マンジャロで吐き気が起きる原因は？
マンジャロを使い始めてから吐き気を感じる理由はお薬の作用によるものです。お薬が正常に働いている証拠とも言えます。
ここでは、なぜマンジャロで吐き気が起きるのか、その原因を3つに分けて解説します。
胃内容排出遅延作用による影響
マンジャロには「胃内容排出遅延作用」と呼ばれる働きがあります［1］。
これは胃の中にある食べ物が腸へ送られる速度を遅くする作用のことです。
食べ物が胃に長くとどまることで満腹感が持続し、食欲を抑える効果につながります。
しかし、胃に食べ物が長時間残ることで、胃もたれや吐き気を感じやすくなるのです。
特に食後に吐き気が強くなる方は、この胃内容排出遅延作用が影響している可能性が高いでしょう。
消化管全体の働きが緩やかになる
マンジャロは胃だけでなく、消化管全体の動きにも影響を与えます。
GIP/GLP-1受容体作動薬であるマンジャロは、消化管ホルモンに作用することで腸の動きも緩やかにします。
その結果、お腹の張りや膨満感、消化不良といった症状が現れることがあります。
消化管の動きが遅くなることで、胃腸全体に不快感が生じ、それが吐き気として感じられる場合もあります。
こうした症状は体がお薬に慣れてくると徐々に軽減していくことが多いです。
血糖値の変動も吐き気に関係する
マンジャロは血糖値をコントロールする作用を持つお薬です。
使用開始後は血糖値の変動が起こりやすく、特に食事を抜いたときや炭水化物を多く摂ったあとに低血糖気味になることがあります。
血糖値が急激に下がると、吐き気やめまい、冷や汗といった症状が現れる場合があります［2］。
食事のタイミングや内容に気をつけることで、血糖値の急激な変動を防ぎ、吐き気を軽減できる可能性があります。
規則正しい食生活を心がけることが大切です。
マンジャロの吐き気はいつまで続くのか期間の目安を解説
マンジャロによる吐き気には一定のパターンがあり、多くの場合は時間の経過とともに軽減していきます。
ここでは、吐き気が現れるタイミングからピーク、落ち着くまでの目安を解説します。
吐き気が現れるタイミングは使用開始から数日以内
マンジャロによる吐き気は、使用を開始してから数日以内に現れることが多いです。
初回の注射後、1〜2日以内に血中濃度が上昇するタイミングで症状が出やすいとされています。
特に初めてマンジャロを使う方は、体がお薬に慣れていないため吐き気を感じやすい傾向があります。
また、用量を増やしたタイミングでも同様に吐き気が現れることがあります。最初の数日間は無理をせず、体調の変化に注意しながら過ごしましょう。
吐き気のピークは2〜4週間で最も強くなる
マンジャロの吐き気は、使用開始から2〜4週間でピークを迎えることが多いとされています［1］。
この時期は体がお薬の作用に適応しようとしている段階であり、消化器症状が最も出やすい期間です。
ピークを過ぎると症状は徐々に軽減していくため、この期間を乗り越えることが大切です。
つらい場合は我慢せず、医師に相談して用量調整などの対応を検討しましょう。
マンジャロの吐き気を軽減する今すぐできる4つの対策
マンジャロの吐き気は、日常生活の工夫で軽減できる可能性がありますので、今すぐにでもできる対策4つを紹介します。
お薬を中止しなくても、食事の摂り方や生活習慣を見直すことで症状が和らぐケースは少なくありません。
食事を少量ずつ・回数を分けて摂る
一度にたくさん食べると胃に負担がかかり、吐き気が強くなりやすいです。
1回の食事量を減らし、1日3食ではなく4〜5回に分けて少量ずつ食べる方法がおすすめです。
胃に食べ物が長くとどまるマンジャロの作用を考えると、少量ずつ摂ることで胃への負担を軽減できます。
また、満腹になる前に食事を終えることも大切です。
「もったいない」と無理に食べ切らず、お腹が満たされたら食事をやめる習慣をつけましょう。
脂っこい食事や刺激物を控える
脂肪分の多い食事は消化に時間がかかり、胃もたれや吐き気の原因になりやすいです。
揚げ物や脂身の多い肉、クリーム系の料理などは控えめにしましょう。
また、香辛料の多い料理やカフェイン、アルコールなども胃腸に負担をかけるため注意が必要です。
吐き気が気になる時期は、消化に良い食材を選ぶことをおすすめします。
お粥やうどん、白身魚、蒸し野菜、鶏むね肉などが胃に優しい食べ物の例です。
水分をこまめに補給する
吐き気や嘔吐、下痢などの症状があると、体内の水分が失われやすくなります。
脱水を防ぐために、水分をこまめに摂ることが大切です。
ただし、一度に大量の水分を摂ると胃に負担がかかるため、少量ずつこまめに飲むようにしましょう。
水やお茶のほか、スポーツドリンクや経口補水液も有効です。
カフェインやアルコールは利尿作用があり脱水を促進するため、避けることをおすすめします。
注射のタイミングを工夫する
マンジャロを注射するタイミングを工夫することで、吐き気の影響を軽減できる可能性があります。
週末の夕方から就寝前に注射する方法がおすすめです。
吐き気のピークが睡眠中や休日に来るため、仕事や日常生活への影響を最小限に抑えられます。
特に金曜日の夜に注射すると、週末に症状が落ち着き、月曜日には回復していることが多いです。
ご自身の生活リズムに合わせて、最適な投与タイミングを見つけてみてください。
マンジャロの吐き気がひどいときの対処法
症状がひどいときは、お薬の併用や用量調整などの対応を検討することが大切です。
ここでは、吐き気がつらいときの具体的な対処法を解説します。
用量の調整を医師に相談する
吐き気がひどくて日常生活に支障が出る場合は、用量の調整を医師に相談しましょう。
マンジャロは通常、2.5mgから開始して4週間ごとに段階的に増量していきます。
副作用が強い場合は、現在の用量をしばらく維持したり、増量のペースを遅らせたりする対応が可能です。
無理に増量を続けると症状が悪化する可能性があるため、我慢せずに早めに相談することが大切です。
医師と相談しながら、ご自身に合ったペースで治療を進めていきましょう。
消化に良い食べ物を選ぶ
吐き気がひどいときは、胃に優しい消化の良い食べ物を選ぶことが重要です。
おすすめの食べ物としては、お粥、うどん、豆腐、白身魚、鶏ささみ、バナナ、りんごなどがあります。
調理法も「揚げる」「炒める」ではなく、「蒸す」「煮る」「茹でる」に変えると胃への負担を減らせます。
食欲がないときでも、少しずつ何かを口にすることで体力の低下を防げます。
無理のない範囲で栄養を摂りながら、症状が落ち着くのを待ちましょう。
こんな吐き気は要注意で医師に相談すべき3つのタイミング
マンジャロによる吐き気の多くは一時的なものですが、中には医師への相談が必要なケースもあります。
以下のような症状がある場合は、我慢せずに早めに医療機関を受診してください。
危険な兆候を見逃さないために、注意すべきタイミングを確認しておきましょう。
水分や食事がほとんど摂れない場合
吐き気や嘔吐がひどく、水分や食事をほとんど摂れない状態が続く場合は要注意です。
このような状態が続くと、脱水症状や栄養不足を引き起こす可能性があります。
脱水の症状としては、強い喉の渇き、尿量の減少、めまい、倦怠感などがあります。
また、脱水が進むと急性腎障害につながるリスクもあるため、早めの対応が必要です［2］。
水分を少量ずつ摂っても吐いてしまう場合は、速やかに医師に相談してください。
激しい腹痛や背中の痛みを伴う場合
吐き気に加えて、みぞおちや上腹部の激しい痛み、背中に響くような痛みがある場合は注意が必要です。
これらの症状は、急性膵炎の可能性も疑われる状態です［1］。
急性膵炎はまれな副作用ですが、放置すると重篤化する可能性があるため、すぐに医療機関を受診してください。
痛みが持続する場合や、発熱を伴う場合も同様に注意が必要です。
このような症状が現れたら、マンジャロの使用を中止し、速やかに医師の診察を受けましょう。
数週間経っても改善しない場合
通常、マンジャロによる吐き気は数週間で徐々に軽減していきます。
しかし、4週間以上経っても症状が改善しない、または悪化している場合は医師に相談が必要です。
体質によってはお薬が合わない可能性もあり、服用の中止を検討した方が良い場合もあります。
我慢し続けることで生活の質が低下したり、治療を継続できなくなったりするリスクがあります。
症状が長引く場合は早めに相談し、用量調整や治療方針の見直しを検討しましょう。
マンジャロの吐き気に関するよくある質問
Q. マンジャロの吐き気は我慢するしかないですか？
我慢する必要はありません。
食事の工夫や注射タイミングの調整など、日常生活でできる対策で軽減できる可能性があります。
それでもつらい場合は、医師に相談して用量調整を検討してもらいましょう。
Q. 吐き気が続く場合、使用を中止した方がいいですか？
自己判断で中止せず、まず医師に相談してください。
多くの場合、吐き気は一時的なもので、体がお薬に慣れるにつれて軽減します。
ただし、水分が摂れないほどひどい場合や、激しい腹痛を伴う場合は使用を中止し、速やかに受診してください。
Q. マンジャロを増量すると吐き気は強くなりますか？
用量を増やしたタイミングで、一時的に吐き気が強くなることがあります。
これは体が新しい用量に慣れていないために起こる症状です。
多くの場合、同じ用量を4週間程度続けると症状は落ち着いてきます。
増量後の症状がつらい場合は、医師に相談して増量のペースを調整してもらいましょう。
Q. リベルサスやオゼンピックと比べて吐き気は強いですか？
マンジャロ、リベルサス、オゼンピックはいずれも消化器症状が起こりやすいお薬です。
吐き気の発現頻度に大きな差はないとされています。
ただし、お薬との相性には個人差があり、マンジャロで吐き気が強く出る方もいれば、他のお薬の方がつらいという方もいます。
どのお薬が合うかは人それぞれですので、症状がつらい場合は医師に相談してみてください。
マンジャロの吐き気に関するまとめ
マンジャロによる吐き気は、胃内容排出遅延作用や消化管への影響によって起こる症状です。
多くの場合、使用開始から2〜4週間でピークを迎え、その後は徐々に軽減していきます。
食事を少量ずつ分けて摂る、脂っこいものを控える、水分をこまめに補給するなどの工夫で症状を和らげる可能性があります。
注射のタイミングを週末の夜にするなど、生活リズムに合わせた工夫も効果的です。
吐き気がひどい場合は、医師に相談して用量調整を検討してもらいましょう。
水分が摂れない、激しい腹痛がある、数週間経っても改善しないといった場合は、早めに医療機関を受診してください。
適切な対策を取りながら、安心してマンジャロでの治療を続けていきましょう。
