2020.05.05

新型コロナウイルスで話題のレムデシビルって何?副作用は?医師が解説します。

監修:
東京都済生会中央病院 
非常勤医師
クリニックフォア新橋 勤務
渥美義大 医師

2020年5月中にも新型コロナウイルスの治療薬として国内で使用可能となるレムデシビル(商品名ベクルリー)。(2020年5月7日に特例承認されました。2020年5月7日更新)アメリカではすでに重症患者への使用が認められているお薬です。

日本で使用可能となるレムデシビルですが、新型コロナウイルスの患者さんに本当に効果があるのかなど医師が詳しく解説していきます。

レムデシビルってどんな薬?副作用はある?

レムデシビルとはギリアド・サイエンシズというアメリカの製薬会社が作っているお薬で、点滴で使用するお薬です。レムデシビルは、この製薬会社がもともとはエボラ出血熱の治療のために開発を進めていた薬剤です。研究開発段階のお薬でしたのでまだどの国や地域でも承認されておらず、投与されたのは臨床研究としてコンゴ民主共和国のエボラ出血熱方のみとなっています。また、その際にも改善効果は見られなかったといわれています。

まだ臨床試験段階だったため起こりうる副作用や、その頻度は不明であるものの、臨床実験の段階では肝機能障害、下痢、皮疹、腎機能障害などの頻度が高く、重篤な副作用として多臓器不全、敗血症性ショック、急性腎障害、低血圧が報告されています。

新型コロナウイルスに効くの?

まだどの国でも承認されていなかったレムデシビルというお薬の名前が知られるようになったきっかけがあります。2020年2月頭に武漢の研究所から、人体ではなく培養した細胞での結果でしたが、レムデシビルが新型コロナウイルスの増殖を抑制したと医学雑誌に発表されたのです。レムデシビルには、ウイルスの複製に関するRNAポリメラーゼを阻害する効果があります。これによりウイルスの増殖を抑え、症状を改善する効果が期待されています。

日本ではこのレムデシビルより先にアビガンというお薬が新型コロナウイルス感染症に効果がある可能性が認識され、治験が行われてきました。しかし、アビガンの場合軽症者では高い割合で症状の改善が見られた一方で、重症者に対しての症状の改善は芳しくない状況でした。ところがレムデシビルの場合重症者に対しての症状改善やそれにかかる時間の短縮が期待されています。このことから、レムデシビルが期待され、急ピッチで国内承認に向けて検討が進められています。しかし、重症患者の症状改善やそれに要する時間を短くすることがあるとされる一方で死亡率については変化がなかったということもあり、特効薬として投与することは難しいという見解もあります。

いつから日本で導入されるの?

すでに、アメリカでは2020年5月1日より重症患者に対して緊急的に使用が認められているレムデシビル(商品名ベクルリー)。日本ではいつから使用可能となるのでしょうか。(2020年5月7日に特例承認されました。2020年5月7日更新)

そもそも通常は新しい薬剤が医療現場で使用可能となるまでに約1年間の年月がかかります。ですが、①国民の生命及び健康に重大な影響を与える恐れがある疾病が蔓延し、緊急に使用する必要がある、②日本と同等の審査水準がある外国で承認されているという特例承認制度の条件に当てはまっていることから最短期間での審査が可能となります。日本では5月中に使用可能となることを目指して検討を進めるとともに、世界各国の施設と協力して行われる治験に日本の施設も参加しています。

値段は?

レムデシビルの値段については現在のところ明らかにはなっていません。しかし、あまりに高額な値段にしてしまうと世界の貧困層が医療を受けることができなくなることが懸念されています。そのため、国境なき医師団がレムデシビルの特許の停止・無効化や価格統制による価格引き下げを行うよう求めるなどの運動が行われています。すでにいくつかの政府は特許の停止・無効化の準備を進めるとともに、価格統制などの措置を行っていく方針を発表しています。

今後日本で使用されるレムデシビルの薬価は現段階では不明です。日本は、承認段階では特許を無効化しての自国での生産を目指すのではなく、ギリアド・サイエンシズに日本への配分を求めているため、ある程度高価になる可能性があります。またギリアド・サイエンシズとしても増産体制が整うまでは臨床試験での使用や、世界各国からの要望、自国米国のための確保などがあるため、日本への配分が潤沢とはならないと考えられます。そのため厚生労働省が流通を管理し、新型コロナウイルス感染症の重症患者を診ている医療機関に配分するなどを行うと考えられます。

こういった状況のため、より少ないレムデシビルの使用量で効果が得られないかという臨床研究もギリアド・サイエンシズによって行われています。本来10日間注射で投与が必要ですが、5日間で治療効果が得られないか検討されました。まだ医学雑誌に発表される前のギリアド・サイエンシズのプレスリリースですが、5日間の投与でも治療効果は10日間の投与と同等に得られたとされ、より多くの患者さんに使用できる可能性が示されました。

2020年5月に入りアメリカ、日本で緊急で承認されたレムデシビル。2020年5月上旬までの臨床試験の結果からは劇的に新型コロナウイルス感染症を改善したり、死亡率を減らす薬ではないと考えられます。しかし、入院を要するような患者さんの症状改善の時間を短縮することができる可能性があり、つまり集中治療室を必要とする時間を短縮して医療崩壊を軽減することができるかもしれません。また、ほかに有効な治療薬がないことなどもあって、承認されたと考えられます。今後も、有効な治療薬の開発、発見が待たれますし、そのような話題があった際にはこちらの記事で詳しく解説させていただきます。

>>【クリニックフォアグループ監修】COVID-19最新情報はこちら!

クリニックフォアグループのオンライン診療について

より便利に診療を受けていただくために、初診から受診可能なオンライン診療を始めました。自宅で・オフィスで・外出先で・スキマ時間に、ご来院いただかなくても、便利に診療を受けて決済いただき、必要なお薬をご自宅までお届けします。
クリニックに来院することによる新型コロナウイルス感染リスクを防ぐ為にも、ぜひご利用ください。

↓↓初診からOK!オンライン診療はこちら(内科・皮膚科・アレルギー科)

「新型コロナ相談」LINE公式アカウント

クリニックフォアグループでは、Lineの「新型コロナ相談」アカウントを開設し、BOT形式で疑問・ご質問にお答えしています。
クリニックフォアグループの医師が、厚生労働省やWHOの提供している情報や論文を元に作成しています。

監修:
東京都済生会中央病院 
非常勤医師
クリニックフォア新橋 勤務
渥美義大 医師

渥美医師開設「Dr.ドクターの糖尿病ノート」

Twitter:https://twitter.com/Dr_doctor_DM

更新日:5月7日

参考文献

日経オンライン https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58067160V10C20A4000000/

国立感染症研究所 http://www.kansensho.or.jp/uploads/files/topics/2019ncov/covid19_drug_200430.pdf

https://www.gilead.com/news-and-press/press-room/press-releases/2020/4/gilead-announces-results-from-phase-3-trial-of-investigational-antiviral-remdesivir-in-patients-with-severe-covid-19

https://www.mixonline.jp/tabid55.html?artid=69222

国境なき医師団 https://www.msf.or.jp/news/detail/headline/cov20200403to.html

https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2007016

※本記事は、上記公開日時点での状況・情報・エビデンスをもとに記載しています。新型コロナウイルス感染症については、日々状況が変化し、また新しくわかることも多々ありますので、最新の情報は、直近の記事や情報をご参照くださいますようお願いいたします。