マンジャロの副作用に眠気はある?
マンジャロで多く報告されている副作用は、吐き気・嘔吐・下痢・便秘などの消化器症状です[1]。
※効果・効能・副作用の現れ方は個人差がございます。
これらはGIP/GLP-1受容体作動薬に共通して見られる症状であり、胃腸の動きが緩やかになることで起こります。
一方、眠気については主な副作用として挙げられていません。ただし、お薬の効果や副作用の現れ方には個人差があります。
眠気を感じる方がいないわけではないため、症状が気になる場合は医師に相談することをおすすめします。
市販直後調査で「傾眠」の報告例がある
マンジャロの製造販売元である日本イーライリリー株式会社が行った市販直後調査では、「傾眠」が20件報告されています[2]。
報告件数は多くありませんが、マンジャロの使用中に眠気を感じる可能性はゼロではないと言えるでしょう。
個人差によって眠気を感じることはある
マンジャロによる眠気は、お薬の直接的な作用というよりも、体調の変化に伴って現れることが多いと考えられています。
食欲が抑制されて食事量が減ると、エネルギー不足から眠気やだるさを感じやすくなります。
また、血糖値の変動も眠気に影響を与える要因のひとつです。
体質や生活習慣によって症状の現れ方は異なるため、自分の体調の変化に注意を払うことが大切です。
眠気が続く場合は原因を特定するためにも、医師に相談して適切なアドバイスを受けましょう。
マンジャロで眠気が起きる3つの原因
マンジャロを使用中に眠気を感じる場合、大きく分けて3つの原因が考えられます。
お薬の直接的な副作用ではなくても、体の変化によって眠気が引き起こされる可能性が高いです。
ここでは、眠気が起きる主な3つの原因について解説します。
低血糖による眠気
マンジャロには血糖値を下げる作用があり、低血糖の症状として眠気が現れることがあります[3]。
低血糖になると、脳に十分なエネルギーが供給されなくなり、眠気や集中力の低下を感じやすくなります。
特に他の糖尿病治療薬と併用している場合は、低血糖が起こりやすくなる可能性があります。
マンジャロ単独での使用では重篤な低血糖のリスクは低いとされていますが、食事を抜いたときや激しい運動をしたあとは血糖値が下がりやすくなります。
眠気とともに冷や汗や手の震えなどを感じた場合は、低血糖の可能性を考えてブドウ糖や糖分を含む飲み物を摂取しましょう。
食事量の減少による栄養不足・エネルギー不足
マンジャロには食欲を抑制する作用があり、食事量が自然と減る可能性が高いです。
食事量が極端に減ると、体に必要なエネルギーや栄養素が不足し、眠気やだるさを感じやすくなります。
特に炭水化物の摂取量が減ると、脳のエネルギー源であるブドウ糖が不足して低血糖になることで眠気につながることがあります。
また、タンパク質やビタミン、ミネラルなどの栄養素が不足すると、体の機能が低下して疲れやすくなります。
食欲がなくても最低限の栄養は摂るように心がけ、バランスの良い食事を意識することが大切です。
倦怠感・疲労感が眠気として現れる
マンジャロの使用開始直後や用量の増量直後は、体がお薬に慣れていないため倦怠感や疲労感を感じることがあります。
消化器症状(吐き気・下痢など)が続くと体力を消耗し、疲労感が強まることもあります。
また、食事量の減少や脱水も倦怠感の原因にもなるため注意が必要です。
体がお薬に慣れてくると症状は徐々に軽減していくことが多いため、無理をせず休息を取りながら様子を見ましょう。
マンジャロの眠気はいつまで続く?
眠気の持続期間は原因によって異なりますが、多くの場合は一時的なものです。
ここでは、眠気が続く期間の目安と、長引く場合の対応について解説します。
使用開始直後やマンジャロの用量の増量直後に起こりやすい
マンジャロによる眠気や倦怠感は、使用を開始した直後や用量を増やした直後に起こりやすい傾向があります。
体がお薬の作用に慣れていない時期は、血糖値の変動や食欲の変化が大きく、眠気を感じやすくなります。
マンジャロは2.5mgから開始し、副作用の有無を確認し、5mgに増量します。さらに状況に応じてお薬の用量を増やしていく場合があるお薬です。
お薬の用量を増やすたびに体への影響が変わるため、そのたびに眠気や倦怠感が現れる可能性があります。
マンジャロの用量を増やした最初の数週間は、特に体調の変化に注意しながら過ごしましょう。
数週間経っても続く場合は別の原因の可能性もあるので注意
眠気が数週間以上続く場合は、別の原因が隠れている可能性があります。
栄養不足や脱水、睡眠の質の低下など、マンジャロ以外の要因が影響していることも考えられます。
また、低血糖が繰り返し起きている場合は、食事の内容やタイミングを見直す必要があるかもしれません。
眠気が長引いて日常生活に支障が出る場合は、医師に相談して原因を特定することが大切です。
用量の調整や生活習慣の改善で症状が和らぐこともあります。
マンジャロで眠気を感じたときの対処法
マンジャロを使用中に眠気を感じた場合、お薬を中止しなくても、食事や生活習慣を見直すことで症状が和らぐ可能性があります。
ここでは、今すぐ実践できる4つの対処法をご紹介します。
規則正しい食事で血糖値を安定させる
血糖値の急激な変動は眠気の原因となるため、規則正しい食事を心がけることが大切です。
1日3食を決まった時間に摂ることで、血糖値の乱高下を防ぎやすくなります。食欲がない場合でも、少量ずつ何かを口にするようにしましょう。
食事を抜くと低血糖になりやすく、眠気やだるさを感じる原因となります。
特に朝食を抜かないことで、1日を通して血糖値を安定させやすくなります。
栄養バランスを意識した食事を心がける
マンジャロの作用で食事量が減ると、栄養不足に陥りやすくなります。
少ない食事量でも必要な栄養素を摂れるよう、バランスの良い食事を意識しましょう。
タンパク質は体力維持に欠かせない栄養素であり、肉・魚・卵・大豆製品などから積極的に摂取してください。
ビタミンやミネラルも不足すると疲労感が増すため、野菜や果物も取り入れることが大切です。
栄養補助食品やプロテインを活用するのも、効率的に栄養を摂る方法のひとつです。
十分な睡眠と休息を取る
日中の眠気を軽減するためには、夜間に十分な睡眠を取ることが基本です。
睡眠不足が続くと疲労が蓄積し、日中の眠気がさらに強くなります。
毎日同じ時間に就寝・起床する習慣をつけることで、体内リズムが整いやすくなります。
また、マンジャロの使用開始直後や増量直後は体に負担がかかりやすいため、無理をせず休息を取ることも大切です。
疲れを感じたら短時間の昼寝を取り入れるのも効果的でしょう。
注射のタイミングを工夫する
マンジャロを注射するタイミングを工夫することで、眠気の影響を軽減できる場合があります。
週末の夕方から就寝前に注射する方法がおすすめです。
眠気や倦怠感のピークが睡眠中や休日に来るため、仕事や日常生活への影響を最小限に抑えられます。
特に金曜日の夜に注射すると、週末に症状が落ち着き、月曜日には回復している可能性があります。
自分自身の生活リズムに合わせて、最適な投与タイミングを見つけてみてください。
こんな眠気は要注意の低血糖のサイン
低血糖は放置すると意識障害などの重篤な症状につながる可能性があるため、早めに対処することが重要です。
ここでは、低血糖の症状と対処法についても解説していきます。
低血糖の主な症状
低血糖の代表的な症状は、冷や汗、手足の震え、動悸、強い空腹感、頭痛、めまい、目のかすみなどがあります。[4]
これらの症状は血糖値が下がることで、脳や体に十分なエネルギーが供給されなくなるために起こります。
重症化すると、異常な行動、けいれん、意識消失などが起こる可能性もあります。
眠気とともにこれらの症状を感じた場合は、低血糖を疑って早めに医療機関に相談するようにしましょう。
低血糖が起きたときの対処法
低血糖の症状を感じたら、すぐにブドウ糖や糖分を含む飲食物を摂取してください[2]。
具体的には、ブドウ糖10g、またはブドウ糖を含むジュースや清涼飲料水150〜200mL、角砂糖約20gなどが有効です。
砂糖よりもブドウ糖の方が吸収が早いため、可能であればブドウ糖を用意しておくと安心です。
糖分を摂取したあとは安静にし、15分ほど経っても症状が改善しない場合は追加で摂取するか医療機関を受診してください。
低血糖を繰り返す場合は、食事の内容やお薬の用量について医師に相談することが大切です。
マンジャロの眠気に関するよくある質問
Q. マンジャロで眠気が出たら使用を中止すべきですか?
軽い眠気であれば、自己判断で使用を中止する必要はありません。
体がお薬に慣れるにつれて症状が軽減することが多いため、まずは様子を見てください。
ただし、日常生活に支障が出るほどの強い眠気や、低血糖の症状を伴う場合は医師に相談しましょう。
※効果・効能・副作用の現れ方は個人差がございます。
Q. マンジャロと眠気止めや栄養ドリンクは併用できますか?
一般的な眠気止めや栄養ドリンクとマンジャロの併用について、重大な相互作用は報告されていません。
ただし、カフェインを多く含む製品は血糖値に影響を与える可能性があるため、摂りすぎには注意が必要です。
他のお薬やサプリメントを併用する場合は、念のため医師や薬剤師に相談することをおすすめします。
マンジャロの眠気に関するまとめ
マンジャロの主な副作用は吐き気や下痢などの消化器症状であり、眠気は一般的な副作用ではありません。
ただし、低血糖や栄養不足、倦怠感などに伴って眠気を感じる方もいます。
眠気は使用開始直後や増量直後に起こりやすく、体がお薬に慣れると軽減することが多いです。
規則正しい食事や十分な睡眠、注射タイミングの工夫など、日常生活の見直しで症状を和らげられる可能性があります。
冷や汗や手の震えなど低血糖の症状を伴う眠気は要注意であり、速やかにブドウ糖を摂取してください。
眠気が長引く場合や日常生活に支障が出る場合は、医師に相談して原因を特定し、適切な対応を取りましょう。
※効果・効能・副作用の現れ方は個人差がございます。
※医師の判断によりお薬を処方できない場合があります。
