マンジャロの副作用一覧|吐き気・下痢はいつまで続く?対処法と注意点をお伝えします

マンジャロを使用したいけれど、副作用が心配で一歩を踏み出せないとお悩みではありませんか?

マンジャロは2型糖尿病の治療薬として開発されたお薬で、GIPとGLP-1という2つのホルモンに作用することで血糖コントロールや体重減少の効果が期待できます。
一方で、吐き気や下痢などの消化器症状をはじめとする副作用が報告されており、使用前に正しい知識を持っておくことが大切です。

この記事では、マンジャロの副作用の種類や頻度、症状が続く期間、具体的な対処法まで分かりやすくお伝えしていきます。

マンジャロとは?基本情報をおさらい

マンジャロ(一般名:チルゼパチド)は、2型糖尿病の治療を目的として開発された注射薬です。

従来のGLP-1受容体作動薬とは異なり、GIPとGLP-1の2つのホルモンに同時に作用する「デュアルアゴニスト」と呼ばれるタイプのお薬として注目を集めています。

週1回の注射で効果が持続するため、毎日お薬を飲む必要がなく、治療の負担が軽減されるのも特徴のひとつといえるでしょう。

ここではマンジャロの基本的な情報についておさらいしておきましょう。

マンジャロの特徴と作用の仕組み

マンジャロは、GIP(グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド)とGLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)という2種類の消化管ホルモンに働きかけるお薬です。

これらのホルモンは「インクレチン」と呼ばれます。「インクレチン」は、食事をすると小腸から出てきて、すい臓に「インスリンを出してね」と合図を送ります。

それだけではなく、胃の動きを遅くして、血糖値が急に上がるのを防ぐ働き、食欲をおさえる働き、血糖値を上げるホルモン(グルカゴン)を出にくくする働きもあります。

マンジャロはこの2つのホルモンの働きを同時に高めることで、血糖値が高いときにインスリン分泌を促進し、血糖コントロールを改善する効果が期待できます[1]

胃の動きをゆっくりにして満腹感を持続させる作用や、脳の摂食中枢に働きかけて食欲を抑える作用も持っています。

これらの作用により、血糖値の改善だけでなく体重減少効果も期待できるのがマンジャロの大きな特徴です。

2つのホルモンに同時に作用することで相乗効果が生まれ、従来のGLP-1製剤よりも高い効果が報告されています[2][4]

マンジャロが注目される理由

マンジャロが多くの医療従事者や患者から注目されている理由は、その高い血糖改善効果と体重減少効果にあります。

研究データでは、マンジャロを使用した方の90%以上がHbA1c7.0%未満という目標値を52週後に達成したと報告されており、従来の糖尿病治療薬と比べて高い改善効果が確認されています[2]

体重減少効果についても、海外の臨床試験では平均12~20%程度の体重減少が報告されており[3]肥満を伴う2型糖尿病の方にとって有効な選択肢となっています。

従来のGLP-1製剤であるオゼンピック(セマグルチド)と比較しても、マンジャロの方がHbA1c改善効果と体重減少効果が高かったというデータもあります[4]

このような高い効果が期待できる一方で、副作用についても正しく理解しておくことが安心な治療につながるでしょう。

お薬の効果と副作用の両方を知った上で、医師と相談しながら治療を進めることが大切です。

マンジャロの用法・用量

マンジャロは週1回、自分で注射するタイプのお薬です。

注射する部位はお腹、太もも、二の腕のいずれかで、毎回同じ曜日に注射することが推奨されています[2]

用量は2.5mgから開始し、4週間ごとに段階的に増量していくのが一般的な使い方となっています。

最初の2.5mgは体をお薬に慣らすための用量であり、効果を実感するためには5mg以上に増量することが多いでしょう。

維持用量は5mgが基本となりますが、効果が不十分な場合は医師の判断で7.5mg、10mg、12.5mg、15mgまで増量することがあります[1]

副作用を抑えながら効果を高めるために段階的に増量する仕組みになっているため、自己判断で用量を変えないようにしましょう。

マンジャロで起こりやすい副作用一覧

マンジャロを使用すると、さまざまな副作用が現れる可能性があります。

最も多く報告されているのは消化器系の症状で、吐き気や下痢、便秘などが代表的な副作用として知られています。

これらの副作用の多くは治療開始直後や用量を増やした直後に現れやすく、体がお薬に慣れるにつれて徐々に軽減していきます。

ここではマンジャロで起こりやすい副作用について詳しくお伝えします。

消化器系の副作用(吐き気・嘔吐・下痢・便秘)

マンジャロの副作用として最も多く報告されているのが、吐き気や嘔吐、下痢、便秘などの消化器系の症状です。

国内の臨床試験では、吐き気を経験した方が約10~20%、下痢が約10〜15%、便秘が約10%程度と報告されています[1]

これらの症状は、マンジャロが持つ胃の動きをゆっくりにする作用によって引き起こされると考えられています。

胃の中に食べ物が長くとどまることで、食後に「胃が重い」「むかつく」「気持ち悪い」といった症状を感じやすくなります。

多くの場合、これらの症状は治療開始から数日〜数週間で自然に軽減していくでしょう。

症状が強い場合や長引く場合は、我慢せずに医師に相談することが大切です。

消化器系の副作用(食欲不振・胃の不快感)

マンジャロには食欲を抑える作用があるため、使用を始めると食欲が落ちたと感じる方が多くいらっしゃいます。

これはお薬が効いている証拠ともいえますが、中には食事を摂ることが辛くなるほどの食欲不振を感じる方もいるでしょう。

胃の不快感やお腹の張り(膨満感)を感じる方も少なくなく、これらも胃の動きがゆっくりになることが原因と考えられています。

食欲不振が続くと必要な栄養が摂れなくなる可能性があるため、少量でも食事を摂るよう心がけることが重要です。

食欲があまりないときでも、エネルギーのもとになるごはんや麺類などの炭水化物は、少しでも食べるようにしましょう。

うどんやおかゆなど、やわらかくて消化のよい食べ物がおすすめです。

症状がひどく、食事が摂れない場合や体重が急激に減少している場合は、医師に相談して用量の調整を検討してもらうことをおすすめします。

注射部位の皮膚症状

マンジャロは自分で注射するお薬のため、注射した部位に皮膚症状が現れることがあります。

主な症状としては、注射部位の赤み、腫れ、かゆみ、痛み、内出血、しこり(硬結)などが報告されています[2]

これらの症状は注射針による物理的な刺激や、お薬に対する体の反応によって起こると考えられています。

多くの場合、症状は一時的なもので、数時間から数日で自然に消えることがほとんどです。

同じ場所に繰り返し注射すると皮膚が硬くなりやすいため、毎回少しずつ場所をずらして注射することが大切です。

腫れや発疹がひどくなったり、長時間続いたりする場合はアレルギー反応の可能性もあるため、医師に相談してください。

倦怠感・頭痛

マンジャロを使用していると、倦怠感(だるさ)や疲労感、頭痛を感じる方もいらっしゃいます。

これらの症状の原因ははっきりと分かっていませんが、血糖値の変動や食欲低下に伴う栄養不足が関係している可能性があります。

下痢や嘔吐が続くと脱水状態になりやすく、それによって倦怠感や頭痛が引き起こされることもあります。

水分をこまめに摂取し、十分な睡眠を取ることで症状が改善することも多いです。

症状が長引く場合や日常生活に支障が出る場合は、医師に相談して対処法を検討してもらいましょう。

無理をせず、体調に合わせて生活することが治療を続けるうえで重要です。

マンジャロの副作用の頻度はどのくらい?

マンジャロを使用する前に、副作用がどのくらいの頻度で起こるのか知っておきたいという方も多いのではないでしょうか。

臨床試験のデータによると、消化器系の副作用は比較的多くの方に現れますが、その多くは軽度から中等度で一時的なものとされています。

副作用の頻度を事前に把握しておくことで、症状が現れたときに落ち着いて対処できるようになるでしょう。

ここでは臨床試験で報告された副作用の発生率について詳しくお伝えしていきます。

臨床試験で報告された副作用の発生率

マンジャロの臨床試験では、さまざまな副作用の発生率が報告されています。

最も多いのは吐き気(悪心)で、約10〜20%の方が経験すると報告されています[1]

下痢は約10〜20%、便秘は約10%程度の方に見られ、嘔吐は約10%程度とされています[1]

日本国内で行われた市販後調査(約13万症例を対象)では、悪心が約0.5%、食欲減退が約0.27%、下痢が約0.14%、嘔吐が約0.12%と報告されており、実際の使用環境では臨床試験よりも低い頻度となっています[3]

重篤な副作用である急性膵炎および胆のう炎、胆管炎は0.1%未満と非常にまれです[3]

副作用の頻度は用量によっても異なり、高用量になるほど副作用が出やすい傾向があります。

他のGLP-1製剤との副作用の比較

マンジャロの副作用は、オゼンピック(セマグルチド)やリベルサス、サクセンダなど他のGLP-1受容体作動薬と比べて大きな差はないとされています。

消化器系の副作用はGLP-1製剤に共通して見られる特徴であり、マンジャロ特有のものではありません。

どのお薬にも副作用のリスクはあるため、医師と相談しながら自分に合ったお薬を選ぶことが大切でしょう。

副作用が出やすい人の特徴

マンジャロの副作用は、すべての方に同じように現れるわけではありません。

副作用が出やすい傾向がある方の特徴として、体重が軽い方、胃腸が弱い方、過去にGLP-1製剤で副作用を経験した方などが挙げられます。

もともと胃腸の調子が悪い方や、消化器系の疾患をお持ちの方は症状が出やすい傾向があるでしょう。

高齢の方は脱水や体の中のミネラルのバランスが崩れやすいため、下痢や嘔吐が続く場合には特に注意が必要です。

反対に、副作用がほとんど出ない方もいらっしゃるため、過度に心配する必要はありません。

事前に医師に自分の体質やこれまでにかかったことのある病気を伝えておくことで、適切な用量調整や副作用対策を受けることができます。

マンジャロの副作用はいつから始まる?いつまで続く?

マンジャロの副作用がいつ頃から始まり、いつまで続くのかを知っておくと、治療を続ける上での心構えができます。

副作用は治療開始直後や用量を増やした直後に現れやすく、体がお薬に慣れるにつれて徐々に軽減していく傾向があります。

症状が続く期間には個人差がありますが、多くの場合は数日〜数週間で落ち着いていきます。

ここでは副作用が出やすいタイミングと持続期間についてお伝えしましょう。

副作用が出やすいタイミング

マンジャロの副作用は、「初めて使用するとき」と「用量を増やすとき」に出やすい傾向があります。

特に治療開始から間もない時期は、体がお薬に慣れていないため、吐き気や下痢などの消化器症状が現れやすい時期です。

4週間ごとに用量を増やしていく際にも、増量直後は副作用が一時的に強まることがあるでしょう。

これはお薬の効果が高まることで消化管への刺激が増すためと考えられています。

空腹時に注射した場合や、脂っこい食事の直後に注射した場合は胃腸への負担が大きくなり、副作用が強く出ることがあります。

副作用が出やすいタイミングを事前に知っておくことで、心構えを持って治療に臨むことができるでしょう。

副作用が落ち着く時期

吐き気や下痢などの消化器症状は、多くの場合、治療開始後の早い段階でみられ、多くは数日〜数週間で自然に落ち着いていきます。

体がお薬に慣れてくるにつれて症状は軽くなり、その後は安定して使用を続けられる方がほとんどです。

ただし、用量を増やすたびに副作用が一時的にぶり返すことがあるため、増量時には注意が必要となります。

症状が長引く場合や改善しない場合は、医師に相談して用量の調整を検討してもらいましょう。

増量時に副作用がぶり返すことがある

マンジャロは2.5mgから開始し、4週間ごとに段階的に増量していくお薬です。

用量を増やすと、いったん落ち着いていた副作用が再び現れることがあります。

2.5mgで副作用が落ち着いていた方でも、5mgに増量した直後に再び吐き気や下痢を感じることは珍しくありません。

これはお薬の効果が高まることで消化管への影響も強くなるためと考えられています。

増量後の副作用も多くの方は数日〜1週間程度で軽減していきますが、症状が強い場合は無理に増量を続けることは好ましくありません。

副作用がつらい場合は医師に相談し、現在の用量を維持したり、一旦減量したり、増量のペースを遅くしたりすることも選択肢のひとつです。

マンジャロの副作用を軽減する対処法

マンジャロの副作用は多くの場合、一時的なものですが、症状がつらいときは日常生活に支障が出ることもあります。

正しい対処法を知っておくことで、副作用を軽減しながら治療を続けることができます。

食事の工夫や生活習慣の見直しなど、自分でできる対策も多くあります。

ここでは症状別の対処法について詳しくお伝えしていきます。

吐き気を抑えるための食事の工夫

吐き気はマンジャロの副作用の中でも特に多く報告されている症状ですが、食事の工夫で軽減できることがあります。

まず大切なのは、1回の食事量を減らして回数を増やす「分割食」を心がけることです。

マンジャロには胃の動きをゆっくりにする作用があるため、一度にたくさん食べると、胃もたれや吐き気が起こりやすくなります。

1日3食にこだわらず、5〜6回に分けて少量ずつ食べることで胃への負担を軽減できます。

脂っこい食事や揚げ物は胃に長くとどまりやすいため、副作用が気になる時期は避けた方がよいといえます。

「満腹」と感じたら無理に食べ切らず、お腹が満たされたら食事を終えることも大切です。

下痢・便秘への対処法

下痢や便秘もマンジャロでよく見られる副作用ですが、それぞれに適した対処法があります。

下痢が続く場合は脱水を防ぐためにこまめな水分補給が重要ですが、一度に大量の水を飲んだり、冷たい飲み物を摂ると胃腸に負担がかかるため、常温の飲み物を少量ずつこまめに摂りましょう。

経口補水液やスポーツドリンクなど、電解質を含む飲み物を選ぶと効果的です。

便秘の場合は、食物繊維を含む野菜や果物を意識して摂取し、適度な運動を心がけることで改善が期待できるでしょう。

自己判断で市販の下痢止めや便秘薬を使用することは避け、症状が続く場合は医師に相談してください。

低血糖症状が出た場合の対処法

マンジャロは血糖値が高いときにだけ働く仕組みのため、単独での使用では低血糖のリスクは低いとされています[1]

しかしながら、インスリンやSU薬(スルホニル尿素薬)など他の糖尿病治療薬と併用している場合は、低血糖が起きやすくなることが知られています。また、絶食時、激しい運動を行った時、飲酒時、吐き気や嘔吐のために食事ができない時などにも低血糖が起こる可能性があり注意が必要です。

低血糖の症状には、冷や汗、手の震え、動悸、強い空腹感、めまい、ふらつきなどがあります。

これらの症状を感じたら、すぐにブドウ糖(10g程度)や砂糖を含む飲み物を摂取してください。

注射部位の皮膚トラブルを防ぐ方法

注射部位の皮膚トラブルを防ぐためには、いくつかのポイントを押さえておくことが大切です。

まず、同じ場所に繰り返し注射しないよう、注射する部位を毎回少しずつずらしましょう。

同じ場所に注射し続けると皮膚が硬くなる「しこり」ができやすくなり、お薬の吸収にも影響を与える可能性があります。

お腹、太もも、二の腕に注射できますが、毎回部位自体を変えるのではなく、たとえばお腹の中で位置をずらしましょう。

おへそを中心にして、おへその右横→左横→右下部→左下部、と1週間毎にずらすと忘れにくいです。

カレンダーや手帳に記載するのも一案です。

お腹の上部に注射しても効果は変わらないですが、皮膚が薄いので痛みを感じやすい傾向があります。

脂肪を掴める箇所を選ぶと良いでしょう。

注射前には必ずアルコール綿で注射部位を消毒し、清潔な手で操作することも重要です。

注射後に赤みや腫れが出た場合は、冷やすことで症状が和らぐことがあるでしょう。

腫れやかゆみがひどい場合や長時間続く場合は、アレルギー反応の可能性もあるため医師に相談してください。

マンジャロで注意すべき重篤な副作用

マンジャロの副作用の多くは軽度で一時的なものですが、まれに重篤な副作用が起こる可能性もあります。

重篤な副作用は発生頻度が非常に低いものの、早期に発見して適切に対処することが重要です。

命に関わる可能性のある副作用については、初期症状を知っておくことで迅速な対応につながるでしょう。

ここでは特に注意が必要な重篤な副作用についてお伝えします。

急性膵炎の症状と対応

急性膵炎は、マンジャロを含むGLP-1受容体作動薬でまれに報告されている重篤な副作用のひとつです。

添付文書によると発生頻度は0.1%未満と非常にまれですが、適切に対処しなければ命に関わる可能性があります[1]

急性膵炎の主な症状は、上腹部(みぞおちのあたり)の激しい痛みで、その痛みが背中に響くこともあるでしょう。

吐き気や嘔吐、発熱、お腹の張りなどを伴うこともあり、通常の胃腸症状とは明らかに異なる強い痛みが特徴です。

このような症状が現れた場合は、直ちにマンジャロの使用を中止し、速やかに医療機関を受診してください。

過去に急性膵炎を起こしたことがある方や、胆石など膵炎のリスクを高める要因がある方は、マンジャロを始める前に、医師にその旨を伝えておくことが大切です。

胆石症・胆のう炎のリスク

マンジャロの使用によって急激に体重が減少すると、胆のうに負担がかかり、胆石や胆のう炎を発症するリスクが高まる可能性があります。

胆石は胆汁の成分が固まってできる結石で、胆のうや胆管に詰まることで痛みや炎症を引き起こすものです。

添付文書では胆石症、胆のう炎、胆管炎、胆汁うっ滞性黄疸の発生が報告されており、胆石症の発生頻度は1%未満、胆のう炎、胆管炎、胆汁うっ滞性黄疸はそれ以下で非常にまれな副作用です。[1]

主な症状としては、右上腹部の痛み、発熱、白目や皮膚が黄色くなる黄疸、吐き気や嘔吐などがあります。

これらの症状が現れた場合は、マンジャロの使用を中止し、医療機関を受診して適切な検査を受けることが重要です。

体重減少は緩やかなペースで進めることが胆石予防につながるため、急激な減量は避けるようにしましょう。

腸閉塞の可能性

マンジャロには胃腸の動きをゆっくりにする作用があるため、ごくまれに腸閉塞(イレウス)を起こす可能性があります。

腸閉塞は腸の通過が妨げられる状態で、緊急性の高い症状として注意が必要です。

腸閉塞の代表的な症状としては、持続する強い腹痛、お腹がパンパンに張る膨満感、頻繁な嘔吐、おならや排便がまったく出なくなるなどがあります。

特に「嘔吐や腹痛があり、排便やおならが出なくなる」という組み合わせは腸閉塞を疑う特徴的な症状です。

これらの症状がみられた場合は緊急性が高いため、直ちにマンジャロの使用を中止し、救急医療機関を受診してください。

発生頻度は非常にまれですが、重度の便秘が続く場合は腸閉塞の前兆である可能性もあるため、早めに医師に相談することをおすすめします。

マンジャロを使用できない人・注意が必要な人

マンジャロはすべての方が使用できるお薬ではなく、使用が禁止されている方や投与を慎重に検討しなければいけない方がいます。

安心してお薬を使用するためには、ご自身がこれらに該当していないか事前に確認しておくことが大切です。

他のお薬との相互作用にも注意が必要な場合があるため、使用中のお薬がある方は必ず医師に伝えてください。

ここではマンジャロの使用に関する注意事項についてお伝えします。

使用が禁止されている方(禁忌)

マンジャロの成分(チルゼパチド)に対して過敏症の既往がある方は、マンジャロを使用することができません。

過去にマンジャロや類似のお薬でアレルギー反応を起こしたことがある方は、必ず医師に伝えてください。

1型糖尿病の方もマンジャロの使用は禁止されています[1]

マンジャロは2型糖尿病の治療薬として承認されており、1型糖尿病における有効性や安全性は確立されていません。

糖尿病性ケトアシドーシスになったことがある方も、使用できません。

重症感染症や重篤な外傷がある方、2週間以内に手術を受けた方や手術を受ける予定がある方も、マンジャロを使用できません[1]

これらの状態ではインスリン製剤による速やかな血糖管理が望まれるため、マンジャロの投与は適していません。

これらに該当する方がマンジャロを使用すると、重篤な副作用を引き起こす可能性があるため、使用しないでください。

慎重な投与が必要な方

以下に該当する方は、マンジャロの使用について医師と十分に相談し、慎重に投与を検討する必要があります。

妊婦、妊娠している可能性がある人または2ヶ月以内に妊娠を予定する人は、マンジャロを使用してはいけません。また、授乳中の方も、マンジャロの安全性が確立されていないため原則として使用を避けるべきとされています。

過去に急性膵炎を起こしたことがある方や、胆石など膵炎のリスクを高める要因がある方も慎重な投与が必要です。

重度の胃腸障害がある方、胃不全麻痺など消化管の運動機能に問題がある方は、症状が悪化する可能性があるため注意が必要です。

糖尿病網膜症の既往がある方は、血糖値の急激な改善により網膜症が一時的に悪化する可能性が報告されています。

甲状腺髄様がん(MTC)や多発性内分泌腫瘍症2型(MEN2)の家族歴がある方も、使用前に医師に相談するべきです。

他のお薬との相互作用

マンジャロは他のお薬と併用する場合、相互作用に注意が必要なことがあります。

インスリン製剤やSU薬(スルホニル尿素薬)などと併用すると、低血糖のリスクが高まるため、医師がこれらのお薬の用量を調整することがあります[1]

経口避妊薬(ピル)を使用している方は、マンジャロの胃排出遅延作用によりピルの吸収が落ちてしまうことが、臨床試験で報告されています[2]

避妊効果が落ちてしまう可能性があるため、経口避妊薬を使用している方は医師に相談してください。

ワルファリン(血液をサラサラにするお薬)との併用では、出血傾向が高まる可能性が報告されています[2]

現在使用しているお薬やサプリメントがある場合は、必ず医師や薬剤師に伝えて、一緒に使っても大丈夫か確認しましょう。

医師に相談すべき副作用の目安

マンジャロを使用中に副作用が現れた場合、すべての症状ですぐに医療機関を受診する必要があるわけではありません。

軽度な症状であれば様子を見ても問題ないことが多いですが、重篤な副作用の兆候がある場合は速やかな対応が必要です。

どのような症状のときに医師に相談すべきか、事前に知っておくと安心して治療を続けられるでしょう。

ここでは医師に相談すべき副作用の目安についてお伝えしていきます。

すぐに医療機関を受診すべき症状

以下のような症状が現れた場合は、マンジャロの使用を直ちに中止し、速やかに医療機関を受診してください。

上腹部の激しい痛みが持続する場合や、痛みが背中に響く場合は急性膵炎の可能性があります。

右上腹部の痛みに発熱や黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)を伴う場合は、胆のう炎や胆管炎の可能性があります。

また、持続する強い腹痛とともにお腹がパンパンに張り、嘔吐が続いて排便やおならが出なくなった場合は腸閉塞の可能性があります。

全身のかゆみ、蕁麻疹、顔や喉の腫れ、息苦しさなどが現れた場合は、アナフィラキシーというアレルギー反応が疑われます。

これらの症状は緊急性が高いため、迷わずに救急医療機関を受診してください。

経過観察で様子を見てよい症状

軽度の吐き気、下痢、便秘などの消化器症状は、多くの場合は、数日で落ち着くことが多いため、まずは様子を見ても問題ありません。

注射部位の軽い赤みや腫れも、数時間〜数日で自然に消えることがほとんどです。

軽い頭痛や倦怠感も、体がお薬に慣れるにつれて改善することが多いです。

これらの症状が1週間以上続く場合や、日常生活に支障が出るほど症状が強い場合は医師に相談してください。

症状が徐々に悪化している場合も、早めに医師に相談することをおすすめします。

軽度の症状でも気になることがあれば、次回の診察時に医師に伝えておくと安心です。

自己判断で使用を中止しない

副作用が現れたとしても、自己判断でマンジャロの使用を中止することは避けてください。

急にお薬をやめると血糖コントロールが乱れ、血糖値が急上昇してしまう可能性があります。

副作用がつらい場合は、まず医師に相談して適切な対処法を検討してもらいましょう。

医師の判断で用量を減らしたり、増量のペースを遅くしたり、一時的に使用を中断したりすることで症状を改善することができます。

重篤な副作用が疑われる場合を除き、お薬の変更や中止は必ず医師の指示に従って行ってください。

医師と二人三脚で治療を進めることが、安心で効果的な治療につながります。

よくある質問

Q. マンジャロの副作用はいつまで続きますか?

マンジャロの副作用は、使用開始後、早期に現れて、その後は徐々に軽減していく傾向があります。

吐き気や下痢などの消化器症状は、多くの場合、治療開始後の早い段階でみられ、通常は数日〜数週間で自然に落ち着いていきます。

体がお薬に慣れてくるにつれて症状は軽くなり、その後は安定して使用を続けられる方がほとんどです。

ただし、用量を増やすたびに副作用が再度現れることがあるため、増量時には注意が必要となります。

症状が1週間以上続く場合や日常生活に支障が出る場合は、医師に相談して用量の調整を検討してもらいましょう。

Q. マンジャロで吐き気がひどい場合はどうすればいいですか?

吐き気がひどい場合は、食事の工夫で症状を軽減できることがあります。

可能であれば、1回の食事量を減らして回数を増やす「分割食」にしましょう。1日5〜6回に分けて少量ずつ食べることで胃への負担軽減が期待できます。

脂っこい食事や揚げ物は胃に長くとどまりやすいため、副作用が気になる時期は避けた方がよいでしょう。

「満腹」と感じたら無理に食べ切らず、お腹が満たされたら食事を終えることも大切です。

症状が強い場合や長引く場合は医師に相談し、用量の調整や吐き気止めの処方を検討してもらうことをおすすめします。

Q. マンジャロで低血糖になることはありますか?

マンジャロは血糖値が高いときにだけインスリン分泌を促す仕組みのため、単独での使用では低血糖のリスクは低いとされています[1]

しかし、インスリン製剤やSU薬(スルホニル尿素薬)など他の糖尿病治療薬と併用している場合は、低血糖のリスクが高まります。

食事を抜いたときや、極端に量が少なかったとき、普段よりたくさん活動したときにも、低血糖が起こりやすくなります。

低血糖の症状(冷や汗、手の震え、動悸、めまいなど)を感じたら、すぐにブドウ糖や砂糖を含む飲み物を摂取してください。

万が一に備えて、普段からブドウ糖やラムネなどを持ち歩いておくと安心です。

Q. マンジャロの副作用で脱毛することはありますか?

日本人での臨床試験では報告がありませんが、市販後調査で0.04%の方に脱毛症の報告があります[5]

脱毛が起こる原因として、急激な体重減少による栄養不足やホルモンバランスの乱れ、ストレスなどが考えられます。

この症状は「休止期脱毛症」と呼ばれ、一時的に起こる症状と考えられており、多くの場合は体が安定すると改善していきます。

脱毛を予防するためには、タンパク質やビタミン、ミネラルなど必要な栄養素をバランスよく摂取することが大切です。

脱毛が気になる場合は医師に相談し、栄養指導を受けたり、必要に応じてお薬の量を減らしたり、別のお薬への変更を検討することも良いでしょう。

Q. マンジャロを増量すると副作用は強くなりますか?

マンジャロの副作用は用量依存性があり、用量を増やすと副作用が一時的に強くなることがあります。

2.5mgで副作用が落ち着いていた方でも、5mgに増量した直後に再び吐き気や下痢を感じることは珍しくありません。

これはお薬の効果が高まることで消化管への刺激も強くなるためと考えられています。

増量後の副作用も多くの場合は数日〜数週間ほどで軽減していくでしょう。

副作用がつらい場合は無理に増量を続ける必要はなく、医師に相談して現在の用量を維持したり、増量のペースを遅くしたりすることも選択肢のひとつです。

Q. マンジャロの副作用が心配で使用をためらっています。どうすればいいですか?

マンジャロの副作用について心配されるお気持ちはとても理解できます。

副作用の多くは治療開始直後の一時的なもので、体がお薬に慣れるにつれて徐々に軽減していきます。

2.5mgという低用量から開始して段階的に増量していく仕組みになっているため、副作用を抑えながら治療を進めることができます。

副作用が出た場合も、食事の工夫や用量の調整など対処法があるため、必要以上に心配する必要はありません。

不安がある場合は事前に医師に相談し、ご自身の体質や既往歴を伝えた上で、適切な治療計画を立ててもらうことをおすすめします。

まとめ

マンジャロはGIPとGLP-1の2つのホルモンに作用することで、血糖コントロールや体重減少に高い効果が期待できるお薬です。

副作用として最も多いのは吐き気、下痢、便秘などの消化器症状で、臨床試験では、吐き気が約10~20%、下痢が約10~15%の方に報告されています[1]

これらの副作用が起こる場合は、治療開始後すぐに見られることが多く、通常は体がお薬に慣れるにつれて、少しずつ軽減していきます。

食事を小分けにする、脂っこい食事を避けるなどの工夫で症状を軽減できることも多いため、正しい対処法を知っておくことが大切です。

急性膵炎や胆のう炎、腸閉塞などの重篤な副作用はまれですが、激しい腹痛など異常を感じた場合は直ちに医療機関を受診してください。

副作用が心配な場合は自己判断で使用を中止せず、必ず医師に相談して適切な対処法を検討してもらいましょう。

正しい知識を持ち、医師と相談しながら治療を進めることで、安心してマンジャロを使用することができます。

※本記事の内容は一般的な情報提供を目的としたものであり、医療アドバイスではありません。お薬の使用に関しては必ず医師にご相談ください。
※効果・効能・副作用の現れ方は個人差がございます。
※医師の判断によりお薬を処方できない場合があります。

参考文献

  1. 日本イーライリリー株式会社「マンジャロ®皮下注アテオス 添付文書」(2025年12月改訂)
  2. 日本イーライリリー株式会社「マンジャロ®皮下注アテオス インタビューフォーム」(2025年12月改訂)
  3. Jastreboff AM, et al. Tirzepatide Once Weekly for the Treatment of Obesity. N Engl J Med. 2022;387(3):205-216.
  4. Frías JP, et al. Tirzepatide versus Semaglutide Once Weekly in Patients with Type 2 Diabetes. N Engl J Med. 2021;385(6):503-515.
  5. 日本イーライリリー株式会社「マンジャロ®市販直後調査 最終結果のお知らせ」(2024年1月)
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