用するお薬で、食欲抑制・満腹感の持続・代謝への影響という3つの理由によって体重減少をサポートします。


ただし、効果の感じ方には個人差があり、生活習慣が乱れていると十分な効果が得られない場合もあるでしょう。


この記事では、マンジャロが痩せる理由を科学的な仕組みからわかりやすく解説し、食欲が抑えられるメカニズムについて詳しくお伝えします。


さらに、オゼンピックやリベルサスとの違いや、効果を感じにくい場合の原因についても解説していきます。

マンジャロが痩せる3つの主な理由

マンジャロで体重が減少する理由は主に3つです。

食欲そのものが自然に抑えられ、満腹感が長時間持続し、内臓脂肪の燃焼をサポートすることで、無理なく摂取カロリーを減らせるため減量につながるという効果があります。

これまでの「意志の力で我慢する」ダイエットとは異なり、食欲を調整する身体の仕組みそのものを調整することで体重減少をサポートする点が特徴です。

マンジャロで食欲が自然に抑えられる

マンジャロを使用すると、食べ物への興味や欲求そのものが薄れる傾向があります。

脳の摂食中枢に作用することで、「お腹が空かない」状態が作り出されると考えられています。

「いつもより少ない量で満腹を感じるようになった「間食したいと思わなくなった」という声も多く、無理に我慢しているわけではない点がポイントです。

ホルモンレベルでの変化によって自然と食事量が減るため、ストレスなく継続しやすいでしょう。

食欲を無理に抑え込むのではなく、食欲そのものが穏やかになる感覚を実感する方が多いようです。

マンジャロで満腹感が長く続く

マンジャロには胃から腸にご飯が消化されていく時間が長くなる作用があり、その作用により満腹感が持続しやすくなります。

従来の食事量の半分程度で「もう十分」と感じるようになる方もいらっしゃいます。

食べ過ぎる前に満腹のサインが出るため、結果的に摂取カロリーが減少します。

次の食事までの時間も自然と延び、間食の機会が減ることにつながります。

マンジャロで身体の代謝に影響を与える

マンジャロは食欲抑制だけでなく、身体のエネルギー代謝にも影響を与える可能性があります。

GLP-1とGIPの両方に作用することで、血糖値に応じたインスリンの分泌が促進されると考えられています。

マンジャロによってインスリンなどの分泌が調整されるとエネルギー代謝が改善し、脂肪を燃焼しやすく・蓄積しづらくすることが期待できます。

食欲抑制と代謝への影響が組み合わさることで、総合的な体重減少効果が期待できます。

マンジャロのGLP-1とGIPの働きとは

マンジャロの効果を理解するには、GLP-1とGIPという2つのホルモンの働きを知ることが役立ちます。

この2つは「インクレチン」と呼ばれるホルモン群に属し、食事をしたときに消化管から分泌されて食欲や血糖値を調整する役割を持っています。

マンジャロは世界で初めて、この2つのホルモン受容体の両方に同時に作用するお薬として開発されました。

1つのホルモンにしか作用しない従来のお薬と比べて、2つに同時に働きかけることで、より高い効果が期待できると注目されています。

マンジャロのGLP-1の役割

GLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)は、食事をすると小腸から分泌されるホルモンです。

このホルモンは脳の満腹中枢に作用して食欲を抑え、胃から腸への食べ物の移動を遅くする作用もあり、食後の血糖上昇をゆるやかにする傾向があります[4]

また、膵臓からのインスリン分泌を促進して血糖値を下げる作用も持っているため、糖尿病治療薬として使用されてきました。

GLP-1に作用するお薬は以前から存在していましたが、マンジャロはこれにGIPへの作用も加えた点が特徴です。

食欲抑制と満腹感の持続という2つの効果が、GLP-1の主な役割といえるでしょう。

マンジャロのGIPの役割

GIP(グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド)は、GLP-1と同じくインクレチンに分類されるホルモンです。

主に十二指腸から分泌され、血糖値が高いときにインスリンの分泌を促す働きをします。

GLP-1と協力して働くことで、より効果的に血糖値や体重をコントロールできると考えられているのです。

GIPへの作用が加わることで、GLP-1単独よりも幅広いアプローチが可能になる可能性があります。

マンジャロが2つのホルモンに作用するメリット

単一のホルモンに作用するお薬よりも、複数の経路から同時にアプローチする方が効果が高まる可能性があります。

GLP-1だけでは主に食欲抑制と満腹感が中心ですが、GIPが加わることで代謝面からもサポートされると考えられています。

2つのホルモンが協力して働くことで、よりバランスの取れた体重減少が実現しやすくなるでしょう。

マンジャロが「デュアル受容体作動薬」と呼ばれるのは、この2つのホルモンに同時に作用するためです。

従来のお薬だけでは実現がむずかしかった効果が期待できる点が、マンジャロの大きな特徴といえます。

マンジャロで食欲が抑えられる仕組み

マンジャロによる食欲抑制は、脳の摂食を司る中枢(視床下部)に作用することで実現されると考えられています。

「食べたい」という欲求そのものが減少するため、無理に我慢する必要がなく、自然と食事量が減っていく傾向があります。

これは意志の力に頼る従来のダイエットとは根本的に異なるアプローチです。

ホルモンレベルでの変化によって、身体が「食べなくても平気」な状態に適応していくため、継続しやすい点が大きな特徴と言えるでしょう。

マンジャロの脳の摂食中枢への作用

マンジャロに含まれるGLP-1とGIPは、脳の視床下部という部分にある摂食中枢に作用すると言われています。

摂食中枢が刺激されることで、実際の胃の状態に関わらず「お腹いっぱい」というシグナルが発生しやすくなります。

この作用により、少量の食事でも十分な満足感が得られ、食べ過ぎを防ぐことにつながるでしょう。

ストレスなく食事量を減らせる点が、多くの方に支持されている理由のひとつです。

マンジャロとこれまでのダイエットとの違い

これまでのダイエットは「食べたいけど我慢する」という意志の力に依存していました。

しかしマンジャロは、意志の力ではなくホルモンレベルで食欲を調整するため、我慢によるストレスが軽減される傾向があります。

「食べたい」という欲求自体が減少するため、挫折しにくく、長期的な継続が可能になりやすいでしょう。

ダイエットの失敗原因の多くは「我慢の限界」ですが、マンジャロはその根本的な問題にアプローチするお薬といえます。

無理なく続けられることが、結果的に体重減少につながる大きな要因となっています。

マンジャロの満腹感が続く仕組み

マンジャロによる満腹感の持続は、胃の動きにも作用するメカニズムによって実現されると考えられています。

食べた物が胃に長く留まることで、少量でも十分な満足感が得られ、次の食事までの時間が自然と延びる傾向があります。

一日の総摂取カロリーが無理なく減少し、健康的な体重減少につながる仕組みです。

胃の動きがゆっくりになる

マンジャロは「胃排出遅延」[5]という作用を持ち、胃から小腸への食べ物の移動速度を遅くすると言われています。

通常であれば数時間で胃が空になるところ、マンジャロ使用中はこの時間が延長される傾向があります。

この仕組みにより、食事と食事の間隔が自然と空き、間食の欲求も減少することがあります。

胃の動きがゆっくりになることは、体重管理においてプラスに働く作用といえます。

食事が少量で満足できる理由

マンジャロを使用すると、従来の食事量の半分程度で「もう十分」と感じるようになる方もいらっしゃいます。

胃の容量は変わらないものの、少量の食べ物でも胃に長く留まるため、満腹感が早く訪れる傾向があります。

完食していた方が半分残すようになったり、ランチのサイズを小さくしたりするケースも見られます。

食べ過ぎる前に満腹を感じるため、結果的に一日の摂取カロリーが減少しやすくなるでしょう。

無理に食事量を制限するのではなく、自然と「もう十分」と感じられる点が特徴です。

食事と食事の間隔が自然に延びる

満腹感が持続することで、食事と食事の間に「お腹が空いた」と感じる時間が遅くなる傾向があります。

朝食後から昼食まで、あるいは昼食後から夕食までの間に間食をしたくなることが減る方も多いようです。

3食に加え間食もたべていた方が少なめの3食で十分になったり、夜遅くの夜食が不要になったりすることもあるでしょう。

食事回数や間食が減ることで、意識しなくても一日の総摂取カロリーが低下しやすくなります。

我慢して間食を控えるのではなく、自然と「食べなくても平気」な状態になる点がポイントです。

マンジャロとオゼンピック・リベルサスとの違い

マンジャロとオゼンピック、リベルサスは、いずれも体重減少効果が期待できるお薬ですが、作用の仕組みに違いがあります。

マンジャロは「GLP-1とGIPの両方」に作用しますが、オゼンピックとリベルサスは「GLP-1のみ」に作用するお薬です。

週1回の投与方法は同じですが、それぞれにメリットがあるため、自分に合ったお薬を選ぶことが大切でしょう。

どのお薬が最適かは個人の体質や生活スタイルによって異なるため、医師と相談しながら決めることをおすすめします。

マンジャロとオゼンピックとの違い

オゼンピックは、セマグルチドという成分を含むGLP-1受容体作動薬です。

マンジャロと同じく週1回の注射で使用しますが、作用するホルモン受容体の数に違いがあります。

オゼンピックはGLP-1受容体のみに作用する「シングル受容体作動薬」ですが、マンジャロはGLP-1とGIPの両方に作用する「デュアル受容体作動薬」です。

マンジャロは2つのホルモンに同時に働きかけることで、食欲を抑える効果がより高まると考えられています。

マンジャロとリベルサスとの違い

リベルサスは、セマグルチドを含む世界初の経口GLP-1受容体作動薬です。

マンジャロが週1回の注射であるのに対し、リベルサスは毎日服用する飲み薬という点が大きな違いです。

注射が苦手な方にとっては、飲み薬であるリベルサスが選択肢になる場合があります。

ただし、リベルサスもGLP-1のみに作用するお薬であり、マンジャロのようにGIPへの作用は持っていません。

起床時、空腹の状態で服用し、その後30分は飲食を避ける必要があるなど、服用方法に注意点がある点も覚えておきましょう。

3種類の薬のうちどれを選ぶべきか

どのお薬を選ぶかは、目標体重、生活スタイル、注射への抵抗感などを総合的に判断して決めることが大切です。

注射が苦手な方や、毎日の服用が習慣化しやすい方にはリベルサスが向いている場合があります。

週1回の注射で済ませたい方や、より幅広い作用を期待する方にはマンジャロやオゼンピックが選択肢になるでしょう。

費用面でも違いがあるため、継続しやすさも含めて検討することをおすすめします。医師と相談しながら、自分の状況に最適なお薬を見つけていきましょう。

マンジャロで痩せない場合に考えられること

マンジャロを使用しても「思ったように痩せない」と感じる方もいらっしゃいます。

効果が出ない原因としては、使用期間の短さ、用量の不足、生活習慣の問題など、いくつかの要因が考えられます。

焦らず原因を見極め、医師と相談しながら対策を講じることが大切です。

停滞期など一時的な現象である可能性もあるため、すぐに諦めずに継続することも重要でしょう。

マンジャロの使用期間が短い

マンジャロの効果が現れるまでには、個人差がありますが一定の期間が必要です。開始後1〜2週間で「効果がない」と判断するのは早すぎる場合があります。

身体がホルモンの変化に適応し、食欲や代謝が調整されるまでには時間がかかることがあるためです。

焦らず継続することで、徐々に効果を実感できるようになる方も多いでしょう。最低でも4週間以上は様子を見てから、効果を判断することをおすすめします。

マンジャロの用量が合っていない

マンジャロは2.5mgから開始し、段階的に増量していくお薬です。開始用量では効果が弱く、十分な食欲抑制が得られない場合があります。

医師と相談しながら、効果と副作用のバランスを見て増量を検討することが大切でしょう。

個人によって最適な用量は異なるため、自分に合った用量を見つけることが効果を実感する鍵となります。

用量調整は必ず医師の指示に従い、自己判断で変更しないようにしましょう。

生活習慣の問題

マンジャロは効果が期待できるお薬ですが、生活習慣が乱れていると効果が限定的になる場合があります。

食事の質が偏っている場合、食事量が減っても栄養バランスが崩れて代謝が低下する可能性があります。

運動不足で筋肉量が少ない方は、基礎代謝が低いため体重が減りにくい傾向があるでしょう。

睡眠不足やストレス過多も、ホルモンバランスを乱して体重減少を妨げる要因になることがあります。

お薬だけに頼らず、生活習慣の改善を並行して行うことで、より効果を実感しやすくなります。

よくある質問

Q1. マンジャロで痩せるのは「食べないから」だけですか?

食欲抑制が主な理由ですが、それだけではありません。

満腹感の持続、代謝への影響、血糖値の安定など、複数の要因が組み合わさっていると考えられています。

単に食事量が減るだけでなく、身体全体で体重減少がサポートされる仕組みです。食欲が自然に抑えられることで、無理なく摂取カロリーが減少する点が特徴です。

Q2. 糖尿病じゃないのに使って大丈夫ですか?

※同一成分の注射製剤が日本の厚生労働省とアメリカ食品医薬品局(FDA)で肥満症治療薬として承認されています(承認年月日:日本2024/12/27、アメリカ2021/06/04)

なお、マンジャロは日本においては、2型糖尿病の治療薬として承認を受けており、自由診療での処方の場合は承認医薬品の適応外処方となります。万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。

気になる点がある場合は、必ず医師に相談してから使用を検討しましょう。

Q3. やめたら必ずリバウンドしますか?

必ずリバウンドするわけではありません。

使用中に健康的な食習慣を身につけ、段階的に中止することでリバウンドを防げる可能性があります。

お薬に頼るだけでなく、生活習慣の改善を並行することが重要です。

中止のタイミングや方法については、医師と相談しながら決めることをおすすめします。

Q4. 効果が出るまでどのくらいかかりますか?

個人差がありますが、多くの方は4〜8週間程度で効果を実感し始める傾向があります。

数週間で変化を感じる方もいれば、数ヶ月かけて徐々に体重が減る方もいらっしゃいます。

焦らず、自分のペースで継続することが大切です。効果の感じ方は人それぞれなので、他人と比較せずに続けていきましょう。

マンジャロの体重減少の一つの目安は以下の通りです。

2ヶ月で約-4kgを目指す

3ヶ月で約-6kgを目指す

6ヶ月で約-11kgを目指す

※参考文献をもとに身長170cmでBMI27程度の方がチルゼパチド(マンジャロの有効成分)を使用した場合の概算。[6]

Q5. 運動しなくても痩せますか?

運動なしでも体重減少を実感する方はいらっしゃいます。

ただし、運動を組み合わせた方が、筋肉量を維持しながら健康的に痩せやすい傾向があります。

適度な運動は基礎代謝の低下を防ぐためにも役立つでしょう。

無理のない範囲で、ウォーキングなどの軽い運動を取り入れることをおすすめします。

まとめ

マンジャロが痩せる理由は、GLP-1とGIPという2つのホルモンに同時に作用する仕組みにあります。

食欲が自然に抑えられ、満腹感が長く続き、さらに身体の代謝にも影響を与えることで、無理なく体重減少をサポートします。

従来の「我慢するダイエット」とは異なり、ホルモンレベルで食欲を調整するため、ストレスなく継続しやすい点が特徴です。

オゼンピックやリベルサスと比較すると、マンジャロは2つのホルモンに作用する点で違いがあり、より多角的なアプローチが期待できます。

効果の感じ方には個人差があり、使用期間や用量、生活習慣によっても結果が異なる場合があるでしょう。

お薬だけに頼るのではなく、食事内容の見直しや適度な運動を並行することで、より効果を実感しやすくなります。

マンジャロの使用を検討している方は、医師と相談しながら、自分に合った方法を見つけていきましょう。

参考文献

  1. 日本イーライリリー株式会社「マンジャロ皮下注アテオス 添付文書」(2025年7月改訂・第8版)
  2. 日本イーライリリー株式会社「マンジャロ皮下注アテオス インタビューフォーム」(2025年7月改訂・第8版)
  3. 医薬品医療機器総合機構(PMDA)「マンジャロ皮下注アテオス 患者向医薬品ガイド」(2025年7月更新)
  4. 日本イーライリリー株式会社「知りたい!糖尿病 - GLP-1とは?」
  5. 日本イーライリリー株式会社「2型糖尿病患者にマンジャロ(チルゼパチド)を投与した際の胃内容排出への影響は?」リリーメディカル
  6. Tirzepatide Once Weekly for the Treatment of Obesity”. The New England Journal of Medicine, vol. 387