新型コロナウイルスが重症化した人に不足していた「ビタミン」の正体とは?医師が解説します。

最近はコロナ禍の生活にも慣れてきたのではないでしょうか。

もう飽き飽きだというひとも多いと思いますが、そんなコロナ禍においてはコロナ対策として玉石混交の情報が錯綜していて、何を信じれば良いのかわからないと思います。

今回は、新型コロナ感染症に感染して重症化してしまう人たちにはあるビタミンが不足していて、そのビタミンを補給しておけば重症化を予防できるのではないかという話について詳しく解説していきたいと思います。

新型コロナウイルス重症者は明らかに血中ビタミンD濃度が低かった?

まず、なぜコロナ重症者でビタミンDの濃度が低かったかどうかという議論が起きているのかの背景について説明します。

そもそもビタミンDをはじめとするビタミンは正常な免疫機能を維持するために重要なのはご存知かもしれませんが、特にビタミンDが足りないとウイルス性呼吸器感染症や肺炎のリスクが上がってしまうことや、逆にビタミンDをサプリメントとして摂取することがそれらのウイルス性呼吸器感染症やインフルエンザなどの病気を予防することがこれまで報告されてきました(2021年2月現在、まだ医学的には議論がされているところで、ビタミンDによる明確な効果が認められているわけでは有りません)。

そのような背景がありコロナウイルス感染においてもビタミンDの関与が示唆されていたのです。

実際、欧州の報告では血中のビタミンDが低いとCOVID-19にかかる可能性や死亡率が高いという相関関係が示されたものがあります。もちろんこれは因果関係が示されたわけではないので、ビタミンDが足りていないからCOVID-19が重症化したと決めつけるのは早計ですが、何らかの関係はありそうです。

免疫で重要な働きをする「サイトカイン」とは?

ではここで先ほどのビタミンDの機能をさらに理解するために重要なキーワードである「サイトカイン」について説明しようと思います。

人の体内では怪我をしたり病原体が体内に入ると、それらの状態を感知した細胞が他の免疫細胞を呼び寄せる「命令」を出して、怪我を治したり、体内に入った病原体をやっつける仕組みが備わっています。

この「命令」のことをサイトカインというのですが、このサイトカインが正しく働かないと治りが遅くなりますし、働きすぎると異常ではない正常組織まで壊されてしまいます

そのため、免疫を正常に保つためにはこの免疫の免疫系統であるサイトカインの働きをコントロールすることがとても大切になります。

ビタミンDを治療薬として投与することで新型コロナ感染症の重篤化を防げるの?

そのようにコロナで重症になってしまう人においてビタミンDが不足している人が多いということはわかりましたが、ではビタミンDを補給しておくことが、コロナの感染者になってしまったとしても重症化することへの対策となりうるのでしょうか。

まだそれに対して断言することはできませんが、その対策が有効かもしれないということを裏付ける一つの仮説があります。

まずCOVID-19の一つの重症化メカニズムとして、COVID-19が感染した際に、ある炎症を抑制する作用を持つ酵素の働きを抑制することで炎症反応を引き起こすということがあります。

ビタミンDはこの炎症を抑制する作用のある酵素の数を増やしたり活性化する作用があり、その作用によってコロナによる重症症状を効果的に予防することができるかもしれない、という仮説です。

この仮説が正しいかどうかはまだ証明されていませんが、ビタミンDが不足していた場合は過剰にならない範囲でビタミンDを摂取するべきだと言えるでしょう。

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監修:クリニックフォアグループ医師

公開日:11月26日

参考文献

新型コロナウイルスービタミンDによるCOVID-19対策 http://www.seikatsusyukanbyo.com/main/opinion/009.php