胸が痛い...若い人でもそういう訴えをする方はいらっしゃいます。メディアのイメージから、心臓病じゃないかと心配する方もいらっしゃいます。
胸痛について
症状
胸の痛みです。
痛みの箇所
局所的か、全体的か、を判断します。
痛みの感じ
ちくちく、押されるような感じ、刺されるような感じなど色々あります。
痛むタイミング
前屈みになった時に増強する、深呼吸時に増強するなどがヒントになります。
怖い痛み
胸全体が押されるような痛み、運動時の痛み、休んでるときの痛み。
あまり怖くない痛み
ちくちく刺されたような痛み、部分的な痛み。時間は関係ない。
ですが、特に、糖尿病がある患者さんでは痛みに鈍くなっているので、心筋梗塞の強い痛みも少しの痛みにしか感じないか、全く感じない場合もあるので、恐ろしいです。
ただし、この痛みのかんじだけでは判断できないので安心しない方がいいでしょう。
胸痛の原因は?
胸にはいろいろな臓器があります。心臓、肺、大血管、筋肉、神経、骨、乳房などです。年齢や喫煙歴や家族歴(血の繋がった家族に心臓の突然死や、動脈硬化が原因で起こる疾患があるかどうか)、もともと持っている病気により、どれが疑わしいかの確率が変わっていきます。
一般的には胸痛を感じたらどうなってしまう?
心筋梗塞や肺炎胸膜炎、大血管の病気は命に関わることもあります。
肋骨や筋肉、神経の痛みは、1週間程度で収まることが多いです。
ただし、帯状疱疹後の痛みは長く続くことがあります。
診断方法
心電図、胸部レントゲン、採血などで調べ、より心臓の詳しい検査をする場合は心臓のエコーや、胸のCT、冠動脈を造影して血管を調べたりなどをします。
胸痛の治療方法
病気により異なります。
- 心筋梗塞
- 肺炎胸膜炎など
神経や筋肉由来の痛みであれば、鎮痛剤などで経過を見ることが多いです。
受診のタイミングは?
心筋梗塞が疑われる時には、循環器内科や救急体制がしっかりしている大きな病院を受診することが望ましいので救急車を呼びましょう。かつ、door to ballon timeという、発症してから、カテーテルを行う時間が生存率に関わります。もしクリニックなど小さな病院で診察して、心筋梗塞が疑われる場合は、そこから大学病院などに紹介する可能性があります。特にもともとかかりつけがなく、発作的な痛みも今まで起こったことがなく、若い方であればまずは開業医の受診でも問題ないと思われます。
早期受診が大切
どちらにせよ痛みが強い場合は、痛みがあるときに内科か循環器科を受診して、心電図などの検査をすることが大事だと思います。特に狭心症の痛みでは、収まったりまた起こったり、繰り返すものなので、「どういう状況で、どれくらいの持続時間で、どれくらいの強さの痛みが起こったか」を記録しておくと、医師が診断する上で助けになります。痛みが繰り返す場合でも、精査が必要かどうか医師とよく相談しましょう。