2020.06.30

クリニックフォアの新型コロナウイルス抗体検査についてご案内いたします

クリニックフォア田町・新橋・飯田橋・有楽町・四谷・大手町では、新型コロナウイルスの抗体検査を導入いたしました。

こちらは、あくまで医学教育用・精度調査用に導入しているため、クリニックフォアに受診頂いた患者さんの中で、通常の採血を行われた患者さんを対象に、ご希望の方には無償で提供しております。

また、抗体検査キットは、ニューヨークの抗体検査で使用されたものと同様になります。また、先日、ソフトバンクの孫さんが購入して社員に使用させようとしているものとも全く同じ製品になります。(イノビータという製品です)

多くの方に関心を持っていただきお問い合わせをいただいたり、また実際に症状のある方が受診され検査を行ったりしています。お問い合わせいただくことが多い内容をまとめました。

抗体検査とPCR検査の違いはなんですか?

「PCR検査」は、体内にウイルスが存在しているかどうかを直接調べる検査で、現状では診断のゴールドスタンダードとなっています。ただし、手間がかかるという問題点があります。

 一方、抗体検査は侵入したウィルスに対して、体内の免疫システムが産生する物質(抗体)の存在を検知する検査です。簡易キットで迅速(15分程度)に施行できるというメリットがあります。

 抗体検査は、他のウィルス感染症では診断法として確立されているものもありますが、新型コロナウィルスに対してはデータの蓄積が不十分であり、その有用性は確立されていません。

 しかし、海外(米国や中国)では、一般的な集団においてどの程度抗体が保有されているのかの調査などを目的として、既に使用例があることも事実です。

 よって、抗体検査の現状の精度や限界についてよく理解した上で、結果をみること自体には一定の意義があります。

また現時点では、日本国内では、新型コロナウイルスの診断に用いることはできません。また、保険適応もありません

どのような抗体検査のキットを使っていますか?

当院で採用している「イノビータⓇ」という新型コロナウィルス用抗体検査キットは、日本国内では医薬品として未承認ですが、メーカー報告によると「感度87.3%、特異度100%」というまずまず良好な性能を備えています。

 「感度」は、疾患のある人を正しく疾患があると判定する確率、「特異度」は疾患のない人を正しく疾患がないと判定する確率のことです。

 一般的な考え方としては、イノビータを用いた抗体検査では、「見逃し(感染があるのに感染していないと判定してしまうこと)」の可能性はそれなりに存在し、一方で「誤診(感染があると判定されたのに実際には感染していない)」の確率はほぼないということが言えます。

※新型コロナウィルス用検査に限らず、「感度100%、特異度100%」という”完璧な検査”というものは存在しません。常に、その他の臨床所見と総合して判断することが必要です。

どのような時に抗体検査を受けることができますか?

こちらは、あくまで、「クリニックフォアの各クリニックに何らかの理由で受診し、採血を行った方」を対象として、ご希望の方に無償で行う検査になります。

例えば、食物アレルギーやじんま疹症状がありアレルギー検査を行った方、甲状腺疾患で採血を行った方、体調不良で医師の判断で採血を必要とされた方、健康診断をご希望されて採血を行った方、などが対象となります。

実際にどのように予約、受診を行えばいいですか?

クリニックフォアではweb予約をお願いしています。クリニックフォアのホームページ(https://www.clinicfor.life/)からweb来院予約に進み、ご希望のクリニックをご選択ください。

症状に応じてご希望の受診科目(内科・アレルギー科・皮膚科)、あるいは、健康診断をご希望の場合は、「自費」というタブよりご予約をお願い致します。

抗体検査はクリニックフォア田町・新橋・飯田橋・有楽町・四谷・大手町で実施いたします。PCR検査は田町院のみで実施しておりますのでご注意ください。

症状がないと抗体検査を受けられませんか?

前述のように、何かしらの理由があり、クリニックフォア各院で採血を行った患者さんの残余検体を使用し、無償で実施する検査になります。

当然ですが、何かしらの症状がない場合は、保険診療で診療を行うことができません。採血を含む健康診断をご受診いただいた患者さんの場合、そちらの残余検体を使用して行うことは可能です。

費用はどれくらいかかりますか?

新型コロナに対する抗体検査については、該当する患者さんの中でご希望の方には無償で提供させていただきます。

ただし、一般の保険診療、あるいは、健康診断の費用に関しては、普通のご受信と同じ用に費用は発生しますのでご了承ください。(保険診療の場合は、3割負担の方で初診であれば5000−7000円程度、健康診断の場合は10,000円−15,000円程度を想定ください)

検査はいつもらえますか?結果説明はどのように行われますか?

当グループで使用している抗体検査は、約15分で結果が出ます(血液を入れてから結果が出るまでに15分かかります)。ご受診いただいて、結果をお渡しするまでには、その他の準備等もありますので、30分から、最大1時間程度を見込んで頂ければ幸いです

結果説明については、抗体検査結果を記載した紙、および、その意味合いの解釈をご説明する紙をお渡ししますので、そちらを御覧ください(無償での提供となりますので、医師あるいは看護師から十分な時間を取ってご説明することはできません。ご理解ください)

検査結果はどのように解釈をすればよいですか?

ウィルスに対して体内で抗体がつくられるとき、その抗体にはいくつかの種類があります。その出現パターンによって、「未感染・感染初期・感染中期・感染後」という判定が可能です。

 感染初期段階では、まずIgMという種類の抗体が出現し、遅れてIgGという種類の抗体が出現してきます。そのため、以下のように判定されます。

  - 未感染: IgM陰性・IgG陰性
  - 感染初期: IgM陽性・IgG陰性
  - 感染中期: IgM陽性・IgG陽性
  - 感染後: IgM陰性・IgG陽性

以上を踏まえ、解釈に関するメッセージは以下の通りとなります。

【未感染パターン:IgM陰性・IgG陰性】

 基本的には、未感染であると考えられます。

 ただし、本検査の感度がやや低いことを踏まえると、未感染であると確定することはできません(感染しているのに見逃している可能性があります)。症状がないのであれば、引き続き予防に努めてください症状があるようであれば、PCR検査や画像検査を総合した判断が必要となりますので、別途、医師に相談・受診をお願いします。

【感染初期パターン:IgM陽性・IgG陰性】

【感染中期パターン:IgM陽性・IgG陽性

 現在、新型コロナウイルスに感染している可能性があります。症状があるようであれば、PCR検査や画像検査を総合した判断が必要です。大変申し訳ありませんが、今回の無償での抗体検査の結果を持参し、他の医療機関に受診することはご遠慮いただいております。そのため、当グループの中でPCR検査を実施できるクリニックフォア田町への受診をお願いします。

 症状がない場合は、不顕性感染(感染はしているが、症状が出ない)の可能性があります。自宅静養・マスク着用の徹底など、周囲にうつしてしまわないような配慮をお願いします(2週間が目安)。基本的には症状がない限りにおいて、PCR検査など他の検査が必須というわけではありません。

 なお、現在症状がなくても、追って症状が顕在化してくる場合があります。その場合は、PCR検査や画像検査を総合した判断が必要になりますので、別途受診をお願いします。

 なお、この結果を根拠にして、PCR検査等の精査を希望するなど、他院に受診したりすることは絶対にお控え下さい。他院で行われた未承認の検査薬による結果をもとに受診されることは、先方の医療機関にとって迷惑であり、医療崩壊を促進させてしまう行為だからです。クリニックフォア田町では、PCR検査をスムーズに行える体制も整えておりますので、希望がある場合は、必ず抗体検査を行ったクリニックにおいて追加精査を担当医師に相談してください。(保健所でも、無症状の方が抗体検査が陽性であっただけでは、PCRを指導しておりません)

【感染後パターン:IgM陰性・IgG陽性

 既に新型コロナウイルスに感染後である可能性が高いです。

 近日、症状があったのであればそれが新型コロナウィルス感染症であったと考えられます。また、これまでに症状がなかったのであれば、不顕性感染であったと考えられます。

 基本的にこれから新型コロナウィルスに感染する可能性は低いといえますが、その可能性がゼロになるわけではありません

 抗体は時間をかけて減衰していきますし、そもそも抗体を持っていても再び感染してしまうことはありえます(例えば、エイズの原因になるHIVも、体内で抗体は作られるものの感染を防ぐほどの力までは持っていません。抗体保有≠免疫保有ということです)。

 新型コロナウィルスに関しては、まだ情報が不足しており、抗体を持っていることがどのような防御的意義を持つのかは十分にわかっていません。引き続き予防に努めてください。

検査結果も含めて、診断書をお願いできますか?

上記のように、抗体検査の意味合いがはっきりとしておりませんので、原則的に診断書の発行はお断りしております。

ただし、諸事情があり、上記の限界を十分に理解した上で、診断書の作成をご希望の方は医師にお伝え下さい。診断書作成料として、日本語の診断書は5,000円、英語は10,000円をご負担いただいております。

また、現在多くのお問い合わせをいただいておりますが、クリニックでのオペレーションを行いながらの対応となりますので、お電話・メールへの問い合わせへの対応は難しい状況です。ご理解・ご協力のほどよろしくお願いいたします。

公開日:5月21日 更新日:6月30日

監修:クリニックフォアグループ医師