インフルエンザによる年間死者数はどれくらい?コロナとの致死率の違いは?医師が解説します。

そろそろインフルエンザについても考えていかなければならない季節となってきました。早い方ではインフルエンザのワクチン接種をスタートされている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回は、そのインフルエンザに罹ってしまった場合の年間死亡者数について新型コロナウイルス感染症と比較して解説していきます。

インフルエンザの年間死者数はどのくらい?

2018年のインフルエンザによる死亡者数は、厚生労働省が毎年発表している人口動態統計によると3325人。この年、米国では1万人弱の死亡者数が報告されており、日本と比較すると死亡者数にかなりの差が見られます。インフルエンザによる死亡者数として発表されるこの数字には2つの種類があります。

1つは、インフルエンザに感染したことによって死亡した人、つまりはインフルエンザが直接的に死の原因となった人です。先ほどの3325人という数値はこれを意味しているものです。もう1つは、インフルエンザにかかったことによって自分が罹患している慢性疾患が悪化して死亡されたというものです。この2つをあわせた死亡率のことを超過死亡概念といい、WHOが提唱しているのですが、この数値が毎年約1万人程度と厚生労働省では発表しています。

つまり、日本の場合はインフルエンザに感染が直接的な原因となって死亡する方よりも、インフルエンザにかかったことによって自分が抱えている疾患が悪化して死亡される方が多いということなのです。

新型コロナウイルスとインフルエンザの致死率にはどのような違いがある?

次に、インフルエンザと新型コロナウイルス感染症の致死率の違いについて見ていきましょう。新型コロナウイルスの致死率は、80歳以上では15%くらいと考えられており、全年齢で平均してみても0.1%~4%程度と考えられています。ちなみに季節性のインフルエンザの致死率は0.1%程度、2009年に流行した新型インフルエンザでも0.01%程度とされているため、新型コロナウイルスの致死率は高いということが分かります。

なぜ、新型コロナウイルスの致死率が高いのか、それについては2つの原因が考えられています。

1つは症状が急激に進行することです。新型コロナウイルスは症状が急速に進行することが特徴であるため、最初は元気であり軽視をしていたとしても急速に悪化してしまい、治療の手立てを打つことなく死亡してしまうという可能性があるのです。

もう1つは医療崩壊です。新型コロナウイルスは重症化すれば人工呼吸器を使用した治療が必要となります。しかし、感染者および重症者が増加して人工呼吸器をはじめとする医療物資が足りなくなれば治療をすることができなくなります。この医療崩壊によって治療が受けられずに死亡するということも、致死率が高くなっていることに関係している可能性として十分に考えられています。

インフルエンザは医療崩壊が起こらず十分に医療を受けられること、検査が容易に受けられることなどから、致死率が低いことが考えられています。

また、アメリカの医師会では新型コロナウイルスの致死率はまだ十分な統計が取れていないため、現時点での情報で致死率の高さを比較するのではなく、同じ条件で比較することが必要なのではというような見解もしています。

インフルエンザの致死率を下げるためにはどうしたらよい?

インフルエンザの致死率を下げるためには、インフルエンザの感染を予防していくということが最も効果的な方法なのではないでしょうか。インフルエンザに感染してしまえば、元気な方でも死亡するリスクはあります。そのため、インフルエンザの感染を予防するために手洗いやアルコール消毒をし、人混みを避け、マスクを着用するようにしましょう。

また、インフルエンザのワクチンも厚生労働省では平成27年以降で最大の約3,178万本(最大約6,300万人分)を確保できる見込みとしているため、積極的に活用していき、インフルエンザの感染を予防していきましょう。

監修:クリニックフォアグループ医師

公開日:10月20日

参考文献

厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/02.html

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou03/index_00002.html

東邦大学 https://www.lab.toho-u.ac.jp/nurs/socio_epidemiology/blog/dqmvu90000000d7e.html

https://jamanetwork.com/journals/jamainternalmedicine/fullarticle/2766121