デジタル健康証明、コモンパス(CommonPass)とは?医師が解説します。

海外渡航には今後、『デジタル健康証明』が必要な時代となってきています。デジタル健康証明は世界中でいくつかの枠組みが存在しており、政府や航空会社連携の下で導入が進んでいるのですが、今回はその一つである「コモンパス」について解説いたします。

デジタル健康証明とは?

新型コロナウイルスのワクチン接種が進み、今後海外往来が再開していきます。安全な国際渡航のため、渡航による感染拡大を起こさないことが極めて重要であり、現在、多くの国は渡航前の現地でのPCR検査及びに、その陰性証明書を必須としています。

これらの証明書は、「公印が押された紙の証明書」であることが一般的でしたが、今後は「デジタル健康証明」に移行していく動きがみられています。

電子化のメリットとして、偽造防止であったり、検査医療機関の集約化・国際標準化による質の担保、といったことが挙げられます。

今後、ワクチン接種が世界中で進んでいく中で、ワクチン接種の有無についても証明が求められる流れであり、医療機関における新型コロナウイルスの PCR検査陰性証明とワクチン接種の証明がまとめて電子情報として管理することが可能となれば、証明書発行手続きの迅速化や、出入国審査などにおける空港関係者の負担軽減にもつながると期待されてます。

コモンパス(CommonPass)とは?

コモンパスは、世界経済フォーラムによって立ち上げられた非営利組織「コモンズ・プロジェクト」(The Commons Project;TCP)との連携のもと、テクノロジーとデータを活用して安全な国境往来を推進することを目的としています。現在、ANA(全日本空輸)、JAL(日本航空)、キャセイパシフィック、ユナイテッド航空などが参加しています。

コモンパスでは、

(1) 検査結果やワクチン接種証明書が信頼できる医療機関から発行されているか、 (2) 検査結果が受入国の入国基準を満たしているか、という点が重視されています。


企業や特定の政府ではなく、国際的な非営利団体であるTCPが、公共性を第一に運営しているため中立であること、感染の広がりや検査結果の精度向上、ワクチン開発などの状況に応じて変化する各国の入国条件に柔軟に対応すること、検証の根拠となる渡航者の健康データは第三者には開示せず、本人の明示的な同意を得た上でのみデータの利用や共有がなされ、また個人を識別できる健康情報は検査実施機関またはユーザーの端末にのみ保存されるためプライバシー管理が厳守されていること、枠組みの構想設計には50を超える国々、民間企業、市民社会、医療関係者、政府関係者などさまざまなステークホルダーが参画しており国際的であること、が特徴です。

コモンパスはどうやって使えるの?無料なの?


コモンパスは、Apple app store、Google Playからダウンロード可能であり、常に無料で使用可能とされています。広告もなく、いかなる種類の個人データも収集または販売していないとされています。スイスの非営利公益法人コモンズプロジェクト財団が提供する非営利サービスであることが特徴です。

コモンパス使用画面


コモンパスはコロナに免疫があること、感染がないことを証明するようなパスポートですか?

コモンパスはコロナに免疫があることを証明するような免疫パスポートではありません。コモンパスは、その人が最近 COVID-19 の検査結果を受けたこと、または予防接種を受けたことを確認することができるだけです。これらのいずれも、陰性または免疫状態を保証するものではありません。

CommonPass は、連絡先を追跡するアプリですか?


コモンパスは連絡先を追跡するアプリではなく、ユーザーの位置情報を収集することはありません。

デジタル健康証明は他にもあるの?

デジタル健康証明の枠組みとしては、コモンパス以外にもいくつか動いており、ICC AOK pass(シンガポール航空など)、IATA Travel Pass(マレーシア航空など)、防疫健康コード国際版(中国主導、WeChat連携)が存在しています。

クリニックフォアグループはこれらのデジタル健康証明との連携を現在進めております。新しい情報があればお知らせいたします。

公開日:2021年3月30日

作成: クリニックフォアグループ医師 奥村 雄一郎

※本記事は、上記公開日時点での状況・情報・エビデンスをもとに記載しています。新型コロナウイルス感染症については、日々状況が変化し、また新しくわかることも多々ありますので、最新の情報は、直近の記事や情報をご参照くださいますようお願いいたします。

参考文献

Common Pass

IATA Travel Pass

ICC AOK pass

防疫健康コード国際版