GERD

胸焼けがする、ムカムカするなど症状があるならば、それ胃酸が逆流しておこっている症状かもしれません。

逆流性食道炎って?!

胃食道逆流症(GERD)という概念があり、これは胃から食道に胃酸が逆流することにより、食道の粘膜がただれる、もしくはそれに伴う症状(例えば胸焼けなど)が起こることを言います。つまりは、粘膜の変化がある、びらん性のGERDと症状のみを認める非びらん性のGERDの2タイプに分類されるということです。

逆流性食道炎の症状

胸焼けが典型的な症状です。他にも胸痛や呑酸(どんさん)といって喉のあたりが酸っぱい感じがする、胃酸の感じがする、喉の異常な感覚、飲み込むときに痛いなどあります。
 消化器らしくない症状としては、咳、嗄声(声がしわがれること)、ゼイゼイ言うなどがあります。

逆流性食道炎の原因

胃酸の逆流で胃酸が食道に入ることが原因です。
胃酸の逆流は、食道裂孔ヘルニアといって食道と胃の間のしまっているところが、横隔膜よりもズレルことにより圧が低下して起こったりします。他にも食道がうまく動かなかったり、食道と胃の間のしまっているところがいきなりゆるんだりすることにより起こります。
ただ、食道の粘膜の変化がない非びらん性GERDでは違う仕組みで症状が起こっているようです。

逆流性食道炎の診断方法

診断的治療(下記参照、まず胃薬を飲んでみる)と、胃カメラによる診断を行います。

逆流性食道炎の治療方法

服薬による治療

まず、胃酸逆流による症状が疑われて、胃カメラをやらない場合は胃薬を飲んで効果が出るかを見ます。効果が出なかった場合や、胃カメラでびらん性のGERDの所見があった場合は、8週間の、プロトンポンプ阻害剤(PPI)や他の薬を併用した初期治療を行います。それでも継続したり、治りにくい方もいらっしゃるのでPPIの内服を継続したりします。
もちろんびらん性の逆流性食道炎の場合は強力な酸分泌抑制するお薬を使ったほうが症状が早く治ると言われています。また、場合によっては、胃での消化不良が原因となっている場合もあるので消化管の運動機能を改善するお薬や漢方を処方したりします。治療法についてはきちんと主治医と相談しましょう。

生活習慣の改善

生活習慣の改善も大事ですが単体では治療とはなりません。食道と胃の間の括約筋がゆるむものとして、たばこ、チョコレート、炭酸飲料、右を下にして寝ることが挙げられています。また、食道が酸に暴露する時間を増やすものとしては、タバコ、アルコール、チョコレート、脂肪が多い食事、寝た姿勢、右を下にして寝た姿勢です。
実際に症状を悪化させるものはタバコ、アルコール、寝た体勢ですのでそれを避けたり(寝た体勢を避けるのは難しいかと思いますが)、症状を軽くするものとしてベッドの頭側を上げたり、肥満のかたは体重を減らしたりが効果的と言われています。

病院を受診するタイミングは

胃酸の逆流による症状と思われればまずは内科などで胃薬内服で様子見る場合がありますが、それでも改善しなければ胃カメラができる施設、かつ消化器内科の医師の診察をおすすめします。

逆流性食道炎は早期治療が大事

放置していると色々困ったことが起こります。バレット食道と言って、食道の粘膜が胃の粘膜と勘違いして胃の粘膜のようになることで、食道癌の発生するもととなると言われています。
また、喘息を誘発するとも言われています。放置しておくと、胃酸の逆流で歯が溶けたり、咳がずっと続いたり、肺炎を繰り返したりもします。
ちなみに、粘膜の変化があるびらん性のGERD患者については、BMI(body mass index)が高いとは言われていますが、肥満だとGERDになりやすいとはまだ言えてはいないようです。