インフルエンザによる年間死者数はどれくらい?コロナとの致死率の違いは?医師が解説します。

2021-2022年のインフルエンザ予防接種ですが、クリニックフォアグループでは10月1日より、予約受付・接種開始しております。詳しくはこちらの記事をご覧ください。

そろそろインフルエンザについても考えていかなければならない季節となってきました。早い方ではインフルエンザのワクチン接種をスタートされている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回は、そのインフルエンザに罹ってしまった場合の年間死亡者数について新型コロナウイルス感染症と比較して解説していきます。

インフルエンザの年間死者数はどのくらい?

2019年のインフルエンザによる死亡者数は、厚生労働省が毎年発表している人口動態統計によると3575人。この年、米国では1万人強の死亡者数が報告されており、日本と比較すると死亡者数にかなりの差が見られます。インフルエンザによる死亡者数として発表されるこの数字には2つの種類があります。

1つは、インフルエンザに感染したことによって死亡した人、つまりはインフルエンザが直接的に死の原因となった人です。先ほどの3575人という数値はこれを意味しているものです。もう1つは、インフルエンザにかかったことによって自分が罹患している慢性疾患が悪化して死亡されたというものです。この2つをあわせた死亡率のことを超過死亡概念といい、WHOが提唱しているのですが、この数値が毎年約1万人程度と厚生労働省では発表しています。

つまり、日本の場合はインフルエンザに感染が直接的な原因となって死亡する方よりも、インフルエンザにかかったことにより元々抱えている疾患が悪化して死亡される方が多いということなのです。

新型コロナウイルスとインフルエンザの致死率にはどのような違いがある?

次に、インフルエンザと新型コロナウイルス感染症の致死率の違いについて見ていきましょう。日本における2021年7月の検証データによると、新型コロナウイルスの致死率は、ワクチン未接種の場合、65歳以上の高齢者では2.83%、全年齢で平均すると0.12%でした。ちなみに季節性のインフルエンザの致死率は0.1%程度、2009年に流行した新型インフルエンザの致死率は0.001%程度とされているため、新型コロナウイルスの致死率は比較的高いということが分かります。

なぜ、新型コロナウイルスの致死率が高いのか、それについては2つの原因が考えられています。

1つは症状が急激に進行することです。新型コロナウイルスは症状が急速に進行することが特徴であるため、最初は元気であり軽視をしていたとしても急速に悪化してしまい、治療の手立てを打つことなく死亡してしまうという可能性があるのです。

もう1つは医療崩壊です。新型コロナウイルスは重症化すれば人工呼吸器を使用した治療が必要となります。しかし、感染者および重症者が増加して人工呼吸器をはじめとする医療物資が足りなくなれば治療をすることができなくなります。この医療崩壊によって治療が受けられずに死亡するということも、致死率が高くなっていることに関係している可能性として十分に考えられています。

インフルエンザは医療崩壊が起こらず十分に医療を受けられること、検査が容易に受けられることなどから、致死率が低いことが考えられています。

インフルエンザの致死率を下げるためにはどうしたらよい?

インフルエンザの致死率を下げる最も効果的な方法は、インフルエンザの感染を予防することです。インフルエンザに感染してしまえば、元気な方でも死亡するリスクはあります。そのため、インフルエンザの感染を予防するためには、新型コロナウイルス感染予防対策と同様に、手洗いやアルコール消毒をしっかりと行い、人混みを避け、不織布マスクを着用するようにしましょう。

2021〜22年シーズンのワクチンの供給予定量は、約2,818万本(1本は大人2回分)と発表されています(令和3年10月時点)。

供給量の多かった昨年よりは少なくなりますが、例年の使用量に相当する程度は供給される見込みです。積極的に活用していき、インフルエンザウイルスの感染予防に努めましょう。

抗インフルエンザ薬の予防内服とは?

抗インフルエンザ薬の予防内服についてご存知でしょうか。予防内服とは、実際の治療に使われる薬を、感染予防目的で使用することです。例えば、受験や大事な会議など、ご自身やご家族に、どうしても休めない用事がある時、また、ご家族や会社の同僚など周囲の方がインフルエンザに感染された時、抗インフルエンザ薬を服用することで、インフルエンザの感染を予防することができます。(自費での処方となります)

抗インフルエンザ薬の予防内服はこちら

監修:クリニックフォアグループ医師

公開日:2020年10月20日 

更新日:2021年11月15日

参考文献

厚生労働省 

https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000826597.pdf

https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/02.html

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou03/index_00002.html

大阪大学医学部附属病院感染制御部

https://www.hosp.med.osaka-u.ac.jp/home/hp-infect/file/ictmon/ictmon162.pdf

東邦大学 https://www.lab.toho-u.ac.jp/nurs/socio_epidemiology/blog/dqmvu90000000d7e.html

https://jamanetwork.com/journals/jamainternalmedicine/fullarticle/2766121