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蕁麻疹とは
アレルギー反応などにより血管の拡張がして、皮膚の一部が赤く膨らむ発疹ができて、かゆみを伴う病気です。多くの場合、発疹は1日かからず消失し、症状は数日程度で軽快しますが、慢性的に数週間以上続く慢性蕁麻疹もあります。蕁麻疹は原因がわからないことが多いですが、食べ物や、薬、感染症など起こるとされています。
治療は、抗ヒスタミン薬を主に使用します。稀ではありますが、蕁麻疹が、アナフィラキシーショックと呼ばれる、重篤なアレルギー反応の症状である場合があるため、早急な医療機関受診を必要とする場合があります。
湿疹とはどんな症状?
湿疹の主な症状は、痒みや赤みを伴う発疹です。直径10mm未満の隆起を伴う発疹(丘疹)や、隆起の頂点に小さな水泡が見られることもあります。水ぶくれが膿を持った膿疱や、ただれてかさぶたになることもあります。
痒みが強いのも特徴です。掻くことでさらに痒みが強くなり、さらに搔いてしまうという悪循環に陥るケースも珍しくありません。掻き崩したところに傷がついて化膿したり、跡が残ったりする恐れも。
また、同じところを繰り返し掻いていると、皮膚のごわつきや色素沈着にもつながります。
蕁麻疹と間違いやすい症状と疾患は?
「かゆみを伴う発疹」は、蕁麻疹以外の皮膚疾患にもよく見られる症状です。間違いやすいため「ただの湿疹かな?」と見過ごしてしまう人は少なくありません。
よく蕁麻疹と混同されるのが、接触皮膚炎です。「湿疹」や「かぶれ」とも呼ばれます。主な症状はかゆみを伴う発疹や丘疹(もりあがりのある湿疹)、水ぶくれなどです。悪化すると水ぶくれが破れてかさぶたになったり、長引くと皮膚がごわつく苔癬化が起きたりします。原因となる物質に触れることで起こりますが、蕁麻疹とは異なり、すぐに症状が治まることはありません。
また、蚊やブユによる虫刺されでも、膨疹やかゆみなどが現れます。しかし、虫刺されの場合、かゆみが数日続いたり、刺された跡がしこりになったりします。症状が似ていても、数時間で症状が治まる場合は蕁麻疹の可能性が高いでしょう。膨疹の全体が平べったく膨らむ、赤い輪のような形になるといった症状も蕁麻疹の特徴です。
蕁麻疹のメカニズム
蕁麻疹は、私たちの皮膚の真皮という部分に存在するマスト細胞が、何らかの刺激を受け、炎症のサインであるヒスタミンという物質を分泌することで起こります。皮膚に膨疹や赤みが現れるのは、ヒスタミンが皮膚の毛細血管に作用し、血液の成分が血管外に漏れ出すためです。また、。ヒスタミンによって知覚細胞が刺激され、多くの場合かゆみを伴います。。
しかし、蕁麻疹の症状は通常長くは続きません。刺激となるものが取り除かれれば、数時間以内で治まります。ヒスタミンの放出が止まり、血管が収縮して血漿成分も元に戻るためです。
蕁麻疹の原因
蕁麻疹を起こす仕組みは、私たちの皮膚の真皮という部分に存在するマスト細胞という細胞が、何らかの刺激を受けることで炎症のサインであるヒスタミンという物質を分泌することで起こります。ヒスタミンは皮膚の毛細血管に作用し、血液の成分が血管外に漏れ出すような作用を起こします。その結果、腫れたり赤くなったり、皮膚の神経に作用することでかゆみが生じたりします。
蕁麻疹を起こす刺激の原因がわからないことも多いです。食事や薬、運動、ストレスの場合もありますし、かぜなどの感染症と関連することもあります。
なかには、全身性エリテマトーデス(SLE)やシェーグレン症候群、自己免疫疾患などの膠原病、リンパ腫などの血液疾患などが原因となっている場合もあります。
蕁麻疹の分類
急性蕁麻疹と慢性蕁麻疹
蕁麻疹は継続期間によって急性と慢性に分けられます。
急性蕁麻疹は、毎日のように繰り返して起こる蕁麻疹のうち、発症から1ヶ月以内のものです。1ヶ月以上症状が継続しているものは慢性蕁麻疹と呼ばれます。
急性蕁麻疹の主な原因とされるのは、細菌やウイルス感染です。しかし、慢性化すると検査でも皮膚以外の異常が見つからず、原因が特定できないことが多いとされています。
外的刺激で起こる蕁麻疹
蕁麻疹が起きる外的刺激にはさまざまなものがあります。
よく見られるのが特定の食べ物や薬剤を摂取したり、塗布したりすることで起こる蕁麻疹です。アレルギー性のものだけでなく、その日の体調によって起きる非アレルギー性の場合もあります。
物理的な刺激が原因で起こる物理性蕁麻疹は、たとえば衣類やアクセサリーなどの摩擦・接触、圧迫(きつい下着などの締め付け)などによって生じることがあります。
また、暖かいところから急に寒い戸外へ出たり、入浴で体が温まったりしたときに蕁麻疹が現れたことはないでしょうか。これらの寒冷・温暖も物理的刺激の一つです。
汗をかいたときに出やすいコリン性蕁麻疹というものもあります。膨疹が1~4mmと小さく、子どもや若年層に多く見られるのが特徴です。
イントレランス
イントレランスは非アレルギー性の蕁麻疹です。アスピリンなどの非ステロイド系抗炎症薬や造影剤、サリチル酸を含む食品などによって起こります。
サリチル酸は古くから解熱・鎮痛・抗炎症作用があるとして、医薬品や化粧品に用いられてきました。アスピリンもサリチル酸の一種です。また、オレンジやレーズン、スパイス、コーヒーなどにも多く含まれています。
イントレランスの特徴的な症状は、地図上に盛り上がった膨疹とかゆみです。唇やまぶたなど顔面が腫れたり、咳や息苦しさを感じたりすることもあります。
服用・使用後数分から半日程度で症状が現れるとされており、重症の場合は血圧低下などのアナフィラキシー症状を起こす恐れもあるため注意が必要です。
特殊な蕁麻疹(血管性浮腫)
血管性浮腫は蕁麻疹の一種で、皮膚の深いところにある血管が反応し、唇やまぶたなどが腫れあがるものです。通常の蕁麻疹と比べると、膨疹の境界や赤みがはっきりしていないのが特徴です。
また、血管性浮腫の場合、数時間程度で消える普通の蕁麻疹とは異なり、症状は数日続くことが一般的です。喉や手足に起こることもあり、特に喉に起きると呼吸困難に陥りかねないため、適切な対処が必要になります。
蕁麻疹の対処法
ほとんどの蕁麻疹は時間の経過とともに消えていきます。しかし、その間かゆみを我慢したり、人目を気にしなくてはならないのは辛いですよね。すぐにできる対処法を知っておくと、症状の改善や予防に役立ちます。
患部を冷やす
かゆみは患部を冷やすことである程度抑えられます。保冷剤や冷たいおしぼり、氷を入れたビニール袋などが効果的です。ただし、蕁麻疹が寒冷によるものの場合は避けましょう。また、保冷剤を直接皮膚にあてると冷えすぎてしまう恐れがあります。タオルなどで包んで使うのがおすすめです。
発熱時用の冷却シートも、粘着部分が刺激になり、かえってかゆみが強くなる恐れがあるため、使わない方がよいでしょう。
刺激・原因となるものを避ける
これまでのエピソードや検査から原因が判明していれば、摂取や接触を避けることで、蕁麻疹を予防できます。運動やストレスなどの精神的刺激などによるもののときには、運動の頻度や生活習慣の見直しで改善が期待できるでしょう。
また、蕁麻疹が出ているときは、運動だけでなく入浴にも注意が必要です。熱いお湯につかることで血行がよくなり、かゆみが強くなる恐れがあります。蕁麻疹の部分をゴシゴシ洗うのも避けましょう。
さらに、患部をかくのもよくありません。かえってかゆみが悪化しかねない上、傷がついて化膿したり、跡が残ったりする可能性もあるためです。蕁麻疹が頻繁に出ているようなときは、皮膚を傷つけないように爪も短く切っておくとよいでしょう。
市販薬を使う
抗ヒスタミン成分を含む市販の塗り薬や内服薬も、蕁麻疹の症状を抑えるのに有効です。ただし、自己判断での使用にはリスクが伴います。特に、日常的に薬を飲んでいる人は注意が必要です。必ず医師や薬剤師、医薬品登録販売者に相談しましょう。
また、市販薬を数日使っても症状がぶり返すときや、改善が見られないときは使用を中止して皮膚科を受診することをおすすめします。
皮膚科を受診する
症状の改善や予防はもちろん、蕁麻疹の原因を探るためにも、早めに皮膚科を受診しましょう。蕁麻疹の原因や悪化因子を避けるのに有効です。
診断では、「思い当たる原因」などの問診と皮疹の広がりを見る身体診察を行います。問診と膨疹の様子から蕁麻疹と診断し、治療を開始することが多いです。医師が必要と判断した場合には、蕁麻疹の刺激の原因を特定するために検査を行います。たとえば、血液検査やパッチテストでアレルギーの有無を調べる、圧迫や摩擦、寒冷などの影響が疑われるときに同様の刺激を与えるなどです。また、他の病気の可能性が考えられるときは、膠原病、甲状腺疾患などに関する検査を行うことがあります。
蕁麻疹の出現とともに、息苦しいなどの呼吸の症状や、下痢や嘔吐のようなお腹の症状を伴う場合は、アナフィラキシーショックというアレルギー反応の重篤な疾患の恐れもあるため、直ちに医療機関を受診しましょう。
蕁麻疹の主な治療法は「薬物療法」
蕁麻疹の治療には、抗ヒスタミン薬を主に使用します。蕁麻疹はほとんどの場合、ヒスタミンの作用によって起こるためです。
抗ヒスタミン薬で改善が見られず、原因が特定できない慢性蕁麻疹や、症状が重たい方、症状が全身に及ぶような方には、ステロイドの内服・注射も使用する場合があります。
また、慢性蕁麻疹については、症状の有無に関わらず、継続的な薬の服用が必要です。症状が治まったからと自己判断でやめてしまうと、症状がぶり返す恐れがあります。医師の指示に従って正しく飲むようにしましょう。
蕁麻疹のお悩みはクリニックフォアの皮膚科対面診療へ
クリニックフォアでは、皮膚科対面診療で蕁麻疹の治療を行っています。蕁麻疹はかゆみの症状が強く、生活や睡眠を害することがあります。またアナフィラキシーショックという重篤な疾患の初期の症状のことがあります。気になるかゆみや皮膚の症状を認めたら、お気軽にクリニックフォアグループへご相談下さい。
※医師の判断によりお薬を処方できない場合があります。
※効果・効能・副作用の現れ方は個人差がございます。医師の診察をうけ、診断された適切な治療方法をお守りください。