
若ハゲとは
若ハゲとは、多くの場合は10代後半~20代前半にかけて発症する脱毛症「若年性脱毛症」のことを指します。
若年性脱毛症は、「ここまでハゲているから若年性脱毛症」等の明確な基準というものはありません。進行性の病気であるため、全く薄毛に見えない人でも既に発症は始まっている方もいます。
若ハゲに多い3つの症状・特徴
しかし見た目までには現れなくとも、若年性脱毛症の症状は現れます。若ハゲに多い症状は主に以下の3点です。
- 今までよりも抜け毛が多くなった
- 今までよりも髪の毛が細くなった
- 髪型がキマらなくなった
これらの症状を見て、ご自身に当てはまる方は若年性脱毛症の可能性があるため、注意が必要です。
若ハゲの原因
若ハゲの原因は一つとは限りません。若ハゲの原因として主に挙げられるのは以下の3点。
- AGA
- 血行不良
- 生活習慣の乱れ
それでは、それぞれ詳しく説明していきます。
AGA
若ハゲの原因はいくつかありますが、AGAである場合がほとんどです。AGAとは、男性型脱毛症(: AndroGenetic Alopecia)の略で、思春期以降に始まり徐々に進行する脱毛症 のことを言います。ここで、非常に大事になるのは「徐々に進行する」というポイントです。髪の毛は毛周期と呼ばれる成長サイクルに従い生え変わります。通常は以下のようなサイクルとなります。
◯毛が太くなり成長する「成長期」が2~6年
◯毛が退化していく「退行期」数週間、「休止期」数ヶ月を経て、毛が抜け落ち、生まれ変わります。
しかしながら、AGAの方では、「成長期」が数ヶ月~1年と短くなっています。成長期が短いため、髪の毛が成長しきれずに弱ってしまいます。ヘアサイクルが狂って短期間で毛周期を1周してしまうため、髪の毛の寿命が短くなっている状態と言えます。その結果、休止期にとどまってしまうものが多くなって、髪が細く短くなり、最終的には頭髪が徐々になくなっていきます。
AGAは男性ホルモンよって引き起こされる脱毛症
AGAは男性ホルモンによって引き起こされる脱毛症です。
男性ホルモンの一つであるテストステロンは、5αリダクターゼと呼ばれる酵素と結びつくことで、DHT(ジヒドロテストステロン)と呼ばれる物質を生成します。このDHTが髪の毛の毛根にある毛乳頭の受容体に結合すると、髪の毛の成長期が短くなり、成長サイクルが通常よりも短縮され、「細く、短く、抜けやすい」髪の毛となってしまいます。
そのためテストステロンの分泌量が増え始める10代後半のタイミングでAGAを発症する方も決して少なくないのです。
血行不良
髪の毛が成長するために必要な栄養素は、血液を通して頭皮の毛乳頭にある毛細血管に送られます。そのため頭皮が血行不良を起こすと、髪に栄養が行きわたらなくなり、薄毛が進行する原因となります。
生活習慣の乱れ
食生活の乱れや睡眠不足は薄毛や抜け毛の原因となります。
偏った食生活では、髪の生成に必要な栄養素を十分に摂ることができず、薄毛や抜け毛の原因になります。
また睡眠不足は、IGF-1呼ばれる毛母細胞の活動を促す物質の生成を妨げるため、薄毛や抜け毛の原因となるとされています。
若ハゲの対策・予防方法
若ハゲ、すなわち若年性脱毛症の対策・予防方法は以下の通りです。
- AGA治療を受ける
- 皮膚の炎症を合併している場合は皮膚科での治療を行う
- 栄養バランスの整った食事を心がける
- 睡眠をしっかりとる
それぞれ詳しく解説していきます。
AGA治療を受ける
AGA治療では主にフィナステリドやデュタステリド、ミノキシジルタブレットといった飲み薬を服用することで治療を行います。
飲み薬のフィナステリドやデュタステリドは、5αリダクターゼの活動を阻害し、DHT(ジヒドロテストステロン)の生成を阻害します。それによって、薄毛の進行を止め、予防することができます。
また、ミノキシジルと呼ばれる毛母細胞の活動を活性化させる飲み薬を服用することで、発毛を促進します。
これら2種類の治療薬に加え、髪の生成に必要な栄養素をバランスよく摂取できるサプリを服用することで、薄毛をトータルで改善します。
栄養バランスの整った食事を心がける
健やかな毛髪を保つには、栄養バランスの整った食事を摂ることが必要です。中でもタンパク質やビタミン群、亜鉛などのミネラルが特に重要です。
それぞれの役割や食材について詳しく知りたい方は「AGA対策・薄毛改善のために知っておきたい生活習慣、食べ物について医師が解説します。」の記事をご覧ください。
睡眠をしっかりとる
髪の毛の健やかな成長に睡眠は欠かせません。
成長ホルモンの分泌は勿論のこと、睡眠不足によって自律神経の乱れや、頭皮血行不良も引き起こす場合もあるため、睡眠はしっかりとるようにしましょう。
若ハゲのよくある質問
最後に若ハゲに関するよくある質問について、まとめたので是非チェックしてみてくださいね。
Q. 若ハゲは治らないのでしょうか?
A. 原因によって異なります。
遺伝的な要因、男性ホルモン原因の場合、AGAは進行性の疾患であるため、現在の医学では完治することはできません。ただし、フィナステリドやデュタステリドなどの治療薬を服用することで進行を遅らせることはできます。そのため、AGAである可能性がある場合、一度専門のクリニックや病院で検査をすることをおすすめします。
Q. M字ハゲ特有の原因や対策方法はありますか?
A. ありません。
M字ハゲ特有の原因や対策方法というものは、特にありません。AGAの基本的な治療を受けていただくことをおすすめいたします。
Q. AGAを自分で治すことはできますか?
A. セルフケアでの治療は難しいとされます。
AGAは男性ホルモン、遺伝的な要因が大きいため、セルフケアでの改善には限界があります。
また市販で売られている育毛剤はあくまでヘアケア製剤であったり、発毛剤に関しても濃度や成分が医療用の医薬品とは異なるため、あまり高い効果は見込まれません。そのためAGA治療はクリニックや病院で行うことをおすすめします。